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イタダキマス…… ゴチソウサマ……

拐われた西東を捜すアコとケルルロッテ!そして敵の正体が明らかに!

目的地に向かうために、皆が電車とバスに飛び乗り次々に乗り継ぎを繰り返す。


「何で陸路なのよ!空を飛べば済むでしょ」

「アコ?朝っぱらから空を飛んでいく気?其れこそ神父様に大目玉よ」


二人の緊張感の無い会話を聞いて不安になる三人の天鬼の中と人一倍落ち着いている天鬼の上。


ある程度話し合いが終わり最後のバスに乗り換えた時、クーウェンが口を開いた。


「今回の四人の脱獄者についてですが」


一人目。


食人鬼しょくじんき ショク

男。


二人目。


想餓鬼そうがき 供雲クグモ

女。


三人目。


散鬼さんき 狂坩之クルノ

女。


四人目。


門鬼もんき 琥我乃餌コガノエ



「特に散鬼と門鬼が問題です。鬼と呼ばれる彼等は普通は名前はありません、そして罪人になった者だけが通称ではなく、罪名つまり、名前を閻魔大王からつけられるのです、そして文字数が多くなるにつれて危険度が上がります」


「つまり、四文字も使われてるコガノエとクルノに格段にヤバイわけですわね」


話がある程度終ると目的地に到着した。


何年目前に放置された廃墟の遊園地、入り口を探していると散鬼のクルノが扉の前に立ち笑っていた。


「やあ?遅いから御兄さん、死にかけだよ?まぁ!また復活してまた殺してって一晩中、一緒に楽しんじゃったんだけどね!アハハハハハハハ、お陰で僕の手も全身も御兄さんの血液でドロドロだよ」


其れを聞いたアコはクルノに向かい走り出した。

其れを嘲笑うかのように遊園地の中にクルノは姿を消した。


「くっそぉぉぉ!絶対にバラす、二度と笑えないようにしてやる!」


アコは一人遊園地の中に入っていく。

その後を追うケルルロッテ、そしてクーウェン、遅れてサザナミ達が中に入っていく。


そんな中、一番後ろを着いていくヒサギが遊園地の門が閉ざされ様としているのを見て立ち止まった。


しかし、既にヒサギ以外の面々は先に走り抜けてしまっていた。


「私一人ですか、仕方ないです!」


ーーヒサギ=ミヤコ。


元人間であり、お仕置き人から天鬼になった努力家。

『実力は実戦で試すものなり』


その昔、江戸に現れた “ あやかし ” を討ち取り、死後に天界人として転生した。

近い未来は “ 神兵 ” か “ 神官 ” を期待される逸材である。


「貴様は、どの鬼か!我が名は、天界の天鬼、ヒサギ 名を ミヤコ 貴様を伐るものだ!」


ヒサギの声を無視し扉を完全に閉めた鬼が笑った。


「我が名は、琥我乃餌コガノエそして、彼はしょくだ、彼は余り言葉に興味がなくてね、食べる時と終わった後にしか喋らないんだ。ツレないよね」


ヒサギは、その言葉にもう一人の存在に気を配りながら刀を構えた。


「どうした?目の前に行かないと恐くて動けないかな」


「黙れ!鬼ごときに私が恐れると思うな!」

ヒサギが刀を強く握り1歩踏み出した瞬間。


「イタダキマス!」


え!足の感覚が!


ヒサギの踏み締めた筈の地面に足が飲み込まれていく。


「不思議でしょ?仄に食べられると痛みが無いんですよ。だから食べられたのに気付かない人もいるんですよ、無くなった足が有るような感覚に襲われるってよくある話ですよね」


ヒサギがそのまま地面に倒れ込む。

必死に刀を地面に向け様とした瞬間、自分の利き腕が無くなっている事に気付かされた。


「ひっ!私の…… 腕が な、いつ」


何時無くなったかわからない恐怖、さっきまで確かに手も足もあった筈だと言う事実が更にヒサギの精神を追い込んでいく。


「ほら?ヒサギさん、片足も無くなりましたよ」


コガノエの言葉に残っていた筈の足に眼を向けるヒサギ。

其処には巨大な口を開き足を食い千切る、ショクの姿があった。


ヒサギと眼があった瞬間、ショクは笑ってヒサギに見せびらかすように足を丸飲みにした。


「ひぃぃぃ、ひぎぃぃぃ」

ヒサギは片腕で必死に逃げようと地面を這ってにげようとする。


「イヤだイヤだ!助けて、食べられたくない!食べられたくないよ」


泣きながら移動するヒサギの前にコガノエが立ちはだかる。


「助かりたいですか?ヒサギさん」


「助けて!食べられて死ぬはなんてイヤだ!」


「其れは大丈夫ですよ。ショクに食べられたら、天界には行けませんから」


「え…… 」

その言葉にヒサギは更なる絶望を顔にした。


「何せ、痛みも何にも無く、ただ食べられるんです!生きたまま無限に広がるショクの腹の中でずっと残骸として復活すら出来ずに肉片として一生を過ごす事になるんですよ」


「い、イヤだ!そんなのイヤだ、後生だ!殺してくれ!頼む殺してくれ!」


「あ!残念、もうヒサギさんの首から下がありませんよ?」


「え、頼む殺してくれーー!」


バリバリガリガリっ


無惨な音が鳴るが死ぬことはなく痛みも無いまま、ヒサギはショクの腹の中に送られた。


「ゴチソウサマ」


「もう少し悲鳴を聞きたかったのですが残念です。サヨナラ、ヒサギさん」


そう言うとコガノエとショクはその場をあとにした。


ヒサギが居なくなったことに気付き一同が戻ってきたのはコガノエ達が姿を消した後であり、辺りにぶちまけられた凄まじい血を見た一同は、ヒサギの生存は絶望的だと誰もが感じたのであった。


「く、ヒサギが最初に殺られるとは、今回の敵は捕獲ではなく、殺戮も視野にいれて行動する。いくぞ!」


クーウェンはそう言うと再度、行動を開始した。


久々に書いてしまった。なんかラブコメで無くなってる( ;∀;)

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