第6話 開店
起きて長袖とジーンズを着てアーマーベルトを装備して鳳龍店を開ける。値段は他の店より高いが売れると思うがダメなら値下げ。バナナも売ろうと思って店に並べてやることがなくなる。
店の前に子供が居たので「バナナ食べてみるか?」と聞くと頷いたので4人にバナナを渡し「美味しかったらみんなに教えて」とお願いをした。
しばらくすると子供が10人ほど集まってバナナが欲しいと言ってきた。全員にバナナを渡し「美味しかったら両親に教えてあげて」と再度お願いする。
昼過ぎにマシューさんがやってきて、ギルドに砂糖を定期的に卸して欲しいと言われたがお断りした。誰かが砂糖を欲しがっている!「真っ白な砂糖いかがですか~、甘~い砂糖いかがですか~」と砂糖を持って店前で宣伝してみた。後でお試し版の小瓶砂糖を飲食店に配ろう!ビラも配りたいが、紙が貴重なので出来ないから、宣伝がてら店の前でバナナを食べてみる。
この前、南の森であった冒険者4人と目が合ったら、グラツィアが「ここで店を始めたのか」と声を掛けて来たので、暇だったから中に誘い椅子を出してバナナを勧めてみると、みんなバナナを美味しそうに食べている。
「ナイフでも買わない?」とナイフを見せる。
多分このコンバットナイフは折れない。俺がコンバットアーマーの力で曲げようとしても、しなるが曲がらない。
「いいナイフだがナイフなら1本持っているよ」
「このナイフ曲げたら砂糖あげる」と言うと4人で頑張るが曲がらない。
人虎のマックスがナイフを斜めに立てかけ剣で叩き付けたが、結局剣に刃こぼれが出来て落ち込んでいる。
グラツィアが「アダマンタインか?」と聞いてきたが、素材は知らないし旅の途中で数本貰ったと嘘を付いた。
「で、金貨5枚でどう?」
「絶対折れないナイフか」
「アダマンタインの剣で切れば折れるかも?」と保険を掛ける。
お客が来たので「いらっしゃい!」と挨拶する。
「砂糖を欲しいのだが」
「こちらのカップ1杯が金貨1枚です。こちらの瓶が金貨1枚と大銀貨3枚です」
「他の入れ物はないのか?」
「ありません、表の通りで探されては?」
「見事なガラスだな」
「ありがとうございます」
「瓶を3つくれ」
「金貨3枚と大銀貨9枚です。ありがとうございます」
お客が帰ったのでグラッツィアに聞いてみる。
「ナイフ買う?」
「少し考える」
「瓶がなくなったので店を閉めるよ」
冒険者を追い出してホームで瓶、小瓶、小カップを用意して戻ると何人かお客が待っていたので店を開けると砂糖とバナナが売れた。少し早いが店を閉めて余ったバナナは近所に配り、高級そうな飲食店に小瓶の砂糖を渡して回った。
木材を購入し営業日は毎月1、6、11、16、21、26日と看板にして店の前に出して置く。
浩史と合流して冒険者ギルドで討伐部位の清算をすると浩史が残り11件の依頼でF級へ、俺も残り13件の依頼でF級。まだ、120匹も倒さないと昇級しない。
2人で乱獲したので近場で120匹は無理?などと考えていると浩史が「同い年位のソロ冒険者が居たので一緒に狩りながら近くの狩場について聞いたんだけど西の森が一番大きな狩場みたい」
一緒に狩った?「銃をみせたの?」
「見せたよ、マジックアイテムって事にした」
「その人強かった?」
「レベル18だよ」そのレベルだと何とでもなりそうだ。
「強くてもレベル30以下なのかな?」
「そいつが王都の将軍がこの国で一番強いって言ってた」
「一度見たいな」
「そう?高くてもレベル40前後じゃない?」
「一回、王都に行ってみるか」
「それより店は儲かったの?」
「砂糖が売れた。金貨は共有倉庫に入れてあるので必要なら持ってて」
「使っていいの?」
「別にいいよ、本当に必要なら王宮を襲う」
「本気?」
「襲う気はないよ。ダンジョンなら数日あれば攻略出来ると思うし、攻略すればお金も沢山入るでしょ」
「ダンジョンには早く行ってみたい!」
明日は少し離れた西の森に行くことにした。
朝早く起きて鳳龍店から出発して、門を出てしばらくは歩き、周りに人が居なくなったので4輪バギーを転送し走らせる。支援機はライトニング以外、全て電動モーター駆動となっているので静か。
