第7章 真情の露呈
ここは府牢ではあるが、それでも警戒は厳重だった。
何重もの女衛兵の間を通り抜け、乾燥しており、最も見栄えの良い牢の前で、純鷹 が「どうぞ」 という仕草をした。
「お手数をおかけしますが、しばらくお辛抱ください」
純鷹 自身もよく分からなかった。
純凰将軍 が明らかにこの男を好きなのに、なぜ彼を牢に閉じ込めるのか――と。
しかも、この男の態度には一片の恐怖も怒りもない。
――まさか、鳳将が自分を好きだと知っていて、それを笠に着ているのか?
純鷹 は疑念を抱きつつも、形式的にはそれなりに取り繕った。
俺 は牢の中に入った。
この場所は静かで、俺にはぴったりだった。
何せ俺 には今、思索と整理が必要だからだ。
あの二人のクソジジイが一気に詰め込んだ大量の物を、整理しなければならなかった。
俺 は目を閉じ、心を思いの海に沈めた。
すると全身の筋脈がたちまち脳裏に浮かび上がり、
かつて存在しなかった気勁の流れさえも克明に映し出された――
それが 創造主神 と 混沌の神 が俺 に伝えたもの――
創世神訣 の膨大な気(AURA)と、混沌神訣 の気勁だった。
この時、俺 は知る由もなかった――
今、自分の体内に存在しているのが、相容れない二つの巨大な力であることを。
もし俺 が百年に一度の玄虚体質でなければ、
二つの気(AURA)は激突し、俺 は粉々に砕け散っていただろう。
創造主神と混沌神のエネルギーが侮れるものではない。
玄虚体質 とは――修練者が夢にまで見る エネルギー貯蔵庫 だ。
普通の者なら、生まれつきの資質の限界により、過剰な力を受け入れられない。
だが 俺 は違う。
今のところ、偉大なる二人のクソジジイの強大な力でさえ、まだ俺の器には収まりきらない。
俺 は好奇心から、まず一方の猛烈な熱エネルギーを全身に何度も巡らせてみた。
灼熱感の後には、特別な軽快感と心地よさがあった。
次に、その熱を丹田に沈め、もう一方のエネルギー気流を動かしてみた。
その感覚はまったく異なり、冷たく、涼しく、細かい筋脈の一つ一つに染み渡る。
先ほどの熱感を一掃し、夏の日の清涼のようななんとも爽快な気分になった。
――だが、もしこの二つの力をぶつけてみたら、どうなるんだ?
その時、俺 の頭にそんな考えが浮かんだ。
心が動き、意念が従う――
その考えが湧いた瞬間、二つの巨大な気勁が俺 の体内で本当に激しく絡み合い、
最も従順な奴隷よりも従順に、一瞬で一つに絡み合った。
しかし、俺 は知らなかった――
この世に比類なき力を授けた二人のクソ親父が、まさにその時、
虚無空間で雑談しながら、俺 の二勁交絡の行方を話題にしていたことを。
「兄さん、あの狼が、自分の体内の力を融合させようとしたら、どうなると思う? 」
創造主神 が退屈そうに尋ねた。
「それは――奴の運次第だな。もし本当にそんなことをすれば、
最初は間違いなく天崩地裂が起きるぞ。
我々のこの比類なき力を、奴が好き勝手に弄れると思っているのか? 」
混沌の神 は花露酒を啜りながら、気軽に答えた。
創造主神 は驚いた。
「おい――それで死んだりしないだろうな?
