予想外の展開?
「もう、疲れたよ…… こんな計画にのるんじゃなかったなぁ」
クルノは、そう言うと西東の顔を見上げた。
「御兄さんに会えたから、まぁいいや」
「クルノ、話しなさい!計画って何の話」
アコの強い口調がクルノに向けられる。
「御兄さんにだけ、教えてあげるよぉ」
クルノが西東の耳に小声で喋り始めた。
全てを語り終わるとクルノは、眼をつむり、疲れたのか静かに眠り始めた。
「えっと、西東、大丈夫なの?」
「アコありがとう大丈夫だよ、まだ身体中痛いけど」
西東は、直ぐに今回の計画の内容をケルルロッテとアコに話した。
クルノの話した計画は、天界に対する宣戦布告と、同じように不満を持っている者達に戦いの狼煙が上がった事を伝える事にあった。
最初はクルノもコガノエも参加する気は無かった。
しかし、クルノに対して供雲が「会いたい人に再会できるよ、天界人に転生してたんだ!」そう言われクルノは、参加することを決めた。
クルノは、自身の兄が無実の罪で名付の鬼とされる事に怒り、地獄の鬼兵と三日三晩戦い続けた。
しかし、クルノの兄はクルノの死罪を代わりに受けると閻魔に申し出た。
結果、クルノは自分のせいで兄を死に追いやってしまっていた。
そんなクルノに、クグモが兄そっくりの天界人がいると教え西東の姿を見せたのだ。
角がないが、クルノの兄と同じ顔をした西東を見たクルノの心はクグモの主柱に堕ちることになった。
コガノエも同様にクグモに「偽りの罪人、門鬼でありながら、名付にされた存在、復讐したくない?」
コガノエは、地獄の門番であった。
ある日、天界の使者が地獄にやって来た。
密書を閻魔に届けに来たと言われ手形を確認するとも偽物と知らずにその者を通してしまったのだ。
そして、地獄の獄宝の1つ獄路の鍵を持ち出されてしまう。
そして、偽の使者を門の外に出してしまったのだ。
そして、罪人として捕まったのだ。
皮肉にもコガノエ自身には、何が取られたのかすら伝えられていなかった。
西東の話を聞き、ケルルロッテが直ぐにクグモを捕らえようと動き出そうとした時だった。
「自首しますよ、降参です」
そう言い、コガノエがボロボロのクグモを捕まえ、姿を現したのだ。
その横にはクーウェン達の姿もあった。
皆、眠らされているようであったが無事であった。
更にコガノエは、ショクの腹を裂くと中から次々に天界人のお仕置き人の残骸とヒサギが出てきた。
ヒサギ達は直ぐに天界に飛ばされ、ショクも意識を失っていた。
「どういうつもり!コガノエ」
ケルルロッテが薙刀を構え、コガノエに質問をする。
「もとより、私はクグモの計画など関係ないのです。既に地上で天界に反抗しようとしていた者は皆、地獄に送りました。閻魔様からの命令は、これにて終了です」
コガノエは、閻魔から地獄で不振な動きがあると言われ、門を開いた罪を許す代わりに協力を申し込まれていたのだ。
それと同時に天界では、幹部の逮捕と言う大事件が起きていた。
神父に反旗を掲げた者達が今回の事件の黒幕であり、神父が正式に天界軍を動かさなかった理由は動かさないのではなく、動かせなかったからであった。
天界軍の中にも敵がいると考えた神父は西東の捜索に軍を使わず信頼できる者達を向かわせたのだった。
神父は幹部の獄路を開いた裏を取ると幹部と繋がる全ての者の洗い出しをし、先に仕掛けたのだ。
結果、幹部は神父の手でお仕置きされる結果となった。
主犯の男は閻魔に届けられ、全てが丸くおさまった。
西東とアコ達の長い鬼退場は、呆気なく終わったのだった。
因みにクグモは、クーウェン達との戦いには勝利していた。
予想外のコガノエの行動がなければ、西東達の勝利は無かったであろう。
全てが終わり一旦、コガノエ、クルノ、クグモ、ショクを地獄に連れていく。
更にクーウェン達、三人も天界に連れていく。
全てを終わらせると西東達も家に一旦帰るのだった。
まさかの大どんでん返し!次回からまた日常に、アコと西東の関係はどうなるのか?




