第8章:計画実行前日(上)
「いよいよ明日ね…」
プリムは呟いた。
「お城の人達に伝えたの?」
ソフィアは聞いた。
「ううん。言ったんだけど、騎士団長がそんな事をするハズが無いって聞いてくれなかった」
プリムはしれっと言う。
「お兄ちゃん…大丈夫かな…」
ソフィアは森の方角に視線を送る。
今は、ソフィアもプリムもランドの家に寝泊まりしていた。
「うん…」
プリムは小さく返事をする。
いつの間にかソフィアの敬語が無くなっているが、そこは気にしない。むしろ、やっと敬語で話さなくなり少し嬉しかった。
プリム達は、3日前にランドを森に置いてきてから一度も森へ足を踏み入れて無い。
ランドの調子が良くなっているのか悪くなっているのかさえ分からなかった。
ソフィアだけは、自慢の鼻でランドが森に存在していると言う事だけは感じていた。
「ランドってさ、こーゆー空気を読まないで、いきなりオーッス!とか言って帰って来たりするでしょ?」
「本当、お兄ちゃんって周りの空気が読めないんだよね」
2人は初めて意気投合したかの様に笑いだした。
「クルシスの花をもらった時もすっごい真剣に話すから、期待しちゃったのに…結局最後はオチを付けて来たりしてさ」
「そうそう!何で、永遠の…ってその後を言わないの!って感じ」
「ランドが一番最初に獣人化した時も、もう姿を見せる事は無いだろう…とか言っておきながら、普通に姿を現したし」
プリムはランドのモノマネをしながら話す。
「お兄ちゃんのオトボケはクルシス母さんの力でも治らないんだね」
「本当よね…(以下省略)さんの血をかなり濃く受け継いじゃったのね」
プリムはため息をつく。
「本当、今回もオトボケで済んでくれたら嬉しいのにね」
ソフィアもため息をついた。そして、空を見上げて呟く。
「いよいよ明日か…」
一方、森の中でランドは苦しそうにのたうち回っていた。
「ぐ……あああ……ぎ……がぁっ…」
ランドの頭の中で起こる残虐な感情。頭のなかで『人間を殺せ!』と響き渡る。
「くっそ……負けるか……やっと…記憶が戻っ……てきたのに…」
ランドは湖の水の中に飛込んだ。冷たい水がランドの体を冷やす。
「くそっ…俺から…出ていけ……ガボッボボボ」
水の中で声を出したせいで息継ぎが出来なくなり、そのままランドの意識は遠退いて行った。
しかし、意識は無いのだが何か声が聞こえる。ランドはふと目を開けた。
『ランド…ランド』
ランドは底に着き水面を見上げると、幻覚なのかクルシスの姿が見えた。
『ランド…ランド』
(母さん…俺、もう駄目だ…。母さんの所に行っても良いかな…)
『ランド…こっちに来ちゃ駄目。あなたにはまだやることがあるでしょ?』
クルシスはランドを見つめている。
(やること…?キッシュを倒す事?)
『違う…この国を守る事よ』
(この国を守る事…)
『そう…あなたは私の息子なの…ロクサスだってそんな弱気な事は言わなかったわ』
(ロクサス兄さん…)
『ランドは私とロクサスの魂を宿してるのよ』
(そうだ…俺の体には母さんと兄さんの魂が入ってるんだ)
『今、あなたの中でロクサスがランドを苦しめる狂気と戦ってるわ…あなたが諦めてどうするの?』
(兄さんが…そうだ!兄さんが一緒にいるんだ)
ふいに水面にもう1つの幻覚が現れた。
(兄さん…!!)
『ランド!お前の中の狂気は俺が食い殺してやったぜ!お前にも勝てなかった狂気にな!やっぱ、俺が最強じゃん?』
(兄さん…ありがとう…)
『ランド…さぁ、仲間の所へお帰り…ソフィアにヨロシクね』
(母さん…待って!)
