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楽器吹きは元最強竜騎兵の体に転生する〜以外と僕の顔は有名じゃないらしい〜  作者: ポン酢って美味しいよね
1章 マクウル学園1年生<春>
10/10

10話 ヤエは光魔法使い≪模擬試験⑽≫

ぜひ最後まで見てってくださいませ!!!!



結局、再びザウティスは救護室に留まることになったが、タロウは次の試合があるので一応試合場まで歩いて行った。今日ここを歩くのは何度目だろうと思いながらも道端に生えている植物や花たちを見つめながら苦い顔をしていた。そして先を見据えたタロウは次の総当たり戦の仕組みについてよく考える。一回戦ごとに一回戦えば次に進むか負けるかで決めることができるのだが4回戦だけは違い、少なくとも2回は戦うことになるので一回戦って沢山の傷を負うと2回目はもたない。つい昨日まで絶望の淵に追いやられていたというのに今は戦いのことについて考えられるようになって少し嬉しいという気持ちが芽生えた。


タロウが試合場に戻る頃には3回戦が終わっていた。対戦表を見るとタロウの次にあった組は光魔法使いのヤエと言うものが勝ったらしく、最後の組は夢魔法使いのシェールラーというものが勝ったらしい。ということは白、黒、回復魔法使いのベルは負けたというわけなのか?とタロウが顎を撫でていると後ろから甘ったるい匂いが充満し始める。反射的に鼻をつまんで後ろへ振り向くとそこには学校指定の制服の上に大きめの菖蒲色のパーカーを頭から深く被っている者がいた。めだつのは目元に黒く塗りつぶされたクマが不気味さを増し、そこから淡い水色の涙のペイントが右目から流れており、黒いマスクを口元だけ隠してつけていた。パーカーからは翡翠の髪が流れ出ている。いかにも不審なものにしか見えないこの人物は対戦表を見るなりどっかいってしまった。あまりにも印象が強すぎたためか、周りの皆はタロウに対して虐げの目を向けるのを忘れてその菖蒲パーカーに対して引いていた。


とりあえず次の試合のために準備をし始めるタロウは黒く光るクラリネットを丁寧に組み立てていると隣でくつろいでいるシェイドに話しかけた。


「なあシェイド、『今のお前には力を貸すことができない』ってどういうことなのか?」


シェイドは顎を手のひらに乗せてまるでどこかで寝そべっているかのようにくつろいるとその間抜けそうな顔をしながら答えた。


『そのままの通りだよ。お前の体にはまだ俺様の魔力は耐えきれないからだ。今使ったら魂ごと弾け飛ぶぞ。』


「ぎ、え!?た、たたた、魂ごと弾けとぶ!?」


タロウが驚いて口を大きく開けているとシェイドが眉をひそめて大きく息を吐くと何度か頷いる。同時にクラリネットを組み立て終えるとリードをつけ次第、アサヒを呼ぶために思い出の曲を吹いた。最後のフレーズがよく耳に残る曲だ。だが来る気配もなく、思い出の曲を吹き終わっても結局アサヒが来ることがなかった。


「アサヒ…………もしかしたら僕のことが嫌いになったのか……。」


タロウはこの学園に入ってからネガティブ思考になってしまい、最初は来てくれたアサヒが後から来なくなってしまって一回呼び出して雑に扱ってしまって嫌われた、と思ってしまった。顔をしぼませて悲しんでいるタロウにシェイドが鼻で笑って頭をかく。


『わかんねえのに勝手に決めつけんなよ。何か事情があるかもしれねぇじゃねぇか。』


「わかんねえ、ってなんだよ!!わかんねえ、ってなんだよ……。」


その言葉にタロウがえーっとわめきながらクラリネットを持っているがシェイドが歯ぐきをむき出しにしながら何か難しいことを考えているみたいに頭を抱え込むと、何か吹っ切れた後にため息をする。


『お前に闇魔法を教えるのは無理だが、幽霊魔法を教えることは可能だ。今の術式だけではレパートリーが少なすぎる。今すぐ術式を教えるぞ。よく耳かっぽじって訊けよ。』


「あ、お、うん……。」


二人しかいないのに小さく縮こまって何故か小さな声でシェイドはタロウに術式を教えていた。特に意味を感じなかったが、周りから見たら一人だけでなんかしている気持ち悪い人だと思われるだろう、とタロウは密かに真顔で思った。