あんな天生のすけべを見つけるのに、私は苦労したんだ。
もしそこで死なれたら、あまりに惜しい。
五女神たちも、それで再生の機会を失うかもしれない。
兄さん、本当にそんなに危険なのか? 」
何と言っても 創造主神 は、あの色狼をひどく嫌ってはいるが、
自分で選んだ男だ。多少なりとも不憫に思っていた。
「創さん、心配するな。
『努力が深ければ、鉄杵を針にする』と言うだろう。
ただ何度か痛い目を見るだけだ。
あの小僧の先天的な体質なら、
我々の火と水の二つの力を融合させることだって、不可能ではない。
お前はあいつが嫌いなんだろう? だったら、何度か痛い目を見させるのがいいじゃないか」
混沌の神 と言った。
「……それもそうだな。それもそうだ」
創造主神 はあの小僧に何も起きないと分かって、自分が余計な心配をしたことに気づいた。
さらに兄に笑われて、すぐに酒壺を取り、兄の杯に酒を注いだ。
「あの小僧が、死ぬほど苦しめばいいんだ」
だが 混沌の神 はただ笑った。
彼はこの弟が、あの小僧を少し気に入っていることを知っていた。
そうだ――あの小僧の話し方は、自分にもなかなか合う。
そうでなければ、混沌神訣などただで授けるはずがない。
俺 は二つの異なる属性の龐大な気流を、意念のままに、猛烈に絡み合わせた。
「ジュウジュウ」 という音が脳裏に響く――
それは、焼けた鉄を氷水に浸したときのような音だった。
瞬間、骨髄にまで達する苦痛が俺 を襲った。
身体が火で焼かれ、氷で凍らされるような、
身体の耐え難い引き裂かれる感覚が、俺 を混沌の迷茫の境地へと叩き落とした。
「ああああっ……! 」
俺 はもはや耐えきれず、その耐え難い苦しみを狼の遠吠えに変えた。
体内に生じた巨大なエネルギーが、俺 に狂暴な発散欲求を抱かせた。
二神の力を初めて融合させた 重い苦痛が、ついに発作を起こしたのだ。
俺 は自らの耐えられる限界を超えた力に正気を失い、
施錠されていなかった鉄格子を、漏れ出た気勁が粉々に打ち砕いた。
見張りの女衛兵たちは仰天した――
これほどまでに 驚天動地の光景を見たことがなかった。
その男の両目は真っ赤に染まり、俊美な面差しは今や凄まじく鋭く、
魔王のような狂暴さがこの空間に満ちていた。
誰一人として 前に出ることができず、ただ手にした槍を構えて 臨戦態勢をとるばかりだった。
音を聞きつけて駆けつけた純鷹 は驚いた――
彼女の経験からも、この男が正気を失っていること――いや、正気を制御できなくなっていることが分かったからだ。
「小狐、すぐに将軍に報告しろ! 俺はここで見張っている。急げ! 」
純鷹 はすぐに一人の小女兵に純凰への通報を命じた。
この男の処遇は、彼女には決められない。
俺 の心は分かっていた。
だが、これほどまでに恐ろしいとは思わなかった。
あのクソ鳥の創造主神は、一体何を俺に仕込んだんだ?
俺 をここまで苦しめるなんて――
体内の気勁が幾重にも湧き上がり、山をも海をもひっくり返すようなエネルギー気団を生み出していた。
俺 はただ狂ったように手に力を込めて振り回すしかなかった。
この将軍府の府牢は、俺 の破壊に耐えきれず、今にも崩れ落ちようとしていた。
その頃――
昨夜、俺が眠ったあのベッドで、純凰 はまだ起き上がれずにいた。
なぜなら、そこには彼女が好きになった男の匂いが残っていたからだ。
彼女は数え切れないほどの男を見てきたが、
こんな感覚を与えてくれる男は 一人もいなかった。
あるいは彼女は、この感覚に恋してしまったのかもしれない。
今、彼女はベッドにあぐらをかいて、あの小さな姫君と口論していた。
「おばさん、本当にあの男をお仕置きするの?
おばさんにできるの? 」
柔伊にはどう見ても、二姨は殺す気も斬る気もないようにしか見えなかった。
それどころか、図星を指されて 怒りと恥ずかしさに駆られているかのようだ。
――これがいわゆる「甘え」というものか?
「もちろんできるわよ、柔い。あのクソ野郎は
私のおいしいところを奪っただけでなく、
あんな大衆の面前で恥をかかせたんだ。
しっかり痛めつけてやらなきゃ、私の気が済まないわ」
純凰 はひどく腹が立っていた。
この小賢しい小鬼の前で、あの男は自分をかばうどころか、得意げに笑っていた――まったくもって許し難い。
「ふーん。じゃあ、おばさんはどんなお仕置きをするつもりなの?
