拐われた……
皆様!風邪から復活♪ヽ(´▽`)/
初めての人はよろしくです!
アコが横で泣きつかれて眠る西東の部屋の中、ケルルロッテは既に再調査に向かったのだろうか、既に姿はなかった。
アコを起こすのも悪いので西東は静かに立ち上がろうと体を起こした。
“ ズキンッ ”と凄まじい激痛が西東の脇腹を撫でるように突き抜けた。
「ぐっ!つぅ…… 」
本当なら叫びたい程の激痛に西東は声を必死に殺し耐えた。
横に眠るアコを起こさぬようにと再度横になり眠る。
きっと、完全に復活してないのだろうと西東は考えた、次に目覚めたならばきっと大丈夫だとそう思っていた。
しかし、次に西東が目覚めると痛みは更に強くなっていた。
そんな西東が目覚めたのを確認したアコが西東に顔を近付ける。
「アコ、心配かけたな」
「西東……復活しないかと思った、西東、勝手にいなくなるな」
「悪かったな、もう勝手にいなくならないよ、約束するよ」
そう言うと何時もの優しい笑顔を西東がアコに向けた。
「西東…… 西東…… 大丈夫か、私のせいですまなかった、私は西東が殺られて初めてわかったんだ!あのね…… え、西東?」
西東の顔からは、血の気がなくなり、凄まじい汗と荒い呼吸、アコの声にも反応している様子もなかった。
「おい、おい、西東? 嘘でしょ、直ぐに誰か呼ばないと」
焦るアコに対して、あざ笑うような笑い声が窓の方から聞こえてくる。
「アハハ、復活おめでとうございます!アンド、残念賞、その御兄さんは助からないよ」
そう笑う散鬼は、直ぐに窓の外に飛び出した。
慌てて追おうとしたが、アコは西東を一人置いていく事が出来なかった。
結果としてアコは散鬼を追うことが出来なかった。
そんな時、急に階段を駆け足で上がる足音が段々と西東の部屋に近づいてくる。
そして、扉が一気に開かれる。
アコは眼を真っ赤にして両手に持ったナイフで扉から入ってこようとする者に襲い掛かった。
「ひぃ!なんですの!」
“ガキンっ”
間一髪で、アコのナイフを交わしたケルルロッテは余りの勢いで攻撃してきたアコの様子を見て、異変を直ぐに感じた。
そして、アコはケルルロッテを見るなり膝から崩れ泣き出した。
「西東が、治らないんだ…… 今も死にそうなんだよ…… ケルルロッテ、お願い西東を助けてよ」
直ぐにケルルロッテが西東の様子を確認するが、西東はスヤスヤと穏やかに寝息を立てて眠っていた。
「アコ、落ち着いて、西東様は大丈夫よ、きっと一時的な物ですわ」
ケルルロッテがそう言うとアコはニッコリと笑みを浮かべた。
しかし、再度 散鬼が姿を現したのだ。
「わざわざ、捜しに来てくれたんでしょ?お望み通りきてあげたよ」
散鬼が現れた途端、西東の息が荒くなり、顔面から血の気がひいていく。
「可哀想な御兄さんは、僕の力で血液が無くなり死んでしまうのでした!アハハ」
笑う散鬼に対してアコが斬り掛かる。
しかし散鬼は其れを交わして西東の枕元に近付く。
「御兄さんは眼鏡が無い方が似合ってるよ?僕のタイプかも」
そう言うと散鬼は西東の頭を撫でた。
「西東に触るなァァァ!」
アコが怒りに任せ散鬼に攻撃を仕様とするがナイフを手甲に阻まれる。
そのまま、力任せに振り払われた一撃がアコのナイフを砕きアコの腹に直撃しする。
壁にめり込むように吹き飛ばされたアコは口から血を流し意識が遠退いていった。
そして、アコが目覚めると倒れたケルルロッテと開け放たれた窓、西東の姿だけが部屋から消えていた。
「そんな…… 西…… 東…… 約束したよね?西東…… いなくならないって言ったじゃんか…… 」
たが、アコの問いに優しい西東の声も笑顔も返ってくることはなかった。
ケルルロッテが意識を覚ます。
暗い西東の部屋の中にポツンと座るアコの姿、眼はまるで死人のように虚ろになり、表情だけ見ればまるで別人の様であった。
「アコ?は、西東様は」
ケルルロッテは部屋の中を見渡し状況を直ぐに把握した。
「アコ!天界にいきますわよ!」
しかし、アコからの反応がない。
ケルルロッテは、アコの側に近づき、話しかけるがやはり反応がなかった。
ケルルロッテは、薙刀を使い、アコの肩を斬りつけた!
「っあ!」
「前切 アコ!いつまで時間を無駄にする気ですの!西東様は貴女のパートナーなのでしょ!直ぐに天界に行き、助けを呼びますわよ!」
アコは斬られた肩を押さえながら頷いた。
直ぐにケルルロッテが止血をすると二人は天界に向けて飛び立ったのだった。
西東を助けるために天界に1度向かうケルルロッテとアコ、しかし、天界には更なる問題が!




