表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『完全記憶の転生王子と断罪の悪役令嬢 〜知識こそが現代の魔法だ、精神を愛して(殺して)天下を獲る〜』  作者: Zacku


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/20

第19話:真・王立国家の建国と、最後の手紙

皆様、第18話での「聖遺物ハッキング」への反響、ありがとうございます。

世界の消滅(強制終了)を阻止し、地上へと降下した浮遊要塞アステリア。

「……さて。散らかったおもちゃを片付けて、新しい『ルール』を配りましょうか」

王太子が自滅し、権力が真空となった地上。

カイルの「完全記憶」が導き出す無駄のない行政システムと、リリアーヌが人々の心に植え付ける「未来への希望」という名の洗脳。

それはもはや「支配」ではなく、人類というシステムの「大型アップデート」でした。

真・王立国家が産声を上げる第19話です。

アステリアの巨体が地上の「王都」のすぐ隣に着陸した時、そこにいたのは敵意を持った軍勢ではなく、救いを求める数万の民衆だった。

王権は失墜し、経済は破綻。世界は「リセット」を待つだけのフリーズ状態に陥っていた。

「……カイル様。……この混沌としたログ(状況)、どう整理されますこと?」

私は、泥にまみれた大地に降り立ち、扇子を広げた。

カイルは、魔導端末を通じて王国の全インフラをジャックし、瞬時に新しい「配給システム」と「治安維持プロトコル」を配信していく。

「……簡単だよ、リリアーヌ。……古い法律コードをすべて廃止し、僕の『完全記憶』にある『最も効率的な都市計画』をインストールするだけだ。……反対する者は、僕の論理が自動的に沈黙させる」

カイルが空に指を描くと、ホログラムの「新憲法」が王都の空に浮かび上がった。

それは身分制度の廃止、そして「能力(貢献度)」が通貨となる、全く新しい社会構造の宣言だった。

「……皆様、聞きなさい!」

私は、心理学における『威光暗示』を最大限に活用し、民衆の前に立った。

「……昨日までのあなたは、誰かに『奪われる側』でした。……ですが今日から、あなたは私の『知略』というシステムの一部です。……私に従いなさい。そうすれば、あなたの『価値』を、私が最大限に買い叩いて(活かして)差し上げますわ!」

民衆は、絶望の淵で現れた「美しき怪物」に、熱狂的な歓声で応えた。

心理学的な『メサイア・コンプレックス』の充足。

人々は支配されることに、これ以上ない安らぎを感じていた。

その日の夜、私は執務室で一通の手紙を書いていた。

宛先は、前世で私を突き落とし、この世界で「聖女」として散ったサキ(マリア)……の墓前でも、失脚した王太子でもない。

「……ハンス、これを」

「……これは? 社長」

ハンスが怪訝な顔で受け取る。

「……ニルスやカイル様にも内緒の、私の『遺言』よ。……もしもいつか、私がこの世界そのものを『バグ』だと感じてデリートしようとしたら……その手紙を読んで、私を殺しなさい」

ハンスの瞳が揺れる。

「……冗談でしょう?」

「……いいえ。……完全な知略は、時として『自分自身』さえもデバッグの対象にしてしまう。……そのための、最後のリミッターよ。……頼みましたわよ、私の『一番有能なマネージャー』さん?」

私は、窓の外に広がる、カイルが作り上げた「完璧な夜景」を見つめた。

全てが手に入った。富も、権力も、そして自分を理解するライバルさえも。

「……さあ、カイル様。……この物語の『エンディング・ロール』、どう書き換えますこと?」

第19話、いかがでしたでしょうか。

「影の女王」として世界を掌握したリリアーヌ。

しかし、彼女は自らの強大すぎる力を危惧し、ハンスに最後のリミッターを託しました。

カイルの「完全記憶」が導き出す未来は、果たしてハッピーエンドなのでしょうか。

次話、ついに最終回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