蛇足
※終幕ですっきり終わりたい方は、読まないことをお勧めします。
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――――――最後に、この後の出来事を少しだけ語ろう。
二人の行く手に立ちはだかるは、断ち切り難く悪しき因縁の数々だった。
宇都宮の百目鬼騒動。名刀〝石切丸〟を手に立ちはだかる謎の男、羅睺。彼に付従うアヤコと呼ばれる亡き妹と瓜二つの少女の正体とは?
番外編。北条家、終わりの始まり。沼田の地で九曜と名乗る者達の暗躍あり。傀儡女と羅睺の密会の内容とは? そして数々の工作を前に、沼田城主猪俣邦憲が取った行動とは?
超番外編。日光秘湯巡り。山の幸を鯨のように食らい尽くす八重。働かざる者食うべからず。いよいよひっ迫する家計を前に、源九郎と八重の間に寒風が吹きすさぶ。
裏切りの代償。怒れる九条稙通と伊賀の忍びが執拗に二人を狙う。げに恐ろしきは『飯綱の法』。
超番外編。坂東の大学こと足利学校にて古書典籍を調べる八重。
しかし、少年老い易く学成り難し。求める知識はなかなか得られず、気付けば源氏物語の世界にどっぷり漬かってしまい、そして少女は一つ大人の階段を登る。一方その頃、源九郎は習字にど嵌りしていたという。
とうとうたらりとうたらり。翁面を被り予言めいたことを告げる怪しげな仙道。そして姿を現す九曜の頭、望月千代女。彼らが語る、かつて東大寺大仏殿で秘密裏に行われた儀式、大国魂の鎮めとは?
そして、狂気に憑かれた関白の妄執は、名刀〝波切丸〟と新たな姫巫女を求めて武蔵国の忍城へ。
城を訪れた二人は、屍山血河の大戦へと臨むこととなる。
獅子奮迅の活躍を魅せるは絶世の美姫と忠臣達。
うねる波に沈む城。
石田三成率いる兵五万を前に、もはや城は陥落寸前。
その時、二人が取った行動とは?
これら苦難の旅路の果てに、八重が御霊の呪縛を断ち切ることができたのか? 残念ながらそのことについては、何も分かっていない。
されど――奇縁によって結ばれた二人の絆は、如何なる困難に遭うとも決して引き裂かれることはなかっただろう。
●あとがき
まず蛇足についてですが、作品を書いている最中には色々な設定を考えるので、実際には書くことのない先の展開であったり、過去の出来事であったりを色々と想像したりします。せっかくなのでそれらを書き記しておこうと思ったわけです。
それに、人生に節目はあれど先はまだまだ続いていくわけで、たとえ物語であってもハッピーエンドを迎えた後、主人公達はいつまでも末永く幸せに暮らしました、と単純に締めくくりたくはなかったのです。
色々苦労して、傍目には全然不幸なのかもしれないけれども、それでも当人達は幸せなんだ、くらいがこの物語の落としどころではないかと思います。
創作の経緯を振り返ってみますと、そもそもは戦国時代の関東地方を舞台にした話を書いてみたいという思い付きが始まりでした。関東在住の戦国モノ好きとしては、歴史的に目立たない関東に不満だったのですね。結城合戦とか、あと細かい戦いはありますけど、歴史の転換点みたいのがちょっと少ないというか。特に安土桃山時代好きとしてはどうにも。
ともかく、関東で何かのお宝争奪戦をやらせようとなって、適当な名刀の名を考えていた時に、なんかかわいい名前だからという理由で小狐丸を選んだのが運の尽きでして、想定より随分面倒な宗教要素と格闘することになり、えらく難産になった上やたら間口も狭そうな話になってしまったのですが、自分の好きな要素ばかりですし、なんだかんだで書けてよかったと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
感想などいただけましたら幸いです。
※この作品はフィクションです。登場する宗教や教義の解釈などは、実在のものと一切関係ありません。




