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公爵家の転生侍女ですが、どうやら私はヤンデレ悪役令嬢に娶られて王妃となるようです……なんて?  作者: 禍成 黒いの


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第6話 魔王ってなんですの?

 久しぶり日曜日、7日間待ってたの♪ということで今日は私も、リシェルテ様……、ルテも休日です。

 なんか気がついたら二人きりのときは愛称で呼ぶように命令されました。解せぬ。

 ……で、えっと、休日と言っても大体の場合はただお休みってわけには行かないんですよねぇ。

 いえ、本来は8歳児の日曜日なんてお休み以外の何者でもないはずなんですが、ルテはもう魔力の覚醒が終わってますのでね……。

 成人後に戦場に駆り出された時の為に今から技術を磨いておくに越したことはねーのです!

 

 とは言え、流石に8歳児の休日にスパルタ教育をねじ込むなんて人の心とか無いんか?案件はやりません。

 やるなら楽しみながら身につけてもらわないとですからね。

 あと、露出癖をなんとか、なんとか抑え込みたいのですよ!

 ルテ、まだ8歳なので多少脱いでもお可愛らしい♪で済んでますけど膨らむ所がふくらんでくびれる所がくびれたらそんなモンじゃ済みませんからね!?

 特に私の精神状態が!

 寝る時の全裸はもう流石にしょうがないと思うんで、普段から事あるごとに脱ごうとするのだけは止めなければ!


 「じゃあルテ、今日はかくれんぼと手放し羽つきどちらで遊びましょうか?」

 「先週はかくれんぼでしたので、手放し羽つきがいいですの!」

 「じゃあそうしましょう。折角なのでなにか追加ルールでもつけますか?」

 「んー、では、羽根を落としたほうが服をいちま……」

 「却下で」

 ぐぬ、微妙に最近自分が脱ぐだけでなく私も脱がそうとしてくるのが怖いですね。

 口車に乗らないように気をつけなければ。


 ということで、始まりましたルテと私にしか出来ない競技「手放し羽つき」。

 まあ、ルールは簡単です。

 ルテは重力操作で、私は《《流体制御》》の魔法で羽根を相手に射出し続けるだけの遊びですね。

 地味にかなりの魔力操作精度が求められるので楽しみながらする訓練にはもってこいの遊びだったりします。


 「ところで、メリー、わたくし達はどうして、魔蝕性侵食体(クリーチャー)、とやらと、戦わなければなりませんの?」

 なお、5歳の頃からこの遊びに興じてきたルテと私はそんな繊細な魔力操作でのラリーを続けながら雑談が出来る域に達してたりします。

 「そのために、貴族として、贅沢を、許されてるから、ですねっ!とある事情で、貴族制っぽいものを維持、して、いますが!実際は、軍隊の階級を、貴族位におきかえたような、ものですのーでっ!」

 「はわっ!」

 よし!先制点を取りました!


 ……まあ、公侯伯子男あーんど騎士爵な貴族階級が存続していると見せかけて実態はただの軍人ですからね。

 名前が無駄に長かったりしますが、「貴族っぽい爵位を持ってて貴族っぽい生活をしてるんだから折角だし名前も貴族っぽくするか」以上の意味は無かったりします。

 当然領地なんて誰も持ってませんし、公爵だって王族と血縁があったりするわけではありません。

 というかぶっちゃけ、適正属性が戦闘向きでめちゃくちゃ魔力の高い人が「対魔蝕性侵食体(クリーチャー)戦線に参加したいです!」って入ってきたら速攻で伯爵ぐらいになったりしますし。

 そう考えると、軍隊の階級を貴族位に置き換えたと言うよりは強い順に爵位を適当に当てはめたと言ったほうが近いかもしれません。


 ちなみに、国の運営は普通に議員が議会でやってます。

 貴族組のトップは当然「王」ですが、特に権力は持ってませんし。

 ああ、いい暮らししていいもの食ってはいますよ。

 ……いつ死んでもおかしくないぐらい危険な役割ですからね。


 「うう、やっぱりまだ魔法の制御ではメリーに勝てませんの……。いえ、そうではなく!わたくし達が軍人どころか古代ローマの剣闘士とさして変わらない扱いなのは存じておりますの。聞きたいのは、何故そのような役割を押し付けられているのかですの!」

 あ、そっちでしたか。

 うーん、人類業深けぇな系の話なんですが聞かせちゃって良いものかどうか……。

 「メリー、教えてくれませんの?」

 ぐぅ!ゼロ距離で首を傾げながら見上げてくるのは反則です!

 「わかりました、教えます、教えますから!」

 ところでお嬢様?もしかしてその仕草、私に効果的だと理解した上でやってる疑惑があるんですが?まだ8歳ですよね?