クルシスの体が消えていく。ロクサスはランドの目の前まで来た。
『ランド!聖なる狼は、必ず1つ特殊能力を持っている。
雌は、傷を癒す力。
雄は、守る力。
俺の力を使え!俺の力は…』
(水を操る力!)
湖の水がランドを中心に裂ける。ランドは立ち上がり空を見上げた。
「兄さん…ありがとう。俺の最後の勇士、見ててくれ」
ランドは水で階段を作ると湖の畔に足を着けた。
湖の中の水は、戻ると静かに波を打った。
「ありがとう…母さん、兄さん。いってきます」
そう言い残し、その場を後にした。
「プリムちゃん!ソフィアちゃん!ご飯出来たわよ!」
ルナが叫ぶのが聞こえた。プリムは適当に返事をすると、部屋から出ていく。
「さぁさぁ、食べて食べて!」
と机の上に料理が並ぶ。また凄い量だった。
「母さん…また作りすぎただろ」
ソルが文句を言う。
「文句を言うなら食べなくて良いわよ!」
ルナが怒る。いつもの癖で、ランドの分まで多めに作ってしまうのだ。
プリムはそんな2人を見ながら笑った。
「まぁ、俺が食うから良いじゃん」
とランドが言う。
「そうよ!ランドが食べるから、残らない……ランド!?」
ルナは目を見張った。全員の視線が集まる。
「オーッス!…どしたの?」
ランドは片手を挙げて固まる。
「ほら…空気読めないでしょ?」
プリムは呟いた。
「やっぱり、お兄ちゃんに真面目な事は似合わないのよね」
ソフィアも呟いた。
「どーしたんだ?飯食おうぜ!腹減っちったよ」
ランドは腹を抱えて言う。お腹の叫び声も聞こえてきた。
「母さんの飯、久しぶりだなぁー。何かと何ヵ月も食って無いや」
そう言うと我慢が出来なくなったのか、目の前にある物からがっつき始めた。
「この前までのランドはどこに行っちゃったのかしらねぇ」
ルナはランドを見ながら呆れる。
「お母様、ランドにシリアスを演じさせても無駄ですよ」
「そうそう!お兄ちゃんからオトボケを取ったら何も残らないもんね」
「さすが、我が弟って感じっすね」
「同感」
みんなは呆れ果てて口を揃える。
「いやぁ〜、そんなに誉められると…」
ランドは真面目に照れる。
「誰がこんな風に育てたのかしら…親の顔が見てみたいわ」
ルナはため息をついた。
「ん…ちょっと待って」
ランドは口の中の物を水で飲み干すと、獣人化をする。そして自分の顔を指さして
「こんな顔」と話した。
「と言っても、俺が6才になるまでだけどな」
笑って答えた。
「ねぇランド。クルシス母さんってどんな人…狼だったの?」
ルナはランドに視線を向けた。ランドは獣人化を解くと天井を見上げて何かを思い出す感じに話す。
「ん…っと、優しかったな。俺にも兄さんにも」
「他には?」
ソフィアは身を乗り出して聞いた。それもそのハズ、ソフィアもクルシスやロクサスに育てられたのだが、まだ子供だったせいかあまり家族の記憶が無い。
「んー…俺が初めて狩りに成功した時に誉めてくれたし、俺が大怪我した時は優しく治してくれたし、俺が悪戯をしてロクサス兄さんを殺しかけた時は、厳しく叱ったり…そんな普通の狼だった」
普通の狼は、人間を育てたりしないがあえてみんなは触れようとしなかった。ランドにとって、狼とはみんな同じに見えるのかも知れない。
「ウチと変わらないっすね」
ソルは感心する。
「そうっすね」
ランドはソルの口調を真似して答えた。
「ほらほら、みんな!ご飯冷めちゃうから食べて食べて!特にランドは一杯食べなさいよ!明日は大変なんだから!」
自分から振った話なのに、ルナは少し怒り気味で叫んだ。
「はぁー食った食った!」
ランドは腹一杯食べ、自分の部屋に戻るとベッドで横になった。
「お兄ちゃん!食べてすぐに横になると牛になっちゃうよ!」
部屋の中は、ランドがベッドに飛込んだせいで埃が舞い少し咳き込んだソフィアは窓を開けながら言う。
