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楽器吹きは元最強竜騎兵の体に転生する〜以外と僕の顔は有名じゃないらしい〜  作者: ポン酢って美味しいよね
1章 マクウル学園1年生<春>
9/10

9話 ベルは回復魔法使い≪模擬試験⑼≫

ぜひ、最後までみてくださあああああああああああいいいいいいいいい'!!!!!!!!!!よろしくですです。




3回戦の後マウンは外傷がなかったものの、心に深いダメージを負ってしまったため一人になりたいと試合場のトイレにこもっていた。タロウ(マウンの体)が取り巻き仲間達に暴言を吐いて他の取り巻き達はマウンのことをどうでもよく思ったのかいつもの輪にはマウンが消えていた。それを横目で見て(ざまあ)と思いながら試合場を後にした。そして全身に傷を負ったタロウは担架に運ばれるほどではなかったが、一人ではさすがに歩けなかったのでザウティスの肩を借りて保健室へと向かった。


保健室に着くとあのイケメン校医は誰か怪我した生徒の怪我を治療していた。その怪我した生徒を見るとソイツはベルの倒した雷魔法使いのヴィアンテだった。顔が赤く腫れており、それを消毒していたみたいだ。

ザウティスが「すみません」と言うとやっとこちらの存在に気づいたのか、イケメン校医がタロウ達のいる方向に顔だけ向けた。すると姿を確認したと思った瞬間、何か顔が青ざめていくのがわかる。そして口を横に大きく開けてそれはそれは厄介そうに二人を見た。


「まーたやったのか、ミヤザワよ。」


苦笑いしながら保健室に入るタロウはイケメン校医の指差した場所に座り、手を膝の上に置いてヴィアンテの手当てが終わるまで待っていた。浅い紺の色を宿した伸びきった髪に抜けた黄色の目、色こそベルと似ているが顔立ちは全く違った。殴られた箇所のせいか少し歪んだ鼻が見えるのは置いといて、彼の耳についている耳飾りの紋章がどうしても気になった。じっと見ていると視線を感じたのか、ヴィアンテが真っ赤に腫れた顔をこちらに向けた。だがそれはイケメン校医によって止められた、が耳飾りの光る黄色い宝石に軽くなでるように触るとヴィアンテは重そうな口を開けて話した。


「ああ、これか?これはな、母の形見なんだよ。綺麗だろう、この国で一番の腕を持つ宝石職人の叔父が母のために作ってくれたものだそうだ。だが今はそんな叔父や母はいなのだがね。」


少し寂しげに喋りだしたヴィアンテに何か地雷をふんでしまったのか、と何やらあたふた動揺していたタロウがいた。消毒が終わったみたいで包帯を巻いている。巻き終わるとヴィアンテは腰を45度できっちりと曲げた後、お礼をしてから保健室を足早に出ると今度はタロウの番、とでも言うように校医の目の前にどかっと座った。その時、切られた足の部位に激痛が走る。痛そうに手を足に当てていると校医がこれまためんどくさそうな顔をしてこちらを見た。なにか言いたげそうになっているがタロウには気づきもしない。すると苦い顔している校医に気づいたザウティスがその校医に近づいてしゃがみこむと耳打ちをした。

校医が少しためらいのありそうに一度頷くと、ザウティスはそれに合わせて保健室を出て行った。耳打ちした内容がタロウには伝わっていないので、何があったのかと思っているとその校医が苦笑いをしながら話し出した。


「ちょっと傷を見してくれないかい?」


「は、はい。」


タロウがそう返事するとイケメン校医が「失礼」と言って一番目立つ顔の傷を診始める。

一つ一つ切り傷は浅いが、鼻に入った横の傷が深いようで残るかもしれないと呟き、今度は右腕を診始めた。全体を診終わるとまだ出血の止まっていない箇所を止血し始めた。タロウは顔の鼻に1か所、右上腕に1か所、左手の平に2か所、腹に1か所、左内側太ももに1か所、計6か所に深い傷を負っていた。そこを重点的に手当をし始め、消毒を丁寧していると救護室の扉が勢いよく音を立てて開いた。


「来たわよ!」


ベルがふん、と音を鳴らして自分の長い髪を揺らしている。後ろにはザウティスが顔を真っ青にして立っていた。どうやら走ってきたみたいで、ベルも少々息が上がっているが、ザウティスは病み上がりの体で全速力で走ったため、真っ赤を通り越して真っ青な顔をしていた。ベルが軽やかに救護室の中へ入ると早速タロウの傷を見た。その間にイケメン校医は倒れそうになっているザウティスの元へ駆け寄り、肩を貸してベッドへ運んでやっている。

浅い傷は自然治癒で治してもらうと言われ、深い傷はベルの回復魔法で治す、と言われた。

まずは足から、と言われたので足を出して回復魔法をかけてもらっていた。治してもらっている間、ザウティスを直した時から疑問に思っていたことを聞いてみる。


「すいません、ベルさん。ちょっと尋ねたいことがあるのですが。」


「何?タロウ。端的にお願いね。」


治療に集中しているので短く頼むというわけだろう、タロウは短く分かりやすく伝えた。


「なんで救護係にならなかったんですか?」


するとベルは何かむせたようで激しい咳払いを何度かした。性格の悪いタロウは何か煽るように言葉を重ねてゆく。


「いや〜、だってベルさんって回復魔法の家の出のものでしょう?だったら僕よりもベルさんのほうがいいと思うんですが………ッタアアイ!!!」


思い切り足を平手打ちされた。足の深い傷は消え、顔を引きつらせるタロウと顔を般若にさせ、自らの金色の目を光らせているベルに校医は口元を歪ませている。

(え?え?叩かれるくらい地雷踏んだの?)

するとベルがしばらく考えた後大きいため息をついて答えた。


「はあ〜、そこ言わないといけないのね。まあ、不思議に思わない人はいなはずだわ。」


やはりためらいがあるみたいで、目をちらつかせている。だがしょうがないと言い出した。


「私、小等部で救護係だったんだけれどね、毎日毎日クラスの人だけじゃなくて全校の人から回復魔法の依頼が頼まれていて中等部ではもう懲り懲りでね。高等部のこの学園では救護係を絶対にやらないって決めてたのよ。」


ベルはいつも気の立った顔を皆に向けているが今だけは苦い顔をしている。それを見たタロウはそれほど恐ろしかったんだな、と顔を歪ませていた。


6か所の傷を回復魔法で治癒し終わったベルは集中を切らさないで一生懸命やっていたおかげで早く終わることができた。終わり次第、救護室から出ようとしていたベルはタロウに伝えることがあったらしく、それを大きな声で伝えていた。


「タロウ、鼻の横の傷は結構深かったから私の実力では直しきれなかったわ。機会があるなら腕利きのいい回復魔法使いに治してもらってね。それじゃあ。」


猫のように軽やかに進んでいったベルの後ろ姿を見ながら回復魔法ってすごいなあ、と思っていた。


回復魔法は体の中にある再生能力を活性化させて回復させているので、タロウの場合は何時間かした後は体が動かないほどの激痛が走るという副作用があるのだ。ベルはそれを伝えていなかったが、今日の夜はタロウとザウティスの叫び声が寮内に響くことになるだろう、とベルは試合場に向かっている間、クスリと笑っていた。




最後まで見てくださりありがとうございますうううう!!!よければ感想、ブクマを……、もっとよければ評価を………高望みですよねはい。数日前からなんでか時間が早く感じます。気づいたら……え!? 2時間たってる!?っていう状態が多いですね。次回もよろしくです。

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