アコは雨が嫌いです!
アコが病院を退院してから少したったある日の午後。
「西東?私は、何故に一人行動が神父様から禁止されたのでしょうか?1、神父様が意地悪してる。2、私がむちゃくちゃするから。3、神父様の気まぐれ」
「取り合えず2かな?」
次の瞬間西東の顔にクッションが飛んでくる。
「痛っ!」
「西東!そこは4番の『アコの事が心配だから』でしょ!」
ーーアコは今一人で家の中で大暴れしている…… 安静にしててほしいなぁ……
そんな西東の願いも虚しくアコの怒りはMAXになっている。
外は土砂降りの大雨であり、アコの御菓子を買いにもいけない、出前も大雨で何処も休みになっている。
「西東…… 私はきっと嫌われてるのよね」
「アコ、なんでそうなるの?」
ハムスターの様に頬を膨らましているアコに西東が質問すると予想外の答えがかえってきた。
「“雨ふらし”の奴が私に嫌がらせしてるのよ!そうじゃなかったらこんなに雨ばかり1週間も続かないわ」
「雨ふらしって?」
「雷様の部下よ。つまり雷神の使い雨坊主の事よ」
アコの説明は最初よく分からなかったがアコの話をじっくり聞くとよくわかった。
雨ふらしは、雨坊主の通称であり、雷様こと雷公鳴神様の使いで雨坊主を操り大地に雨を降らせ雷を鳴らし大地に隙間を作り雨水を地下に送らせる。
此れが雷様と雨坊主の基本的な仕事である。
しかし、最近の天気は雨ばかりで雷はない。
そのジメジメした天気と湿気からアコの負のオーラが溜まりに溜まり爆発寸前になっていた。
そして次の日も雨……
「もう限界よ!9日よ9日!流石に我慢の限界よ!」
アコが天界の先にある『天候管理事務所』に行くと叫びだしたのだ。
「アコ、まだ神父様から許可が出てないから駄目だよ」
その発言を聞いたアコが西東に食って掛かる。
「何よ!西東は私が雨のせいで死んでもいいの。私にこのまま雨に屈しろって言うの!」
「いや、雨で外に出れないのは分かるけど、大げさだよ。取り合えず僕が行ってみるから、だから待ってて」
むくれるアコを残し仕方なく西東は天界に向かうことにする。
天界について直ぐに神父に事情を話すと神父は笑いながら天候管理事務所までの行き方を教えてくれた。
やけにアッサリと教えてくれたので西東は嫌な予感しかしなかった。
「意外に簡単に来れたな、まさかバスまで有るなんてビックリだな」
天候管理事務所に着いた西東は自分の目を疑った。
中に入ってみて分かった事は小さな丸刈りの男の子とオカッパ髪の女の子がバタバタと動き回っていて、大人の姿がないと言う事実であった。
「子供しか居ないのか?」
扉から中に入った西東が周りを観ていると「危ない!どいて!退いて」
西東にいきなり突っ込んできたのは丸刈りの男の子であった。
「大丈夫、立てるかい?」
西東が倒れた丸刈りの男の子に手を貸し起き上がらせる。
その途端に床に散らばった書類を慌てて集める男の子。
「大変だ!大切な書類が」
西東も慌てて集める。
書類を見ると『ノルウェー』『ネパール』『バハマ国』『パプアニューギニア』『バルバドス』『バングラデシュ人民共和国』全てが国の名前であった。
「これは?」
西東の質問に男の子は自信満々に答える。
「次に雨を降らせる国のリストです。集めるのに時間が掛かりましたがバッチリです!」
「つまり?此れを集めてる間は“にの国”にずっと雨を降らせてたの?」
「はい。次のデータが入力出来るまで次の国に飛ばせないのです。だからあと10日は此のままです」
ーー最悪だ、取り合えず何とかしないと。
西東は一旦外に出る。
そして直ぐに地獄に向かったのであった。




