いや、みんなドン引きしてませんか?
アサから、もう大丈夫ですのでと言われた為に仕方無くお姫様抱っこを止める。 残念である。
抱っこしたことで、二つの小山はスーツ越しでもすごいボリュームである事が判った。 目の保養にはなったし多少の疲れなんて吹っ飛んだよ。
艦橋へ戻ると、ステーションや地上から通信が入っているらしく通信担当が慌てている。
「イナト様、先程のは?」
「え? あー、あれはやり過ぎた?」
艦橋に入ってきた事に気付いたイーリアスが慌てた様子で側へと来る。
やり過ぎどころの話では無いようだ。
魔素の巨大なエネルギーがステーションや地表からも観測出来たらしく、幻獣による攻撃だったのか、新種が出たのかと大騒ぎだったらしい。
結局、自分の事は伏せてくれたらしい。
試作兵器による、大型幻獣に対する試射を行った結果と通達を出したそうである。
試作兵器は、自身の魔素の余剰エネルギーを受けて崩壊し修復不可能となった事で再度大型に対する使用も不可能となった、と。 落胆する姿がなんだか思い浮かんでくるようだ。 正直なところ、目立ちたく無い事を伝えようと思っていたから、その説明をしてくれたのは助かった。
でも、倒せる事が分かっただけでも十分な成果だったそうだ。 それ程までに大型の幻獣は脅威であり、数えるほどのデータしか情報は集まっておらず、遭遇した場合は例外無く生きて帰った者は居ないらしい。
しっかり精査し、可能であれば自分の手を借りずに倒せる様に出来るのが目標である。 そういう事なら、十分、要請が正しくされれば倒す事も協力させて欲しいと伝えると皆も喜んでいた。
艦橋内では、倒した興奮も冷めやらず。
後で美味しい酒や食事を奢ってもらえる事になった。
イーリアスは、俯き言い辛そうにしていたが、しばらくもしないうちに自分の噂が出回る可能性もある事は覚えていてほしい、と言う。
これだけの偉業を成し遂げたのだから、ずっと隠し通すこと自体は難しいかもしれないのだそうだ。
実際、自分がこの船に乗っていてすぐに起きた戦闘で謎の力を持って大型幻獣を討ち倒したのだから、この場に居ない者や魔王復活を予測していた者の間では噂になるだろう。 それは、仕方無いことだから、その時が来たら考えるさと不安そうにするイーリアスを安心させておく。
制約魔法とかでも使えたらいいんだが、そう言った魔法はもう使い手がおらず、攻撃魔法や防御魔法、色んな魔法が失われてきたらしい。
自分自身も、そう言った細かい魔法操作は苦手だったりする。 魔素そのものを動かしてるだけという。
やろうと思えば、エグいことも出来るがあえていう必要はないだろう。
まぁ、細かい事になれば勇者の方が得意だったもんなぁ。
勇者のことを考えていると、何処かから連絡を受けていたイーリアスが戻ってきた。
「イナト様、他に、そのぉ……。 何かされましたか?」
何か? 何かと言われてもなぁ。 戦闘が終わったから船自体も魔素で色々強化だったりしているわけだからちょっと活性化させて修復は出来たんだけれどね。
「艦のDCからですね、船体の修復によるエラーが出てると報告が上がっておりまして」
これだけの戦闘、しかも至近距離での生体ミサイルの爆発した影響もあればこのまま船渠で修復も考える必要があったらしいのだ。
それが、自分の行動で想定外の修復により受けてダメージが消えていた事でエラーが出てしまったと。
結果として、エラーは修正され問題が無いと判断されるまではこの宙域で待機する事になったのだった。
初めまして。
色々挑戦したく投稿しました。
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