おまけ1 友達少女の観察
高校の同級生だった友人ちゃん(ギャル)とお出かけする話です。
(あれ…この子…)
超ひさしぶりに会ってまだ五分もたってないけど、
なんか全然違う感じがする。
どこが変わったん?って聞かれたら困るけど…
なんだろ?
雰囲気?
でも、
見た目は二年くらい前と全然変わってない。
洋服は、ありきたりな無地のシャツ 。
髪の毛も軽く整えましたー程度だし、
メイクもめっちゃ薄い 。
あと、髪も染めてなかった 。
正直、
大学デビューとかしなさそうっていうのは
ちょっとだけ思ってた。
話し方も、高校の頃から変わらずって感じ。
最初詰まるし、話1ターンで終わっちゃうけど、
この子ちゃんと反応してくれるんだよね~
テンション低いは低いけど、
いじった時とかも変に怒ったりしないし。
それに、この子といると空気読んで発言しなくていいから、
居心地よくて好き。
…じゃあ空気感も変わってないな。
でもなんか…
前よりもこっちを見てる気がする。
あ、目が合うんだ
あと、笑顔?
も、体感前より多い?
他はいつも通りのはずなんだけど。
…
え、何?
もしかして、
彼氏でもできた?
まさか、この子に?
「…ど、どうしたの?そんなに見て」
「うーーーむ…」
…いやでも、浮ついた感じしてないし、
そんなんじゃない気がする。
なにそれ、
逆に気になるんですけど。
あと、
これまた気のせいかもだけど、声明るくね?
あんなに喋るの苦手そうだったのに…
ほ、ほんとに何があったんだろ。
「…ねえ」
「…うん?」
「そ、そろそろ行こ」
「あ、そうね」
そんなもやもやを抱えながら、一緒にカフェに向かった。
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いつもこういうところでは、
あたしがまとめて注文してきた。
だってこの子そういうの苦手そうだったし、
知らん人が来るとあたしの後ろに隠れちゃうから。
でも…
「いらっしゃいませ!ご注文はどうなさいますか?」
「…え、ええっと、」
もうその時点でびっくりして、
すごい速度で横を見る。
え、この子自分でいこうとしてる?
マジ、平気?
「…ぁ…ぇ…コーヒーフラペチーノの……グランデで…お願いします」
「コーヒーフラペチーノのグランデがおひとつで!」
「そちらのお客様は?」
「…えっと、じゃあこのバナナアフォガートフラペチーノのベンティで」
「バナナアフォガートフラペチーノのベンティがおひとつで、以上でよろしかったですか?」
「それでお願いします~」
普通にびっくりしすぎて、
自分が何頼もうとしてたか忘れちゃった。
この子、今自分から店員さんと話したよね。
ちゃんと顔、上げてた。
あ、すごいしんどそうな顔してる。
えー…
そんな無理する?
そういえば、
今日この子の方が前歩いてる気がするし。
…本当に、どうしちゃったんだろ。
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ストローを咥えつつじっと観察してみる。
やっぱり、話すときによく目が合ってる。
あと、さっきのこと。
最初はなんか違うなって思ってたけど、
やっぱりあたしの勘違いじゃないみたい。
じゃあなんで?
中身だけこんなにかわることある?
「そ、それでね、なんか、おじいさんに間違った道を、教えちゃったの」
「へぇ~…」
ヤバい、全然話が入ってこない。
なんでこんなに変わったのか
気になりすぎるが!
やっぱり男?
男なのか?
あ、てか今の会話さらっと向こうから始めてたな。
やっぱりこの子、前より積極的になってるわ。
…ちょっとジャブ打ってみよ。
「あ、てかさ~聞いてよ!最近あたしの彼氏LINE雑でさ~マジ、
もう返事の文言がぜんっぶ適当なの」
「…た、大変だね」
「どう思う~?倦怠期ってやつなのかな~…」
マジ話をしつつ、彼女をチラ見してみる。
いつもなら、だいたい愛想笑いとかで終わるはずだけど…
…
…なんか、遠く見てる?
「……彼氏さん、きっと安心、してるんだと思う」
「……え」
「…す、好きな人が近くにいるって、とっても安心できて」
「でも、それが当たり前…に、なっちゃって」
「雑、なんじゃなくて…えっと、信頼?」
「…その彼氏さん、とってもあなたのことが好き、なんだと思う」
「…えっと、だから…うーん……」
「……いやちょ、ちょっと待って、なにそれ。」
「?」
一個一個が思いついた瞬間言ってみました!みたいな感じ。
きれいにまとめられてる訳でもないのに。
……あたし、圧倒されちゃった。
ちょい待ち、前こんな考え方してなかったでしょ。
しかも、あたしそんな、
信頼の裏返しだなんて、想像したことすらなかったし。
信じらんない。
それに、吃ってるのに芯が通ってる感じがする。
なんか、難しいんだけど、
芯?っていうか、根拠?
