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異世界でのFPS攻略  作者: ムク
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第48話 冒険者ギルドでの乱闘

 ダンジョンの35階でウィルを見つけて、その場の安全地帯で野営をした。

昨日から思っていたがウィルからお礼を聞いてない。朝食の時もウィルは少し離れた所で朝から2食分を食べていた。俺達とは余り関りを持たない様にしてるのか?

 別にお礼を言って貰いたい訳ではないが、こちらの予定を変更して捜索しているのはウィルも理解していると思うんだけど、これがこの世界の常識なのだろうか?次からは頼まれても断ろう。

色々考えていたら朝食も終わったので40階に向けて出発した。

 先頭は俺で後ろは浩史とウィルにしてある。昨日浩史に言われてウィルには近付かない様にしている。

 戦闘は俺がAP弾でダメージを与えてレオン、イリア、ロンの3人で足止め、デボラはソニアの護衛、マールとアネットは攻撃を受けた時に回復魔法を唱える為に待機、ソニアが要領よく止めを刺す。魔物が2体になるまではレオンとイリアも魔物を倒している。俺の思っている理想的な戦いだと思う。

 もう少しで40階に降りる階段に到着するが、もうそろそろ夕暮れになる。このまま進んで今日中にダンジョンを出るか?野営をするか?子供達の様子だとまだ余裕があるのでこのまま進む事にした。

 結局ダンジョンから脱出したのは夕暮れを少し過ぎていた。本当なら支援機を呼び出して街へ戻るのだがウィルが居るので支援機を呼び出せない。仕方ないが歩いて街に向かう。

 グロスターの冒険者ギルドは酒場も運営しているので夜遅くまで開いている。流石に依頼を受けたりするカウンターは閉まってしまうが、緊急時の報告をするカウンターは開いているのでウィルの生存確認してもらい報告を済ます。

 ギルドの酒場にはグラツィア達も来ていたので、今はウィルと抱き合いながら無事を喜んでいる。

「マサキ!ありがとう!約束通りにウィルを連れ帰って感謝する!」

 グラツィアにお礼を言われて、続いてマックスとクロエにもお礼を言われた。やっぱりお礼は言うよな。


 レオンとソニアにホームに泊まりに来るか聞いたが、今日は帰って明日泊まる事になったので明日の予定を話す。

「明日からは日帰りで60階から訓練を始め様と思うけど、どう?」

「マサキ待ってくれ!」とグラツィアが割り込んで来た。

「何?」

「この子達を60階に連れて行くのか!?」

「当然だろ、この子達の訓練だからな」

「…その訓練に俺達も参加させてくれないか!?今回の件で俺達も、もっと強くなりたいと思っていたところだ」

「強くなりたいと思うのは勝手だが、何故俺達が協力しなきゃいけないんだ?今回ウィルを助けたが、礼を言って貰ってないし、俺のやり方にまで口を出す始末。何様のつもりかは知らんが今後関わり合いを持つのはごめんだ」

「ウィル!本当なのか!?」

「…あぁ」とウィルが肯定した瞬間マックスがウィルを殴った。

殴られて転がった所でマックスとクロエに説教を受けている様だ。あっ今度はクロエがウィルを殴った。

「マサキ、ウィルに代わって礼を言う。ありがとう!俺達ではとても助けられなかった。強引に35階に行ったら俺達まで戻って来れなかったと思う」

「別に気にしなくていい。今後はお互いに不愉快になるから関わり合いを持つのは辞めよう」

「返す言葉もないが、ウィルが幼い時に両親を貴族に殺されて、その時に助けてくれたのがデボラに荷物持ちをさせていた冒険者達だ」

 グラツィアの話の続きを待ったがこれ以上はない様だ。俺には全く関係ないと思うのだが?

