表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

第8話

 これで、自分のせいで、5人の人間がロードによって殺されたことになる。谷本先生も今日の人たちも、数日後には事故で亡くなる予定だったらしいが……。

 自分の部屋に戻った輝夜は引き裂かれた服を脱ぎ捨て、別の服に着替えた。

 誰もいない自宅に一人でいても、自分が死なせた5人のことを思うばかりだ。思い切って再び外に出てみた。だがさすがに先ほど男達に襲われたことを思い出すと怖い。今度は、人通りの多い街へ向かった。

 華やかな大通りを歩いていると、少し気が紛れてくるのが分かった。


「お嬢ちゃん、占っていかないかい?」


 交差点を少し過ぎたところで、かなり年配と思われる女性が丸い大きな水晶を前に座っていた。


「占い……?」


 普段、輝夜は自分の星座や血液型占いくらいしか興味はなかったが、今の状況だと占いも何かの助けになる気がした。


「おや、お嬢ちゃん、死神の婚約指輪をはめているね」

「…………!」

「死神と結婚するのかい? ……それとも無理やりはめられたのなら、私が外してあげようか」

「外せるんですか!?」

「もちろん。だてに長年占い師をやっているわけじゃないからね」


 輝夜は占い師の正面の椅子に座った。


「じゃあ、外してあげよう」


 自分ではどうやっても外せなかった指輪を、その占い師の女性はいとも簡単にスルリと外した。


「ありがとうございます!」

「……こちらこそ、ありがとう」


 年配の女性のはずだった占い師の声が若い男性の口調に変わり、輝夜がハッと顔を上げると、そこには占い師ではなく、全身黒いマントで覆われた人物がいた。


「ロード!?」

「そうか、この指輪はロードのものだったのか。それはいい獲物を見つけた」


 その黒マントの人物は、突如、大きな刀を輝夜に振りかざした。

 輝夜は逃げようとするものの、ふと気づくと、そこは人通りの多い交差点ではなく、霧に包まれた何もない空間になっていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