覇気っていったほうがいいかも。
とにかく、この子の言葉、妙に説得力があるわ。
…ただ彼氏ができたってだけで
こんなに変わるものなの?
それとも、 他になんかあったのかな?
うーむ…
なんかどんどん謎が深まってく。
あー、もうそろそろ二時間か…
「ね、そろそろ行こ~」
「あ、う、うん」
今日中に手がかりつかめたらいいんだけど。
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その後、
ショッピングモールとか、近くの公園とか行ったけど、
もう全然わからなかった。
とりあえず分かってるのは、
前よりも話すの怖がってない。
吃るのは治ってない 。
言葉に説得力を感じる。
この三つだけだった。
どうしたもんか…
直接聞いてみる?
でもこの子、
自分の変化に気づいてなさそうなんだよね。
わ、わかんない…
そこで、ちょうど夕方のチャイムが鳴った。
「あ、じゃあそろそろ帰ろっか」
「そ、そうだね」
タイムリミットかー…
うわーどうしよ。
ダメ元で聞いてみる?
でも直接「めっちゃ変わったけど彼氏でもできた?」とか聞くのはなんかな…
…
…ちょっとくらいなら攻めてみてもいいかな?
「ね、なんかさ、前とめっちゃ変わったよね」
「え?」
「…わ、私が…?」
やっぱり自覚ナシか。
「そ、久しぶりにあったけど、ほんと別人みたいに見えたわw」
「べ、別人…」
「うん、いやマジで。話し方とかぜーんぜん違う。
もうめっちゃ明るく感じた。」
「……そっか…」
「…」
あれ、黙っちゃった。
なんか余計なこと言っ_
…ちょ、ちょっと、ちょっと待って、何その幸せそうな顔。
何その、「彼氏にしてもらったこと思い出してますよ顔」
え、え、
マジ?
マジで?
マジで男?
ほぼあたしの妄想だったのに?
うそ…
てかじゃあなんでオシャレ全然してないの?
そしてこの子変えたの、誰だ?
先輩とかか?
この子静かだし、もしかしたら先輩に強引に迫られたりして…
ハッ
まさか、実はもういろんな人と付き合ったり別れたりを繰り返して…!?
そんなこと考えてたら
「…あ、ご、ごめん。ちょっと考え事してた。」
あ、またその笑顔…
「……えと、私ね、たくさん、貰ったの。」
「貰った?」
「うん。…それで、その、いっぱい返したり、また貰ったり」
「あと、私のかたち、認めてあげなって」
言葉めっちゃバラバラだけど、
なんとなく言いたいことはわかる。
「じ、自分では、変わったの、全然わからないんだけど…」
「…私…よかった」
…っ
か、かわいいーー!!
何そのふにゃっとした笑い方! !
え、え、マジで可愛すぎるんですけどw
ヤバいこの子こんな顔するんだ!!
してもらったこと、思い出してるのかな!?
え~!マジで可愛い!!! ヤバい!!
この子のこと、こんなに絆せる人いるんだ!!
…
ふぅ…
あー
…なんか、全部どうでもよくなってきたわ。
大学別になったとき、
この子やっていけるのかなって思ってたけど。
なんかあたしよりも、
よっぽどいい人に巡り合えたみたい。
ちょっと複雑だけど!
「ね、今日は来てくれてありがとうね」
「え、さ、誘ったの私……」
「いやいや。いいもんいっぱい見せてもらったからw」
そこで、ちょうど駅に着いた。
「じゃーねー」
「うん…あ、ありがとうね」
そう言って別れた。
あの子が逆側のホームに歩いてく。
なんか、不思議な感じ。
見た目とかは全然変わってなかったのに、
別人すぎてびっくりしちゃった。
歩き方見てて思うけど、
やっぱり前と明らか違う。
……
いや~
男、だったなあ。
どうやって知り合った、とか。
普段何してるの、とか。
あとはどうやって絆されたの?
とか聞いてみたいかもw
笑顔、めちゃくちゃ可愛かったし。
あの子の根っこをあそこまで変えるって、
いったいどんな人なんだろう…
そんなことを考えていたら、電車がやってきた。
…次会ったときに絶対全部聞いてやろ!!
そうして、あたしは電車に乗り込んだ。