「だから何?俺には全く関係ないだろ?」

「マサキがダンジョンで見捨てた奴らだぞ?」

「お前等、俺の話を聞いてたのか?子供を奴隷同然に扱って、俺のアイテムを奪おうと襲って来たゴミだぞ、見捨てられて当然、殺さなかっただけでも感謝して貰いたい。あの場面に10回出くわしたら見捨てる2回、殺す8回だぞ」

「アイテムを奪おうとしたのはマサキが治療を拒否したからだろ」

「デボラには治療しないが自分治療されて当然と思っているゴミは死んで当然」

「もしあいつ等がデボラを大切にしていたらどうだった?」

「それは別の世界の話か?ゴミはゴミだ。性格は簡単には変わらない。表に出すか出さないかの違いだろ」

 マックスとクロエに説教されていたウィルが2人に連れられてこっちにやって来た。

「マサキ…、助けて貰った事は感謝している」

「分かった、気にするな。グラツィアとも話は付いたから」

「話が付いたってどうなったんだ?」

「今後は互いに関わらない。お前が望んだ結果だろ?」

「…」

「今度、お前の仲間が行方不明になっても俺達の力は抜きでやってくれ」

「…冒険者は互いに助け合う。それを保護にするつもりか?」

「で、お前達はデボラを助けたのか?」

「そいつは奴隷だろ!」

「その奴隷に助けられたお前は奴隷以下だな」

 挑発に乗って来ないな。詠唱や武器を抜いたら、そのまま殺そうと思っていたが成長したのか?しかしダンジョンから助け出して殺す、何とも無意味な行為だな。

「兄貴もういいでしょ。こいつに何言っても無意味だ。ウィル、次にデボラを奴隷呼ばわりしたら俺が殺すよ、覚えておいて」

 浩史まで怒らし決定的となった。今後グラツィア達とは交流が一切なくなるだろう。


 グラツィア達との亀裂が決定的となり冒険者ギルドから帰ろうとした時にデボラに声が掛かった。

「デボラって名前が聞えたが龍の口のデボラか?」

「あっドラゴンクローの皆さん…」

 デボラの表情が暗くなった。心配になり横に立ってデボラに男の素性を聞こうとすると浩史もデボラの横に移動していた。

「デボラ、この人は?」

「おい!俺はデボラに用があるんだ!お前は引っ込んでろ!」

「煩いから少し黙れ。で、こいつは誰?」

「おまっ」まだ喋ろうとしたので男の喉を掴み少し力を入れる。

「デボラ話して」

「はい、マサキさんに助けて貰った時に一緒だったのがドラゴンマウスの方達です。ドラゴンマウスとドラゴンクローは一緒に依頼を受けたり親しい間柄でした。多分私を恨んでいるのだと思います」

 そうなのか?恨むなら俺じゃないのか?いつの間にか口だか爪の他のメンバーも俺達を取り囲む様に立っていた。俺に捕まってもがいている奴も合わせると6人か。

「おい!そいつを離して貰おうか、それと俺達がドラゴンクローと知ってやっているのか!?」

 凄むリーダーらしき男に言われて手を離してやると、直ぐに俺達から距離を取って武器に手を掛けた。

「デボラに何か用か?」

「デボラ?ああドラゴンマウスの荷物持ちか、あいつ等が死んだと噂を聞いたが本当か?」

「俺が代わりに教えてやるよ。あのゴミ共は俺を襲って来たので返り討ちにして、殺さなかったけど見捨てた。それがどうかしたか?」

「お前、強いのか?」

「お前よりは強いぞ」

「俺達の仲間になればドラゴンマウスの件は忘れてやる。断るなら」

「断る。馬鹿か?お前等如きが俺に敵うとでも思っているのか?身の程を弁えろ」

 俺の答えを聞いてドラゴンクローの6人が武器を抜いたのを確認してスロウを発動。6人の膝に向けてハンドガンを発砲する。6人とも片足を失って倒れているのでリーダーの前に立って見下ろす。

「何か言いたい事はあるか?」

「こんな事をしてただで済むと思うなよ!!」

 最後の1言がそれか?P229の照準を顔に合わせて動作音と同時に頭が吹き飛んだので次に移動した。

「何か言いたい事はあるか?」

「俺達はドラゴンクローだぞ!!」

 こいつも最後の1言は無意味な物だった。頭を吹き飛ばして次に移動。

「何か言いたい事はあるか?」

「頼む!助けてくれ!!」

 誰かに言い残す事はないのだろうか?頭を吹き飛ばして次に移動。

「何か言いたい事はあるか?」

「金ならある!助けてくれ!!」

 6人の顔が無い死体が出来上がった。自分達から仕掛けて謝れば許してもらえると思っているのか?以前に護衛で盗賊が襲って来た時に降伏した盗賊を射殺したら反響が大きかったので調べたが、この国の法では殺していい事になっている。殺さないのは法ではなく暗黙の了解で冒険者が自主的にやっているだけだ。

