ウチのアコは朝が弱いんです。
皆様、読んで頂きありがとうございます。
本作品は、楽しく明るいスプラッタを応援する作品です。
現実に行わないで下さい。
朝の8時半、心地いい早朝の風を感じながら、僕こと、西東 大輝はコンビニを目指し歩いている。
コンビニに着くと取り合えず軽く雑誌を立ち読みしてから、弁当を2つカゴに入れる。
お茶と炭酸飲料を取りレジにいく。
最近は此れが日課である。
そして、今日は必要な日常品も買って行かねばならないのでリュックを持参した。
「しかし、コンビニで買うと高くつくなぁ、少し考えないとな」
そんな事を考えながら家に帰ると、低血圧のアコを起こさないように、静かに扉を閉める。
数日前、誤ってドアを“ バタン ” と閉め、アコを起こしにいった際に、アコの部屋を開けた途端に“ 真っ二つ ”にされたからだ。
そして、僕はアコの眠る部屋の前に立ち扉を開き何時ものようにアコを起こそうとした。
クローゼットの扉を開く。
「え?」
「へ?」
中には着替え中のアコの姿があった。
西東は直ぐに扉を閉めて、部屋の外に走り出し!直ぐに階段を駆け足で降る。
家の中に西東の足音が響き渡る。
西東が階段を降りた時だった。
アコが二階から階段下に飛び降りてきた。
アコの片手に握られたチェーンソーは、アコの怒りがマックスな事の証明であった。
「ア、アコさん、落ち着いて!話せばわかりますから!誤解です」
アコはそれを聞き笑顔を作る。
「わかった、話は聞く」
それを聞き西東も笑顔を浮かべた。
しかし、アコのチェーンソーからモーター音が鳴り止む気配は無かった。
そして、もう一度、アコの表情を西東が確認する。
アコは確かに笑っていた。
「さ!い!と!う!取り合えず、話は聞く、でもその前に!1回、死んでこい」
目が覚める。
お約束の神父の登場だと思ったが今回は違った。
目覚めたのは、アコに切られた階段だった。
「あれ?なんで、階段!神父さんは?」
慌てる西東にアコが話しかける。
「神父様は夏休みで旅行中よ、まったく手の掛かるパートナーなんだから、早くご飯食べよ?お腹すいたよ」
そう言うとアコが御弁当を温め始める。
時計を見ると昼の12時を過ぎていた。
西東がコンビニから帰ってきたのが9時過ぎ、アコは3時間、西東が復活するのを待っていたのだ。
「アコ?なんで先に食べなかったのさ、いつも『お腹すいた』って真っ先に食べるのに?ゴーラも飲んでないし」
西東がそうアコに尋ねると、アコは少し不機嫌そうに西東を見る。
「今日は、一緒に買い物行くって、西東約束したのに、おいてった」
アコはそう言うとアコの御弁当も温め始めた。
ーー昨晩。
アコはテレビのコマーシャルを眼を輝かせながら見ていた。
そのコマーシャルは、新発売の御菓子、『ゴーヤチョップス ハバネロ味』
アコは神父と違い、極度の辛党でアコが来てから冷蔵や棚の中は激辛の巣窟になっている。
「西東、明日!一緒に買い物に行こう。私が荷物を持ってあげるから」
アコが楽しそうに笑ってそう西東に言ってきた。
「わかったよ。アコが朝起きれたら一緒に買い物に行こう、でも起きれなかったら置いてくよ?」
「任せろ!朝8時には出掛けるからな!西東も寝坊するなよ」
と言う会話が昨晩あった。
しかし、西東が家を出たの8時10分。
「アコ?寝坊したよね」
アコは少し申し訳なさそうに下を向いた。
「でも、待っててくれればいいじゃん、西東を待たせたと思って急いで着替えてたら、西東が扉を開けるし、額には汗をかいてるし、買い物一人で行ったのが分かったんだもん」
悲しそうにそう訴えるアコ。
西東はアコの頭に手をあてた。
「ごめん、次からは行く前に声をかけるよ。あと、だからって真っ二つには、しないでね。あれ、痛いんだよ、本当に」
アコが頷いた。
「あと、此れアコに買ってきたんだ」
リュックから西東が『ゴーヤチョップス ハバネロ味』を取りだしアコに渡した。
「西東ーー!さすが私のパートナーだ」
アコの笑顔が戻った所で朝昼兼用の御弁当を食べる。
「西東!夜の買い物は一緒に行こうね」
「うん、そうしようか」
最近は、こんな生活にも慣れ始めてきていた西東だった。
ウチのアコの寝起きの悪さと、辛党で主実、
西東の運命はアコしだい!