 「はあ……。ではルテ、ルテが食べ切れなくて残してしまったご飯、つまり生ゴミはどこに捨てますか?」

 「ゴミ箱ですの!」

 「お部屋の?」

 「いいえ!ゴミ捨て場に持っていってもらいますの!お部屋に捨てては虫が湧いてしまいますから!」

 「はい、そういうことですね」

 「……はえ?」

 あ、理解してないっぽい?

 いえ、可愛いので特に問題ありませんが!

 おっと、説明しなきゃですね。


 「つまり、魔蝕性侵略体クリーチャーという名の害虫が湧く魔蝕汚染体なまゴミを、人類はゴミ捨て場に捨てたんですよ。18世紀半ば、魔力という資源が発見されたのと同時期に隆起した大西洋の島。つまりこの国、ノイ・アトランティスに」

 そりゃまあ、ほっとけば怪物を産む産廃なんて出来るだけ遠くに捨てたいですよね。

 でも、そんな危険物の集積場を作っていいですよなんて言う国は当然ありませんでした。

 そんな折に、なんかつい最近生えてきた新島が見つかるじゃないですか。しかもそれなりのデカい。

 人も動物も住んでない陸からそこそこ離れたどこの国にも属さない島。

 果たして、最初に不法投棄したのはどの国なのか……。

 主に欧州の国々はこれ幸いと、この島に魔蝕汚染されたタービンをポイ捨てし始めました。


 「でも、そんな事したら魔蝕性侵略体クリーチャーが……。いえ、でも魔蝕性侵略体クリーチャーが生まれても島には何もありませんでしたのよね?」

 「はい、鳥が運んできた種子から芽吹いた草木しかありませんでした。どうなったと思います?……奴ら、共食いし始めたんですよ」

 共食いした結果、魔蝕汚染が生体濃縮じみた作用で集まり続け……。

 破綻しました。ええ、物理法則が。

 

 濃縮した魔蝕汚染によって歪んだ空間は、汚染物質を飲み込む黒い穴となりました。

 ブラックホール……ではないですよ?本当にただ黒い穴です。

 何もない中空に、目の錯覚なんじゃないかと思うぐらい真っ黒い穴が空いたんです。

 ……そこでやめときゃよかったんですが、「お、あの廃棄タービンの山消えとる。もう一回捨てれるドン!」みたいなノリで人類、魔蝕汚染体を再度捨て始めたんですね。

 というか、投げ入れれば消えるのは確かなので現在進行系で捨てられ続けてます。


 「そしたら、出たんですよ……。出てきたんですよ」

 「……な、何がですの!?」

 あ、ホラーっぽい口調で離してたらルテ怖がっちゃってますね。

 可愛いので続けます!

 「魔王が……」

 「きゃー!……って魔王?」

 あ、予想外の単語で素に戻っちゃっいましたか。

 

 「はい、魔王です。本当はもっと長ったらしい正式名称があるんですが、めんどくさいんで魔王と呼ばれている激ヤバ魔蝕性侵略体クリーチャーですね。《《こいつら》》を倒すためにこの国は王政を、貴族制度を存続させていると言っても過言ではないです」

 「ふむふむ……。って、メリー?よく考えたら最初の質問にまだ明確な答えが貰えてませんの!結局、どうしてわたくし達はそんな魔王とか魔蝕性侵略体クリーチャーとかと戦わなければなりませんの?」

 「それはまあ、単純な話で……」


 魔力が高かった、適正が戦闘向きだった、そういう風に育てられた、誰かがやらなければならなかった。

 「ルテも言ったじゃないですか。古代ローマの剣闘士と一緒です」

 まあ、色々言い訳をすることは出来るでしょうが、ぶっちゃければ一言で済みます。

 「生贄かつ、見世物として……ですよ」

 

 ほんと、世知辛いですね。


 ……私の受信した設定のとおりなら、一応ちゃんとハッピーエンドに持っていけるはずなんですけど!


☆★☆★☆★☆


ネオ・アトランッ!

ふしぎの海のナディア、名作ですよね。

ということで、別の地球のブリテンの更に先にあるでけぇ島が舞台です。

産廃タービン、これ最初に捨てたのやっぱブリカスなんじゃねぇかなぁ……。


ということで、次回はその魔王戦の様子……を見てる外野の実況のお話ですかね。

異世界ファンタジーなのに実況回とか不思議な感じがしますが、一応ちゃんと別の地球という異世界なので……。

更新予定は、土曜日に予定が入ってしまってますので6月7日日曜日の20時です。

どうかよろしくお願いします。






 

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