第46話 未来人
年齢が15歳位の男女が未来から過去に戻ろうとしていた。見た目は子供に見えない程に大人っぽい。決して老けているとかではない。和夜が羨ましがりそうだ。
「純、あんたお母さんのことになると本当に頑張るわね。タイムマシーンまで作って」
「当たり前だろ」
1人の女性は優という名前だった。その2人は伸郎達が表立って現役で活躍している時代に行くのであった。その時代に行くことに成功はした。が、着地は失敗した。
「優!大丈夫!?」
「ええ・・・ってここ!?道場の前じゃない!」
その頃、和夜はケオケオに餌をやっていた。餌というよりお茶を好むのでお茶を飲ませていた。ケオケオはおいっ、もっとお茶を寄越せ、それ以上に顔ももっと出せ、と思っていた。
「ケオケオは本当にお茶が好きなんだね。マン先生と一緒だ。ケオケオはまだマン先生に会ったことないよね。会ったら、お茶について語り合えるかもね」
そこへ、爆発音のような音がしたので和夜は道場の方へ向かった。
道場周辺に着いた和夜は少しワクワクした。
「宇宙人!?宇宙人来ちゃう!?宇宙規模の戦いになっちゃう!?いや、お友達!?」
道場の前に落ちているタイムマシーンをUFOと勘違いしていたのだ。1人勝手に舞い上がっている。
「優、大丈夫だよ。僕達がママや親父に会ったとしても、別に言わなきゃ分かんないって」
「もう!」
タイムマシーンから知らない男女2人が出て来るところを和夜は見ていた。宇宙人を期待したが出てきたのは人間だった。人間!?事故!?怪我はなさそうで良かった、と和夜は思った。和夜の視線に2人は気付く。知らない男女に見つめられる和夜は緊張していた。色白で毛先だけが茶色の黒髪男である純が真っ先に和夜の方へ走って来た。ドタバタと止まることなく自分の方に来るとは思ってもない和夜は避ける準備はしていなかった。
「うえぇ!何!?ぐへっ!」
純は和夜をがっしり掴んで抱きつく。この光景、誰かに似ているような気がする。
「わー!真っ先に会えるなんて!この時代も良いね!僕の」
「とりゃ!」
純が何かを言いかける前に褐色肌で黒髪ポニーテール、綺麗なお姉さんという雰囲気のある優が頭を叩いた。この女性も毛先が茶色だった。優は苦しそうな和夜から純を強制的に引き剥がす。
「邪魔すんなよ」
「するわよ。あんたが力いっぱい掴むから!・・・こんなになってるでしょ!」
「よく分からないけど~大丈夫よ~」
和夜はフラフラのふにゃふにゃになりつつも言った。そこへ、不死長老がやって来た。
「どうしたのかね?・・・事故か!?怪我はないかね?」
見たことのない機械が道場前の土に突っ込んでいるのを見て心配する。
「急にすみません。幸い、私達に怪我はないです」
優が答えた。
「和夜ちゃーん」
イカ天もやって来た。
「あっ、そろそろ行かなきゃ」
「和夜くん、気を付けて行っておいで」
「はい!では」
不死長老達に会釈をして和夜は走って行った。純は和夜が居なくなり寂しそうな表情をしており、優は和夜の背中を黙って見つめていた。
「わしの部屋で休んで行かないかい?」
「そんな、申し訳ないです」
「わーい!お茶菓子だー!出来ればお茶じゃなくてジュースで!」
図々しいことを言うなと優は純のことをつねる。2人の様子に不死長老は笑いながら言った。
「良いんじゃ、良いんじゃ」
2人の未来人は不死長老の部屋に案内され座る。不死長老がジュースを持って来たところで純が衝撃的な発言をした。
「僕達、未来から来たんです」
「ちょ!こら!」
それは言ったら駄目でしょう!と優は怒る。
「ほう。未来からかの~、それは遠くからよく来てくれた」
「えっ、信じてくれるんですか?」
嘘みたいな本当の話を不死長老は信じてくれた。
「ああ、2人共、見れば嘘を付かない良い子だと分かる。何かあって来たんじゃろ?」
「ほーら、上手く行っただろ?」
「調子に乗るんじゃない!」
不死長老はまた笑った。