レーダーで人の配置は分かるので迂回しながら1時間で着してアサルトライフルを装備すると浩史がACRを持っていた。
「ACRにしたの?」
「フルオートで弱点に全弾叩き込む敵はいないから7.62の方が使いやすい」
俺もMDRへ変更しようか悩む、ブルパップ式のMDRもお気に入りの1つなので少し考えてみる。
話しながら歩いていると赤点の塊があるので確認すると、50以上のオークが集まって村?を作っていた。全てをターゲット設定すると56匹となった。
「俺がスロウで突っ込む?」
「バニッシュで皆殺しにしてくる」
「じゃあ逃げた奴を片付ける」
少し歩いて浩史が光学迷彩を使用し姿が見えなくなるが、チームの位置はレーダーに緑点で表示されるので射線に入らないように位置取りをすると、レーダーから赤点がどんどん減ってオークがパニックになっている。
何処から攻撃されているか分からないのに、次の瞬間、隣のオークが死んでいるのを見るとオークがバラバラに逃げていく。俺も浩史から離れているオークを倒していると浩史から「30秒」と連絡が入ったので村に近づいて行く。
残り10匹位になったとこで浩史からカウントダウンが始まり0のタイミングで姿が現れ2人で残りを狩り尽す。多少散らばったので一ヵ所に集めて討伐部位と魔石を回収すると、お遊びアイテムの火炎放射器に装備変更した浩史が居た。
「何してるの?」
「魔物を倒したら埋めるか燃やすんだって」
「装備を1つ潰してるの?」
「スナイパーライフル持ってないよ」
「それでACRにしたの?」
「それもあるけど7.62の方が使いやすいよ」
MDRへ変更しスナイパーと兼用にしようかと思ったが無理か?浩史みたいにコンバットアーマーのズームを利用するモニタースコープ持ってない。可変倍率スコープにでもするか?手動だがそれ位しか思いつかないのでホームに帰ったらカスタマイズしてみよう。後はバックパックに穴掘り用の携帯シャベルを入れる。
オークを焼き終わったので魔物を探しに出る。残り70匹!
適当に歩いていると数匹のでかい狼の魔物を発見したので種族を確認するとワーグだった。俺も浩史も犬が大好きなので襲って来ない限りワーグは討伐対象から除外し、しばらくしてレーダーに魔物を捉えたので赤点に向かい池の近くに馬を発見した。種族を見るとケルピーとなってたので撃ち殺し討伐部位と魔石を回収して浩史に焼いて貰う。
夕方になったので帰る。後半が伸びなかった。
「浩史は昇級出来るでしょ、俺は明日上げるよ」
「兄貴が先でもいいよ」
「E級には上げないので浩史が昇級して」
ホームに転送して歩いて街へ向かい冒険者ギルドでカードの更新をして、11件分は浩史にしてF級に昇級、残りを俺に振り分け23件達成。残り7件。
今度は鳳龍店経由でホームに戻りMDRをカスタマイズ。
レベルⅸのMDR 7.62mmNATO仕様にサイレンサー、3~9倍スコープ、M320グレネード、フラッシュライト。スペシャルアイテムの弾数1.5倍、リコイル3/4倍を組込み完成したので射撃場で試し撃ちをしてみる。
リロードが少しぎこちないが、他は問題ないので明日はMDRを持って行く事に決め端末で装備を変更する。バックパックにシャベルは入れたが火炎放射器をどうしようか考え、スナイパーライフルのSR‐25を外して火炎放射器へ変更する。
明日も早いので寝る事にする。
支援機
4輪バギー:2人乗りのバギー。大体バックパックを背負っているので1人乗り。
ライトニングB:F-35B単座の戦闘機。ジェットエンジンで垂直離着陸が可能だが飛行距離は短い。武装はミサイルとバルカン砲。レーダー範囲半径5km。
使用武器
ACR:モジュール交換で3種類のライフル弾に変更が可能なアラルとライフル。5.56×45mm NATO弾、6.8×43mm SPC、7.62×39mm弾から選択。
MDR:ブルパップ式のマルチ口径アサルトライフル。5.56×45mm NATO弾、6.5×40mm弾、6.8×43mm SPC、7.62×35mm弾、7.62×39mm弾、7.62×51mm NATO弾から選択。
ブルパップ式とは、トリガーとグリップをマガジンの前に設計して全長を短くする構造。