「牛に?逆に強くなるかな?」
ランドは寝ながら聞き返す。
「ランド、牛になったら弱くなるわよ!動きは遅くなってしまいには、ルナお母様が食用と勘違いして食べちゃうかも…」
プリムは悪戯っぽく笑いランドに吹き込む。
「うっ…俺、母さんに食べられちゃうのか…。そうだ!母さんに用事があったんだった」
そう言うと、ベッドから飛び下りルナの部屋まで走って消える。
「用事って…何だろ?」
ソフィアはランドの後を見つめて呟いた。
「きっと謝罪を言いに行ったのよ。ほら、ランドがルナお母様を刺しちゃったじゃない?そう言う感じよ。ほっときましょ」
プリムはそっとソフィアに話すと椅子に腰かける。ソフィアも、椅子に腰かけて読書を始めた。
「母さん、入るよ」
ドアをノックしないで、声をかけて返事を待たずにランドはルナの部屋に入る。
ルナは、台所の片付けはソルやルルに任せ部屋でくつろいでいた。
「あら、ランド。そこら辺にお座り」
ルナの部屋は、こざっぱりしていてベッドが1つと箪笥が1つ置いてあるだけの小さな部屋を使っていた。
ランドはそこらへんに、座ると椅子に座るルナを見上げた。
「母さん、この前は助けてくれてありがとう」
「良いのよ。それに、ランドはほとんど自分で治したんだから」
「それから、俺を育ててくれてありがとう」
急にランドは真剣な面持ちに変えて言う。
「どうしたの?急に」
ルナは少し驚き気味に答えた。
「だってさ、俺が母さんの旦那を殺したのに、母さんは身寄りの無い俺をずっと育ててくれたじゃん」
「それを言うならこっちよ。ずっと、私の事を母さんと呼んでくれてありがとう」
いきなりのルナからの言葉にランドは口をパクパクさせて驚いた。
「ウチの旦那だって、アナタのお母さんとお兄さんを殺したのに。いや、むしろ殺さなければアナタはずっと本当の家族と幸せに暮らせていたのにね」
それは、そうかも知れないが…ランドは、少しうつ向いた。
「でも、こうして人間と触れ合って一杯仲間も出来た。それは、それで良かったのかも知れない…かなっ」
ランドはあまり物事をネガティブに考えるのを辞めた。
「ふふっお互い様ね」
ルナは少しにっこりと笑う。そして、ランドが急に静かになった。少しの沈黙を得て再びランドが口を開いた。
「母さん…本当にありがとう」
「どうしたの?ランド…そんなお礼ばっか言って」
ルナはランドに視線を向けて驚いた。ランドはボロボロと涙を流し泣いていた。
「ちょ…ランド!どうしたの?」
ルナはあまりの出来事に、体が硬直して動かなかった。
「母さん、俺、人間かな?狼かな?」
ルナは少し考えた。
「アナタは人間よ」
「俺は人間だよな」
「そう人間よ。そして、狼でもあるわ」
ルナは落ち着いて1つ1つ言葉を選ぶ。
「狼でも?それは魂の事か?」
「違う…体は人間で心は狼。でも、気持ちは人間と狼」
ルナは体の硬直が取れてランドの前に座り直した。
「そっか…俺は人間でもあるし狼でもあるのか」
ランドは笑顔で答えた。
「そう…。アナタは、クルシスにとっても私にとっても大事な息子なのよ」
ルナはランドの頭を撫でた。ランドは少し嬉しそうにしていた。
「母さん、ありがとう」
「もう良いのよ」
ルナが答えるとランドは首を横に振る。
「母さん、俺…俺、明日昔の仲間を殺さないといけないんだ」
プリムから聞いたキッシュの事であろう。ルナは感づいた。
「ええ知ってるわ」
人間は出来るだけ最後まで殺さない!と言っていたランド。しかし、最初から殺すと宣言すると言うことは、それぐらいランドは追い詰められているのであろう。
「殺すと言っても、本当に殺せるか分からない」
「昔の仲間だったから?」
ルナの問いにランドは首を横に振る。
「良くて相討ち…悪くて半殺し」
"相討ち"その言葉を聞きルナは思った。どちらにせよ、ランドは助からない?