「浩史、先に子供達を連れて帰ってくれ、俺は衛兵に説明して帰る」

「分かった。みんな帰るよー」

 ギルドの職員に衛兵を呼びに行って貰い、俺は死体のそばで待つ事にした。


 死体を見ながら煙草を吸っているとウィルが俺の前に立った。

「マサキ!謝っているのに何故殺した!?」

「お前に何の関係がある?鬱陶しいから消えろ」

「答えろ!あっ!何をする、放せ!」

 こいつはいつも怒っているな、と思いながらウィルがマックスとクロエに連れられて行く様を見ていた。

 静かになったので明日の事を考える。今回の捜索でソニアがレベル23に、レオンが24に上がった。60階だと少し魔物のレベルが高いか?高い方が経験値は多く貰えるが、俺と浩史も居るから様子を見て判断しよう。

「ここか!?」

 おっ、やっと衛兵が来たか。

「こっちだ!」

「これは、お前がやったのか?」

「こいつ等が先に武器を持って襲って来ようとしたので殺した。この場にいる人に聴いて貰えば分かるはずだ」

「そうか、おい!こいつを見張っておけ。他の奴は酒場に居る者に状況を聞いてくれ」

 隊長?を含めて4人の衛兵が来て、一番若い衛兵が俺を見張る。他は聞き込みに行ったが若い衛兵が俺の顔をジーと見ている。何?

「マツオカマサキ殿ですか?」

「そうだが?」

「少しお待ち下さい」

 俺をその場に残して隊長の元に行ってしまった。いいのか?若い衛兵が隊長?と話すと隊長?がこちらにやって来た。

「二ホン国のマツオカマサキ殿ですか?」

「そうです。確認が必要ならコンラード将軍かイレール卿にお会い出来れば身元は保証して貰えると思いますが」

「いえ、それには及びません。ドラゴンクローのメンバーが先に武器を抜いて襲い掛かろうとした事は確認出来ました。ここまでは問題ないのですが、ドラゴンクローが降伏したのに殺したのは事実でしょうか?」

「正確にはリーダーらしき奴ともう一人は倒れても降伏せずに俺を脅して、他の4人は『金をやる』『助けろ』と明確に降伏はしていません」

「それは降伏と同じでは?」

「そうですか?例えば金をやると言われて後ろから襲われたら、責任はこの国にあると言う事でよろしいですか?」

「それは…、責任は襲って来た者にあり、国とは関係ありません」

「それなら明確に降伏してない状態では殺すしかありません」

「明確な降伏とは?」

「口に出して態度で示す事です」

「帰ってイレール様の判断を仰ぎたいと思いますので2日後に衛兵の詰所までお越し頂けますか?」

「すみませんが3日後に変更して貰えませんか?」

「では3日後で構いませんので、お待ちしております。それまでドラゴンクローの装備品はこちらでお預かりします」

「???装備品はどうなるのですか?」

「今回の行為が問題ないと判断されましたら装備品はマツオカ殿にお返しします」

「ドラゴンクローの装備品を貰えるのですか?」

「はい、マツオカ殿を襲った事になりますので撃退した者に権利があります」

「そうですか、装備品は要りませんので街に寄付します。一応3日後に衛兵の詰所には伺います」

 この国では襲われて撃退したら装備品は貰えるらしい。いいのか?ダンジョンで殺し放題だぞ?

 しかし3日後に出頭しないといけなくなった。もし俺の行為が残虐だとしたらどうなるのだろうか?罰金なら素直に支払うが禁固刑だと問題だな。最悪この国から脱出する事になるのか、鳳龍店とデボラの店を直ぐに閉められる様に準備を進めよう。

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