アコさんは怒らない?
長い間続く暗闇…… 僕はいったいどうなるんだろう……
そして、明るい光と太陽の温もりが西東を包み込む。
西東はようやく自分の状況を理解した。
そんな西東の前にアコが手描きの双六を持ってくる。
「さあ、西東…… 私がサイコロを転がす番よ」
そう言うとアコは無邪気に笑いサイコロを転がす。
『四』
『西東に獄ソースを飲ます』
「あら、西東良かったわね!大好きな獄ソースを飲めるみたいよ?」
アコが更に笑みを浮かべナイフを西東の口の端の紐を二本切る。
そして口にホースを突っ込むとアコの手に持たれた獄ソースの大瓶が西東を恐怖に陥れる。
そして獄ソースの瓶が傾けられる。
並々とホースを流れる獄ソースが西東の口に流れ込む。
「うんんんんんん!」
「あら?美味しいの、良かったわね西東、次は西東の番よ、あら?手がないからサイコロを振れないわね、ならパスって事よね?」
そう言うとアコはサイコロを転がした。
『六』
『西東に獄ソースを二本飲ませる』
「あら?また大当たり見たいよ!」
首を振る西東。
「西東?少しは反省したかしら」
西東は首を縦に振る。
それを確認するとアコは西東の口の糸を全て外した。
「さあ、西東!懺悔の時間よ!私に謝ることがあるわよねぇ?」
「アコ、その御風呂に入る途中でいきなり地獄に呼んでごめん」
西東の顔が少し赤くなる。
「西東……正直に言ったら怒らないわ?今何を想像したのかしら」
西東の赤くなった顔が一瞬で青ざめる。
「早く言いなさい……」
「アコの姿を想像しました……」
「どんな私を想像したのかしら?興味があるわ」
「下着姿です……」
「正直ね?でも正直すぎるわね!」
「アコ、怒らないって約束!」
「怒ってないわ、さあお着替えしましょうか、西東ぅぅぅ!」
そのあと直ぐに西東はアコによってデカイ植木鉢にサボテンスーツ姿のまま飾られる刑にされる。
勿論、水の代わりに西東には、獄ソースをタップリと口から注がれるのであった。
「西東?ゆずちゃんと私どっちが優しいかしら?」
「アコ……」
「うんうん、良かった。閻魔の特製獄ソースを味わったら、心まで痺れる何て聞いたから心配したんだからね?」
アコは西東の事を別の鉢に移動させ自分の横に置く。
そして、ただ西東の隣にいて笑っていた。
「アコ、僕の手足なんだけど?」
心配そうにそう切り出す西東。
「駄目よ、だって手があったら、また双六をやる為につれてかれちゃうもん」
そう言いアコは西東の手足を冷凍庫へと持っていった。
そして部屋に帰ってきたアコが西東を抱きしめる。
「私だけを見なさい!西東、ふふふ」
西東の顔が真っ赤になるのを見てアコは今日は一番の笑みを浮かべる。
それから手足が西東に戻されたのは、三日後の事であった。




