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アタシと出会い

今回は長めです。

 ミッチと出会ってからしばらくが経った。彼女がアタシと友達・・・元い『家族』になったおかげか、前よりも住み心地がよくなったし、覚えてないけど多分生きてた頃のように、アタシは笑うようになった。・・・唯一アタシのオタトークにミッチがついてこれないのが残念だったけど・・・。ミッチ相手じゃ不満だからというわけじゃないけど、幽霊になってからアタシは心置きなくオタトークができる友がほしいと心から願った。


 その願いが偶然叶ったのはある日のことだった。


 「そーいや今日は『魔〇少女リリ〇な〇は』の最新シリーズの放送日だったっけ。今日もミッチの部屋で見せてもらおうかなー。」


 と思っていたら部屋のドアが急に開いた。それに驚きアタシは慌てて隠れた。・・・しょうがないじゃん。こっちは脅かす気がないのに・・・。部屋に入った瞬間幽霊と遭遇なんて向こうだって嫌じゃん。ミッチだったらチャイムを鳴らしてから入っている。誰が来たんだろうと物陰からこっそり見てみると・・・










 一人の男の人が来た。


 荷物から見ておそらくは入居希望者だろう。ルックスは・・・悪くはない。『可もなく不可もない』・・・そう連想させる人だった。

 しかしその人の荷物を見た瞬間、アタシはこっそりながらも喜んだ。なんとその人の荷物には・・・


 大量のアニメグッズやコミックが埋め尽くされていた!!それを見たアタシは確信した。


 (この人・・・アタシと同類・・・オタクだぁぁぁぁぁぁ!!!)


 けれど喜びと同時に不安も感じた。もしこのまま姿を表したらきっと、この人も悲鳴を上げて逃げるだろうと。今までこの部屋に来た人たちと同じように・・・。今まではこの部屋にやってきたオタクたちがアニメを見ていて、思わず姿を表してしまったから逃げられたけど、今ではミッチの部屋で見れるから多分問題はないか。


 (さーて、『な〇は』が始まる時間まで一眠りしようっと。)


 そう思いアタシは瞼を閉じ、眠りについた。





 (うーん・・・。よく寝たー。)


 眠りから覚めたあたしが時間を確認すると・・・


 (うっそ!?もう始まる時間じゃん!!)


 どうやら少し寝過ごしてしまったようだ。このままじゃ見れないと思ってふと横を見ると、件の男の人が『な〇は』を見ていた。


 (あっ始まってるー。面白そー。)


 このとき以上に自分のうっかりさを呪った時はなかった。アタシはうっかり普通に出てきてしまったのだ。


 (ししししまったーーー!!)


 しかし時遅し、アタシの気配を感じたのか男の人は振り返り、そしてアタシの姿を捉えた。


 「うわあぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!」


 案の定その人は悲鳴を上げて腰を抜かした。


 (ああ・・・この人も逃げていくんだな・・・。)


 と思っていたら、その人は予想外の態度を見せた。


 「ま、ま、ま、待ってくれぇぇぇ・・・。い、今はまだ呪わないでくれぇぇ・・・。このアニメだけはぜぜ、絶対に見逃せないんだ!これを見ずに俺は死ねないんだ!だから頼む!殺さないでくれぇぇぇーーー!!!」


 ・・・はい?こ・・・これはさすがに予想外だった。自分よりアニメ優先とは・・・。でも、その態度を見たアタシは・・・


 「いいよ。そもそもアタシもそれを見るために出たんだし、それ以前に呪う気もないよ。」


 といった。そしてしばらくその人と一緒に『な〇は』を見た。

 それからしばらくして、その人が『烏間 浩一』という名前なのと、やはり自分と同じオタクだというのがわかった。そしてあたしは、


 「えっと・・・。まだこの部屋にいてもいいかな?まだアタシ成仏できなさそうだし。それに、まだ見たいアニメたくさんあるし・・・ダメ?」


 とダメ元で頼んでみた。なんだかこの人と一緒にいると安心することができる。幽霊なのに生きた心地がする。多分生きていてもそんな感じがする。根拠はないけどなぜか確信を持っていえる。そしてその人は・・・










 「いいよ。」










 と言った。それを聞いたアタシは泣きそうになるのを我慢し、


 「・・・ありがとー。」


 と言った。これが精一杯だったのだ。


 その後も雅 雫おねーさん崎宮 光おうじさまもやって来て、その二人もアタシのことを受け入れてくれた。・・・主に悪い意味で。でも何時しかこのマンションは少しながらも賑やかになった。





 これがアタシとおにーさんとの出会い。


 きっとこの人と一緒なら、アタシは楽しく過ごせる。

次回は雫さんの物語です。

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