□◆□◆□




「4回戦、タロウ対ヤエ。」


タロウは片手に変形した(クラリネット)を持って青色の目を光らせながら右から出てきた。左から出てくるのはヤエと言う名前の女性が出てくる。黒くてツヤのある長い髪を高い位置に一本でまとめた髪型に整った眉を持ちはっきりとした美しい黒の瞳。まさに日本人形な顔をしているヤエは片手に長い杖を持ってその黒い瞳でタロウを凛々しく見つめてくる。昔、元の世界にいた時に見たテレビにいた女優さんのような顔立ちをしているため、まっすぐ構える杖はヤエと恐ろしく似合うのでタロウは少し慄いていた。


「始めッ!!」


ヤエが飛びかかる。このクラスの人々はまず飛びかかることからするのかと感じるがシェイドに教えてもらった魔法を使うことにした。ちなみにシェイドは今準備室で寝ている。


『マルタプライ・バイ・ザ・マジック・オブ・フローティング・イン・ザ・ホール・オブ・マイ・ボディ!!』


シェイドは難易度の高い魔術式は長くなり、難易度の低い魔術式になる程言葉が欠落し魔術式が短くなると言っていたが、確かに詠唱してると長く感じた。タロウ全体に透明の靄がかかると次第に靄を囲んで白く光りだし、それにヤエが後ずさりしながら杖を前で構えている。するとタロウの足元がふわりと浮かんだのが目に入るとヤエが素早く反応し、杖を回して術式をと急いで唱え始めた。


『マイ・ハンド・フラッシュ・ボム!』


ヤエは光の玉みたいなものをタロウに向けて投げると何かが割れた音がしてから光が爆発した。だがそこにはタロウはいない。ヤエは光の玉を投げた場所からウサギのように跳ねてその場から離れるが、視界から消えたタロウを探していると竜がきたのかもしれない、と上を見渡していると確かにそこにはタロウはいたがそこに竜はいない。つまりタロウは空を飛んでいるということだった。足は雷のごとく白く光っている。ヤエは目を丸くしているがそんなこと気にせずに今の魔法を発動しながら、次の魔法を撃とうとしているタロウがいた。銃を構えてヤエに標的を定めると魔術式を唱える。


『ハンド・ライフル・ゴースト・バレット』


バン、と大きい音が鳴ると予想通りのヤエは身構えるがココと同じようにどう守ってもすり抜けてしまうので隠しようがない。ヤエはそのまま撃たれて体を氷のように動かさずに倒れてしまった。魔法を解除せず、ゆっくりと地面に降下していったタロウの頰には汗が流れており、教師がもう驚きを見せずにただ青空を見上げて気力のない風に言った。


「勝者………タロウ……。」


顔を青くしてタロウの方の手を軽くあげる教師はどこか諦めているような表情をしていた。観客席の方にいるクラスメートの半数はタロウの実力を知って虐げる目を向けるのをやめ、普通の人を見るような目を向けてくるようになり、残りの半数はザウティスの取り巻き+カースト制度の低層にいる人々は今のタロウを見てもインチキだ、とかそんなのたまたまだ、とか何か無理やり理由をつけてタロウの実力を認めないまま、そのタロウを虐げていた。そしてカースト制度の高層にいるヤエがタロウに負けたことにより、ヤエの友達や元ザウティスの取り巻き、マウンが戦慄していたのは言うまでもない。シーンと静まりかえる試合場に仰向きで倒れたヤエはすでに意識がないと思われ、呆然と突っ立っているタロウは目を虚ろ虚ろにしながら周りの景色を見ている。すると何故か真っ暗闇の世界に身を投げ出され、体の感覚をその暗闇に奪われると立っていることもできなくなり歪む視界の中、最後にタロウを虐げる目を向ける人々のいる観客席を前に遂にタロウは目を閉じて前に倒れこんだ。








嫌なんかあれですね。タロウがサクッと終わらせちゃってクソつまんないですね。サクッとならないように試行錯誤してきますのでどこか変だったら感想で変とお伝えしてもらえると嬉しい限りです。そして毎度の………よければ感想、ブクマを……、もっとよければ評価を………って高望みですね……はい。

次回もよろしくですー。(絞りかす程度の声)

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