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定例会議の“ジン”のダメージを見ると、“闇の鎧”と呼ばれている者は現状誰も対抗できないのじゃないかと思う。ジンは素行や態度、口調は決して良くないが、戦闘スタイルにとっては現在のメンバーでは右に出るものはいない。
そんな彼が“歯が立たなかった”と言っていたのだった、現状、完全体ではないものの、全盛期に匹敵するチカラはないもの、経験と実績で全盛期を越えていると考えていたので、制圧は可能であろうと思っていたが、外を覚えた犬が狂犬のようになってしまい、手がつけられなくなってしまった。
「現状、あの者を止められるようにしとかないと、後々障害になりえますね。」
そう言う男は金髪、金瞳を持ち、白いタキシードと、今のホストでも着ることに、抵抗するような目立つ出で立ち。暗躍を目的としているような者の格好ではない。しかもここは閑静な住宅街。
「“協力者”を懐にいれておきましょうか、誰がいいですかね」
ふと目を見てると朝イチで空気が澄んでいて、霧のような朝露が公園を包み込んでいる。そこに1人でハトにパンをあげている人がいる。
「おはようございます。少し、お話よろしいかな?」
男はなにも答えない。身なりは汚れている風を装っているが、彼からは不衛生なものを感じない。たしか、情報によれば…
「ああ、そうだ。ここのベンチ、夜はうるさいですか?」
男はパンをあげるのを止めて目線合わせずに
「お前さんそれをどこで…あんた何者だ?」
「おかしいですね、これであってるはずなのですが?」
「“そう言う輩”がいるから常に警戒はしてるよ。で?それまでして、この俺に何の用だ」
「まさか、“モナント”如きに試されるとは…」
白いタキシードの男は演技をするように、執事のお辞儀のポーズをして挨拶をする
「ふふ、面白いですね。これは失礼。わたくし“クロノ・スラスト”と申します。あなた方に解りやすく言うと人の形をした化物です。」
真名を聞いても驚くこと無く、下を見続ける。ただ、真名に呼応してハト達が一斉に飛び立ち、空気が重くなる。
「そんな人外さんがこんな浮浪者に何のようだ?盗るものも無ければ、命なんて失うのも怖くない。何なら今、持っていっても構わない。」
「謙遜をしなくても大丈夫ですし、その程度の変装では私を欺けませんよ。情報屋アラレ、いや緒方雹一元施設内管理部門 局長。」
緒方雹一と本名を呼ばれてもまだ、下を向いたまま微動だにしない。
緒方雹一は噂で聞いたことあった。監視塔の管理部門のトップが人外かもと言うことを…神出鬼没で人とはかけ離れた存在だと言うことを
「あの噂は本当だったのか。まあ、今となっては私には何の関係もないが。裏切り者を始末ですか?それは別に構わないですよ。茶番劇は付き合ってられない。私は皆を騙しながら生きていくことはできない。」
金髪の男は立ち上がった緒方と入れ替りに椅子に座る
「まさか、私はそんな無駄なことはしませよ。始末も連れ戻す事もしません。私が興味あるのは貴方が何故、“責任を感じている”のかと言うことです。」
「あんた達、化物にはわからないだろうな。俺には耐えられない。家族もみんな…全部」
「モナントでそこまで理解できているのは素晴らしいですね。“娘さんの影響”ですかね、こんなところで腐ってるがもったいないです。どうですか、手を組む気はありませんか?」
「あんた本気で言ってるのか?俺にあんたのチカラになれることなんて無いよ。」
白いタキシードの男は自分の顔を押さえて笑い出す。
「何が可笑しいんだよ」
「だってそうでしょう?“ネーヴェ”さんの敵討ちのノアスを探すなんて、モナント如きが無理に決まってますよ」
「お前が娘の名前を!…愛称を言うなっ!」
白いタキシードの男は笑いを止めて威圧を出して
「脆弱なモナントにできることなど限られている。けど、モナントから得られる情報も有意義な物もありえる。もちろん“情報を提供してもらえるなら”こちらも有意義な情報を提供しますよ。もちろん、自身が仇を討ちたいなら“チカラ”も与えましょう。貴方の知る忌々しいチカラですが」
雹一はうなだれたが、男を睨み付けるように真っ直ぐ見る。
「わかったよ。あんたの思惑に乗ってやる。で?あんたがほしいのは何だ?」
男は立ち上がって雹一目の前に手を出して握手を求める。
「まずは異能の者を集めてください。もちろんですが“塔”と関係ない者ですよ?彼らとは別の戦力を作ります」
雹一はタキシードの男の差し出した手をしっかり握り、協力の意思を見せる。タキシードの男は笑顔で
「では、よろしくお願いします。まず、依頼料の前払いです。貴方の求めるノアスは“固体識別No7 《巡礼を喰らう者/イータ・ペレグリナ)》”と呼ばれる上位のノアスです」




