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天界のランク説明です。

天界のランクを説明する話になってます。

寝苦しい…… 西東が余りの暑さで目を覚ました。

部屋の中はまるで蒸し風呂の様な熱さになっている。

直ぐにエアコンのスイッチを確認するが動かない。

エアコンだけではなく、扇風機も止まっていた。

「どうなってるんだ、確かに寝る前は動いてたんだけどな?」


直ぐにブレイカーを確認する。


ブレイカーが落ちているのを確認して再度ブレイカーを上げ、部屋に戻りエアコンをつける。


『ガチャン』ブレイカーが落ちた。


西東は溜め息を吐きながらアコのクローゼットを確認するとコードを見つけた。


そしてコードの先に充電されるチェーンソーを見つけた。


「はぁ、またか」


今日の朝、西東とアコはお仕置きリストに載っていた人物を発見して直ぐにお仕置きを開始した。


お仕置きを遂行するのは、アコの役目であり、パートナーの僕は周りに人が入らないように人避けの結界を作るのが役目だ。

実際に結界を作るのは今朝で3回目だったが、神父から教わった結界を独自に改竄して再構築したオリジナルの結界を使う事でなんとか、アコの速攻に間に合わせている。


神父いわく。

「西東さんは、実に素晴らしい才能を御持ちだったのですね!人間のままなら、いいお祓い師になれたでしょうね」


実際に結界を使ってみてわかるのは、余りに簡単に作れてしまうと言う事実。


元々建築家だった父親の影響で小さい頃から紙に線を書いて一人で遊んでいた。


中学では、美術部で何度もコンクールに作品を入賞させた実績もあった。


しかし、高校に入り不良に目を付けられてから人生は一変した。

周りの者が、僕を避けるようになり、完全に孤立した。

そして、2年生の冬に家族が事故に合い僕は天涯孤独になった。


最後に家を訪ねてきたのは、友達でも、教師でもなく、弁護士だった。

遺産を相続してからは不登校になり、3年の夏に足りない単位を通信で取得した。


大学からやり直す筈だった。

しかし、アコとあった前日に不良グループと再会したのだ。

そして、金銭を要求されたが、其れを持っていかなかった。

結果…… 今に至る。


幸い、結界が扱えるのでお仕置きリストには、次々に名前が上がってくる。


因みに天界にも給料制度があり、お仕置きした人数により給料があがる。


目の前でお仕置きを見るのは、かなり精神的にくるが、アコが来てからの食費や電気代に洋服代などを考えると、現実問題、家庭は火の車なのだ。


遺産は父親の遺言で僕が二十歳になるまでは、月に決められた額しか卸せないようになっているからだ。


つまりアコの分を稼がねばならない。

その為ノルマを決めた。


1日に3人はお仕置きをする事。

何故3人かと言うと人目を掻い潜り、お仕置きをするのは意外に大変なのだ。

そして、僕の結界を作れる回数が今は低級の天界人にランク付けされているので1日に三回が限度なのだ。


ーーランク。


天界においてランクは、かなり重要だ。


神王しんおうランク。

世に言う神様と呼ばれる天界人のランクだ。

神父はその神王ランクである。


神官しんかんランク。

神官クラスは、神様候補で実績と試験を合格した天界人のランク。


神兵しんぺいランク。

この神兵ランクは、神様にはなれないランクだ。

代わりに武神ぶじんなど、神の一文字を貰うことが出来る。

天界の軍隊の様な組織で独自の思想を持っている。


天鬼てんきランク。


この天鬼ランクから上、中、下、低、のランクに別れていく。


天使てんしランク。


アコは天使の中だ。


天人てんじんランク。


西東はこのランクの最下位である。

入りたての天界人は皆此処からスタートする。

天界人のスタートラインだ。



ーー現実。


西東は、仕方なく窓を開けて寝ることにした。

チェーンソーの充電が終わるまで、エアコンは付けられない、かといってずっと起きているのは辛い。


渋々灼熱地獄の中で眠ることにした。


ーー翌朝


いつものようにコンビニから帰ると、アコが冷蔵庫の前で泣いていた。


「どうしたんだ!アコ、なんかあったのか?」


「ぐすっ、西東…… 私のアイスが…… アイスが……」


アイス?


西東が冷蔵庫を開くと冷凍庫の食材は全て溶けていた。

中に入れていた飲み物もお茶以外は全滅だった。


西東は直ぐにブレイカーを確かめにいくと、落ちていた!


「アコ、昨日の夜エアコンつけた?」


アコは自信満々に答えた。

「つけたぞ!夜、喉が乾いて目が覚めたら、西東が苦しそうに寝ていたので、エアコンを付けてやったのだ!優しいだろ」


それだ!

「アコ、ありがとうね、でも、それが原因でブレイカー落ちちゃったみたい……」


アコは其れを聞き、なんとも言えない表情をしていた。


「なら?今から一緒に、コンビニにアイス買いに行こうか」

「いくぅ!ならば着替えないと待っててね!一人で行ったら怒るからね」


アコとコンビニの帰りにお仕置きリストに載っていた二人組を発見したので、叩ききり、夕方迄にもう一人もなんとかお仕置きが出来た。


電気のアースをあげたので今日からは快適な夜になるだろう。


「西東、食後のアイスタイムだぞ!早く食べよう」

「今いくよ」


こんな感じで、僕の毎日は過ぎていく。

意外に悪くない。

夏のアイスって、いいですよね。


アコの優しさが伝わるかな?

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