「俺、アイツの中にある魂を食べる。そうしないと勝てないんだ。魂を宿すと魂の元の持ち主の力を得ることが出来る。俺はクルシス母さんとロクサス兄さんの力を得た…アイツは、黒龍の火を吐く能力とグランドドラゴンの再生する力」
「再生する力?」
「そう…再生するんだ。俺がキッシュを殺しても再生する。アイツは何度でも生き返られる」
「それじゃ…倒す方法なんて無……っ!?」
ルナは言葉の途中で気付いた。ランドの言葉…魂を食べる。
「そう…破壊は出来ない。方法は俺の体に魂を強制的に宿す!」
「そんな事をしたらランドが…」
「ああ…すでに持っている魂が拒絶反応を起こして、俺の肉体は崩壊するだろうな」
つまり、勝っても負けてもランドは死ぬと言う事だ。
「他に方法は無いの?」
ルナは叫んだ。しかし、ランドは首を横に振る。
「方法はそれだけ…だから、最後に母さんに礼を言っておこうと思って」
ランドは目を伏せた。
ルナはその場に泣き崩れた。
「母さん…ありがとう。そして、ごめん」
そう言い残すと、ランドは部屋から出ていこうと立ち上がる。
ルナはランドに視線を向けた。
「あの子達には伝えたの?」
ランドは首を横に振った。伝えないで行くつもりだろう。
「私も黙っていた方が良いの?」
ランドは頷いた。
「そう…でも、何も知らされないでそんな事が起こったら、あの子達…怒るわよ」
「それでもいい…。俺が死ぬなんて事を聞いたら、きっとアイツら全力で俺を止めるだろ?」
ランドは少し笑って答える。
「そうね」
ルナも笑って答えた。
「じゃあ、俺、部屋で休んでるから何か用があったら何でも言ってくれな」
そう言うとランドは回れ右をして部屋から出ていった。一人、部屋に残ったルナは窓の外を見た。
窓の外は、ちょうど森の入口が見える。
「最初にあそこにランドが倒れてたのよね。怪我だらけで、お医者さんは助からないかもって言ってて…でも、今は元気に育ってそしてこの国を救う英雄になるのね」
ルナの目に再び涙がたまる。
「あの子、ネズミとか食べちゃう癖があって最初は戸惑ったけど、今は慣れっ子ね」
一人で呟く。誰に話す訳では無く、ただただ呟く。一言話す度に、涙が流れ落ちる。こんなに泣いたのは久々だった。
旦那が殺された日…。
でも、それ以上にランドが死ぬと言う事実を聞かされた時。
ランドと過ごした13年間を少しづつ思い出した。初めて母さんと呼んだ日…初めてご飯を口にした日…初めて私にプレゼントをくれた日。
あの花…クルシスの花。今は、押花にして大切に取ってある。花言葉は、"永遠の家族"
ありがとう。
礼を言うなら私の方なのに…
ランド、私の息子でいてくれてありがとう。
ルナは、少し眠気を覚えたので少し眠る事にした。
「ソル!ルル!何か、手伝う事が無いかな?」
ランドは直接部屋に行かずに台所に顔を出した。
「ランドに任せられるのは、洗濯だけなんすけど終わってるから大丈夫っすよ」
ソルは周りを見渡して答えた。
「俺の方も大丈夫だぜ!それにランドは、明日忙しい身なんだからゆっくりしてろって」
ルルは何か作業をしながら言う。
「うん。分かった…ありがとう兄さん達」
ランドは少し目を伏せて礼を言う。
「おうっ!なんたって、俺達の弟は国の英雄だって自慢出来るからなっ!」
ソルは腕捲りをして叫ぶ。
「ああ…一生言える事だからなっ!」
ルルはやっと視線をあげてソルに合わせる。
