第31話 海中の生活
メリークリスマス!
今日も読んでくださってありがとうございます!
ー作業開始から3時間後ー
ボーオオーーーー!
「「「終わったーー!!」」」
エラに頼まれた最後の魚の群れを追い出すと俺たちは雄叫びを上げた。
いやー疲れた。もう当分は笛も見たくない。たとえそれがリコーダーだとしてもだ。この世界にリコーダーがあるのかは知らないが。
結果的には他の人魚の人たちにもサポートをしてもらって速やかに追い出し作業をすることが出来た。これだけやれば、しばらくはオセアンの漁師たちも魚を捕れるだろう。
またここに魚が戻ってきて取れなくなってきたら人魚の人たちにお願いしよう。
「みんなお疲れ様ー!やっぱあんたらはすごいなぁ!ホーラ貝を始めからあんなにうまく使いこなせる人は人魚にもそうおらんで。うちは初日でマスターしたけどな!」
何故この流れでエラはドヤ顔出来るんだ?
「褒めるのか自慢かどっちかにせえ!」
しまった!エラの口調が移ってしまった。
「タクミ、ええツッコミやで!その意気や!まあ、そんなどうでもええことは置いといて早くオカンのところにお昼ご飯食べに行こう!」
どうでもいいといわれたのはショックだったが、それを気にするよりも先に腹ごしらえだな。
ーーーーー
「あらお帰りなさい!今日は疲労回復にもってこいのスペシャルな料理を用意したわよー!」
エラの家に戻るとエラママがもう料理を準備して待っていてくれた。
早速料理を見てみると、人数分の鍋がテーブルに並んでる。昨日と同様にテーブル上の泡に顔を入れるとモクモクと湯気が立ち上っていた。
「「「いただきます!」」」
全員が席に座るとすぐ、食事が始まった。真っ先に蓋を開けると中身は鶏肉鍋であることがわかる。
味はついているようだったので一口頬張ると、鶏肉の味が口いっぱいに広がってうまい。
あれ?これ鶏肉じゃないのか?もちろん美味しいのだがコラーゲンのプルプルしている触感が鶏肉とは違う後味を感じさせる。
「この肉はなんですか?鶏肉とは少し違う味がするのですが?」
「タクミ君これはルッポンっていう魚を使った料理なの」
ルッポン、ルッポン、、、スッポンか!俺は食べたことがなかったから気づかなかったがこれがスッポンの味なようだ。
「この肉を食べると疲労回復や体力増加、それに美容効果があるのよ!だからたっぷり食べってって!」
エラママが教えてくれた。今食べるにはもってこいだな。
「「美容!?」」
女性陣の目つきがマジになった。瞬く間に目の前の料理を平らげていく。
まあ、俺には関係ないなと思いつつ自分の鍋に手を伸ばすと
「ねえ、タクミ君?」
隣に座っていたソフィアが声を掛けてきた。急に君付け呼びなんてどうしたんだ?
「タクミ君はもうお腹いっぱいなの?」
お腹いっぱいなわけがない、まだ鍋一口しか食べていないんだぞ?
「まだこれ」
「タクミ君ってば小食なんだから!しょうがないから私が食べてあげる!」
そういってソフィアが自分の空にした鍋と取り換えようとし始めた。てかもう自分の食べ終わったの!?
「そんなことしな」
「ソフィアさんも無理してタクミ君の鍋まで食べる必要はありませんわ!でもせっかく作ってくださったものを残すわけにはいきませんし、わたくしが食べますわ!」
オリビア、お前もか。
「二人とも、俺が自分で食べ」
「「何かいいました?」」
二人が一斉に俺の話を遮った。にこやかな表情のはずなのに目が笑っていない。ん?アカリの魔法の効きが薄れてきたのかな?寒気がしてきたぞ。
「、、、どうぞお食べ下さい。」
もう屈するしかなかった。
「「もう、しょうがないわね!」」
と言いながら結果的に二人が俺の分を食べてしまった。またアカリの魔法が切れてきたのかな?今度は視界が霞んできたぜ。
この時たまたまライアンをみると、ライアンも寂しげな表情をしていた。
その目線の先には、、、空っぽな鍋があった。お前もルーシーとステラにやられたんだな。
衝撃的なことにエラパパの鍋も空っぽになっていた。あなたこの村のリーダーなんじゃないの!?
その結果、男3人はもう一つのメニューであるナマコの酢漬けを黙々と食べることになったのは言うまでもない。もちろんそれも美味しかったけどね、、、
ーーーーー
今日の仕事は終わっていたので後の日中はエラや人魚の子供たちと一緒に遊んだりして過ごした。
俺が一番楽しかったのは水中サッカーだな。ボールが水中に浮いていてくれるから今まで漫画やアニメでしか見たことがないような技も決められたし。
でも子供たち相手にボロ負けしました。はい。
そのあと夕飯をご馳走になり、就寝の時間になった。多分日本では経験できなかったであろう水中宿泊だから俺としてはかなり楽しみだ。
「まずは女の子の寝室やでー!」
エラが寝室のドアを開けて中に入れてくれた。俺とライアンも見学ということで入れてもらう。
「「「おーーー!」」」
俺たちは歓声をあげた。まず目につくのがホタテの貝殻の中にあるベットだ。貝殻もピンク色でとても可愛らしい。
そして周囲には色とりどりの熱帯魚が楽しそうに泳いでいる。天井部分には泡に包まれた炎があり、明るく全体を照らしている。理想的な部屋だ。
「すごーい!あたし気に入った!」
「うちも好き!」
「素晴らしいですわ!」
「私こういう部屋に泊まるのが夢だったの!」
女性陣は大はしゃぎだ。ルーシーとソフィアなんかそのままホタテベッドにダイブしたよ。
これは俺たちの方の部屋も期待できるぞ!
「さあ次は男子の部屋やで!」
女子部屋の見学を終えると次は俺とライアンが泊まる部屋の前に来た。なんだかドキドキするな。
ついにエラが勢いよく部屋のドアを開く!
「「「おーー!、、ってナニコレ!?」」」