重刑? それとも一刀両断? 」
柔伊はなぜか、この件に 異様に興味を持っていた。
そして彼女の少女の心は、二姨がそんなことをするはずがないと確信していた。
だからこそ問い詰める――それが 彼女の手の内 だからだ。
「それはね……少なくとも十日か半月は閉じ込めておくつもりよ」
純凰 は殺すとは言えなかった。
自分がもうこの男を殺せないことを自覚していたからだ。
だが、この姫君の前では、体裁を整えておくべきだ――
さもなければ、彼女が他の姉妹たちに何を言いふらすか分からない。
「将軍! 将軍! 大変です! 大変です! 」
扉が開かれ、通報の小狐兵衛が慌てて駆け込んできた。
「小狐、姫君の前でそんなに無礼を働くな。
ドアをノックするということができないのか? 」
純凰 はひどく機嫌が悪かった。
さっきあの男に怒り狂わされ、今度は小さな兵隊にまで腹が立ったのだ。
小狐 は震え上がり、顔色を変えて ひれ伏した。
「姫君、将軍、お許しください。ですが緊急の用件でございます。
純鷹隊長が、牢のあの男に異変が起きたと申しておりまして…… 」
「何ですって?! 」
今度は 純凰 が驚愕した。
あの男のことが出ると、彼女の顔色が一変した――
まるで心の中で一番敏感な弦を弾かれたかのように。
「はい、将軍。あの男の様子がおかしいのです。
鷹様が、将軍に至急お越しいただきたいと申しておりました」
小狐 は将軍の顔色が一変し、もはや叱る気がないと見て、大声で報告した。
「行くわ! 案内しなさい! 」
純凰 はもはや姫君と口論している余裕はなかった。
一気にベッドから飛び降り、その動作は迅速無比だった。
その焦慮の表情は明らかに外に溢れており、
柔伊はさっきまで二姨が言っていたことに疑念を抱かずにはいられなかった。
――本当に彼女は、あの男を十日も半月も閉じ込めるつもりなのか?
俺 は全身の筋脈が氷と火の絡み合いの中で責め苦を受けていた。
その苦痛の感覚が心から顔へと伝わる――
今の自分の姿が ひどく醜いことは分かっていた。
だが仕方ない――普段は 潇洒で飄逸な俺 だが、今はそんなことを言っている場合ではない。
その苦しみがあまりに耐え難く、俺 は両手を振り回し、口からは絶えず狼の遠吠えを上げていた。
「ああああっ……! 」
侍衛たち は俺 を傷つけるわけにはいかず、緊張しながら俺と向き合い、無目的な攻撃を避けるばかりだった。
「将軍ご到着! 」
最速の速度で、純凰 が府牢に足を踏み入れた。
彼女は目の前の光景を信じられなかった――
府牢全体が 跡形もなく破壊され、床は粉や破片で覆われていた。
その男の 引き裂くような叫び声が、彼女の肺腑にまで染み渡り、
彼女に かつてない心痛をもたらした。
「あなた……どうしたの? そんなふうにしないで……
私を怖がらせないで…… 」
純凰 は俺 の目に宿る狂気の血の光を見た。
その暴烈な欲望がこの空間全体に満ち、異様なまでに不気味だった。
純凰将軍 が危険を顧みず近づこうとするのを見て、
純鷹 は彼女の腕を掴み、言った。
「将軍、おやめください! この男はもう正気を失っています!
私に射殺させてください! 」
「パシッ」
純鷹 は思い切り平手打ちを食らった。
「黙れ! そんなはずはない! 彼は正気を失ったりしない! 」
純凰 は自分でも知らなかった――
これが、最も親しい護衛隊長に 初めて平手打ちをした瞬間だということを。
怒りなのか、悲しみなのか――誰にも分からなかった。
だが、将軍のその様子を見て、誰も 口を開くことができなかった。
「俺は……俺は……苦しい……
あまりに苦しいんだ……! 」
俺 の苦しみは、今すぐ死にたいとさえ思わせるほどだった。
あのクソジジイどもが 俺に伝えたクソ功法が、なぜこんなにも辛いんだ?
くそっ――もしあのクソジジイどもに再会できたら、
必ず 奴らのズボンを剥ぎ取って、急所を切り落としてやる。
そして城楼に三日間さらしてやる――それで 俺の恨みが晴れるというものだ。
「やめて……やめて! 戦狼! やめてえっ! 」
純凰 は涙を流した。
彼女が初めて流した涙だった。
従者たちは知った――この鉄血の将軍にも、涙があるのだと。
そして、人々が驚きに固まる中、
彼女たちが常に敬愛する鳳将は、彼女たちを さらに仰天させる行動に出た。
彼女は走り寄り、苦しみに頭を抱える男をきつく抱きしめたのだ。
その目には 最も優しい女の表情が浮かび、
彼女は ひとりごとのように ささやいた。
「大丈夫……私がいる。あなたは大丈夫……絶対に大丈夫だから…… 」
俺 は本当に狂いそうだった。
発散しなければならなかった。
だが――その可憐な女将が俺 の身体をきつく抱きしめたため、
俺 は無意識のうちに 気の漏出を抑え、この腕の中の女を傷つけまいとした。
特別な理由はない――ただ、彼女が絶世の美女であり、
俺 が彼女を傷つけたくなかったからだ。