「本当に!?本当に、一生自慢できるの!?」
ランドは嬉しそうに言う。
「あったり前だろ?お前は、自慢の弟であって、俺達の親分でもあるんだからなっ!」
「ソル兄さん、ルル兄さん…ありがとう」
「ランドが礼を言うなんて珍しいな…明日は雨でも降るかな?」
ルルは窓を開けて空を見上げた。
「はっはっはっ!間違い無いなっ!明日は雨だ」
ソルも空を見上げた。外は、白い雲1つ無い晴天である。
「そうかなぁ〜雨の臭いしないけどな…」
ランドも身を乗り出して空を見上げた。晴天。
「はっはっはっ…まぁ、物の例えだけどな」
ソルは大笑いしながら、ランドの肩を叩いた。
「でも、雨だったら良いのにな」
ランドはポツリと呟いた。そう雨だったら、ランドの力は2倍にも3倍にも膨れ上がる。
「じゃあ、俺、部屋に戻るから何かあったら呼んでくれよ」
ランドは、さっとドアの方に歩き出した。そして、視線を戻さずに礼をする。
「兄さん達…ありがとう」
そのまま、返事を聞かずに台所を出ていった。
「ランド…そんなに、雨を降らしたいのかな」
ルルが呟いた。
「今、ランドが泣いてた様に見えた」
ソルはランドが出ていった後を見て言った。
「そんな奇跡は起こらないだろ?ほら、仕事!仕事!」
そうルルは言うと、また作業に戻る。ソルは、首を傾げてから仕事に戻った。
「あれ?プリム帰ったのか?」
ランドは自分の部屋のドアを開けると、部屋にはソフィアだけが居た。
「ううん。プリムさんなら、クルシスの花を摘みに行ったよ」
ソフィアはランドの方に視線を投げながら答える。
「そうか…1人で大丈夫かな?」
「大丈夫だと思うけど、心配だったら見に行った方が良いわね」
ソフィアは窓に目を向けた。太陽の光が眩しい。
ランドは後ろからソフィアを抱き締めた。
「えっ?お兄ちゃん?何!どうしたの?」
ソフィアはいきなりの事で驚いた。
「ソフィアはいつも母さんの匂いがするな。クルシス母さんがいつも側に居てくれてる様な感じになる」
ランドは数分はソフィアを離さなかった。
「ありがとう…ソフィア」
ランドはソフィアを話すと後ろを向きドアの方に歩き出した。
「何か、お兄ちゃんっぽく無い!」
ソフィアはランドの方に向いて言う。
「ははは…そうかな」
ランドは視線を向けずに答えた。
「うん。いつもと違う気がする!何かお兄ちゃんじゃ無い様な…さては、敵!?」
ソフィアは立ち上がりランドに向けて遊びの戦闘態勢をとった。
「ふはははは!良く気づいたな!私は、悪の魔王!邪悪狼だ!」
ランドは振り向き獣人化をする。
「今日こそは決着をつけてやるぞ!ソフィアマン!」
「邪悪狼めっ!世界に平和をもたらす為に、貴方を倒します!」
ソフィアはランドに飛びかかった。ランドは避けようともせずにソフィアを受け止めた。
「ギャァァァァ…流石だなソフィアマン。私の負けだ…」
ランドは言いながら獣人化を解いた。
「勝った!これで、世界が平和になるわ!」
ソフィアはランドの上で叫ぶ。そして、笑い出した。ランドもつられて笑う。
ソフィアはランドの上から降りると手を伸ばし、ランドを起き上がらせる。
「これで、私の23戦21勝ね」
ランドが勝つ日もあるらしい。
「ああ…次は負けないからなっ!」
そう言うと、ランドはくるりとドアの方を見た。
「お兄ちゃん…明日、頑張ってね!」
ソフィアは言うと、ランドは右手を上げて答えた。そして、部屋を出て森に向かった。




