花言葉とケルルロッテの想い
西東と神父の言い合いは続くも、平行線であり、神父は断固として西東と天御中主神を会わすことを拒んだのだ。
「御願いします西東さん、今回ばかりは諦めてください」
神父の険しい表情に話し合いは無駄だと判断した西東は、その場は納得し神父の言葉を受け入れ神父の元をあとにした。
西東とアコが帰ると神父は直ぐにケルルロッテを呼ぶ。
「西東さんとアコの監視を御願いします…… 二人が天御中主神と接触しないようにくれぐれも御願いします」
「神父様、もし、二人が天御中主神様に接触しようとした際ですが?」
「実力行使でそれを止めてください、そして、直ぐに天界にそれを報せてください、今回は任務扱い、残念ですが命令です」
ケルルロッテが頷き話が終わる。
内心疑問ばかりの内容ではあったがケルルロッテは心を決めて神父の指示に従うのであった、それが自分を親友と呼ぶアコと西東を裏切ることになっても“命令”と言う言葉を神父が口にした時点で拒否権は無いのだ。
そんなケルルロッテの気持ちとは裏腹にケルルロッテ宛にアコから手紙が送られてきていた、送られたのは、三日前であった。
そして中を開くケルルロッテ。
ーー手紙の内容
『やっほう、手紙を出すのはすごく変な感じです。
実は西東と話し合って細やかではありますが御祝いをしようと思います。
親友のケルケルにも参加してほしくて手紙を書きました。つまりこの手紙は招待状です。
ですがわざわざ返事などはしなくても大丈夫です。もし時間が合えば直接来てください。 アコより』
手紙に書かれた日付を見たケルルロッテは大きな溜め息をついた。
「あの子、来年の今日になってるじゃないの、仕方ないわね…… 何でこんな時にお祝いなのよ、素直に祝ってあげれないじゃない……」
ケルルロッテは悩んでいた、監視するならば自然と入り込みチャンスであったが、それは親友のアコの心までも裏切る事になるからだ、しかし、行かなければアコはきっと哀しむだろう、どちらになっても悲しい結末しか生まない状況に苦悩するケルルロッテはその手紙を握り締めて俯いた。
そんなケルルロッテはアコと西東に花を送ったのだ。
箱にいられた花束、そして花束とは別に一本づつ花が入っている事に気づくアコ。
ディアスキアとネメシアの花であった。
「見てみて西東、ケルケルから花だよ、来れないみいだけど、やっぱりケルケルだね、こんな綺麗な花をいっぱい花束にしてくれるなんてね」
「確かにケルルロッテらしいね。凄く綺麗だね」
微笑む二人は花の意味に気づいていなかった。
ケルルロッテが二人に宛てたメッセージ、二人がそれに気づくのは近い未来である事に。
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