第1章1話
まず初めに、
この物語はとある場所で公開していたものですが、その場所が無くなり消えてしまいました。
元々は某オンラインゲームのチームメンバー用に書いていたもので、登場人物はそのゲーム内のプレイヤー名となってます。
複数話で構成されていたので繋ぎ部分を修正しながら物語を更新していきます。
時事ネタが含まれており、現在では面白味がないかもしれませんがご了承ください。
本文の修正は公開当時のままで、一部補足を入れております。
二部構成で、第一部(2019年執筆)は5話、第二部(2020年執筆)は7話で完結します。
よかったら最後までお付き合いください。
2日に1回更新予定です。最終話の更新は7月9日22時に予約投稿済。
私の名前はkuva、どこにでもいる高校生で一般人だ。
部活は一年生の頃つまらなくて辞めてしまったのでいまは帰宅部に所属している。
とはいうもののこれから先に面白い物なんてあるのだろうか。
勉強もつまらない、部活もつまらない、学校に行っている意味が分からなくなってきた。
学校が終わり、別々の高校へ行った友人と電車の中で久しぶりに出会った。
中学の頃から一緒にゲームをやっていてスマホゲームも協力してやっている。
「久しぶり」と会話は始まる、ゲーム内では毎日というほど会っているが、こうしてリアルで会うのは何週間ぶりだろうか。。
「そういえば、このゲームやってる?」
「やってねーわ。面白いの?」
「まぁまぁかな。いまイベントがあってちょっとやってるんだけど、お前もやる?」
「そうだな、このゲームにも飽きてきたし」
と勧められたオンラインゲームをその日の夜やることにした。
「へぇ、こんなゲームだったのか。結構面白いな」
それから夜通しゲームをプレイし、その次の日も、またその次の日もそのゲームに没頭していった。
そんな毎日が続いた頃、ふと気づくと学校に行くことが馬鹿らしくなってきてしまったのだ。
引き籠るようになり、ゲームをやるために睡眠時間を削り昼夜逆転していった。
親は困り果てたが、私を止められるのは定期メンテナンスのみであった。
いい加減、親の怒りも頂点に達した頃にゲームプレイ中の私を叱るために部屋に入ってきた。
「か、勝手に入ってくるなよ!」
「kuva、お前、何を考えているんだ!」
「うるせぇあっち行けよ」
「親に向かってなんて口の利き方だ!お前なんて俺の子供じゃない!」
「なんだと!?」
親に殴りかかるとは愚かな事だと気づいたのは後になってからだ。
なまった身体では働いている親の力には勝てず、逆に殴り返されてしまったのだ。
吹っ飛ばされた身体は宙に舞い、柱に頭をぶつけてベッドの上に倒れこんだ。
「あ!お、おいkuva大丈夫か?」
動揺した親の声、その顔を尻目に意識を失う感覚が襲いかかる。
走馬灯が頭の中を巡った気がした。
「・・・き・・・か・・・・こ・・・・」
「ん?なんだ・・・?」
どこから聞こえているんだ?
「わ・・・のこ・・えま・・・」
「うるさいな、なんだよ」
「私の声が聞こえますか?」
「聞こえてるよ、ってあんた誰だ?」
「私は運命の女神、あなたを導きにここに来ました」
「女神ぃ?それが何の用なの?」
痛みに疼く頭に手をやりながら適当に答えた。
「あなたは現世で不幸にも死んでしまいました。しかしそれではあまりにもどうしようもないのでこうしてここに私がいます」
「死んだ?俺が?」
「そうです。私の独断ですが、これからあなたは別の世界で新たな生活を送ることになるでしょう。何をやってもつまらなかった世界との決別になってしまいますが」
「え・・・・まぁ・・・未練は無いっていえば嘘になるけど、そうなっちゃ仕方ないよな」
「それでは早速、この扉の外へ向かってください。そこがあなたの新しい世界です」
「えー、今から?頭痛いんですけど。後でいいっすか?」
そう答えたkuvaだったが、運命の女神の足蹴で扉に頭を打ち付けながら中へ入っていった。
kuvaが目が覚めると見知らぬ天井があった。
「あれ?ここは?俺の部屋じゃないのか?痛っ」
頭の痛みはあるようだ。
それにしてもここはどこなんだ?
立ち上がり見回すが見たこともない場所だった。
いや、見たことある。
ここはさっきまでプレイしていたオンラインゲームの中にあるマイルームと瓜二つなのだ。
「え?これ?夢?」
夢じゃない・・・どうして?
思い出せない。
焦る気持ちを抑えきれなかった。
冷静になろうとしたがどうにも難しい。
まずはトイレで出すもの出さないとな、トイレはどこだ?
・・・無いな。
鏡はあるな・・・・!!!!!!
鏡に映った姿を見たkuvaであるが、その姿は高校生の姿ではなく長い髪をした女の子の姿をしていた。
kuva「なっ・・・」
待て待て、俺がこんな姿をしているわけじゃないだろ、夢だ、これは夢。
言い聞かせるも夢から覚めることはなく、その姿のままだった。
混乱したが、少し冷静になってきた。
鏡をよく見ていたら自分の姿をどこかで見たことのあるキャラクターとそっくりなことを発見した。
kuva「よくみたら俺、みたんだよな、かるーあみるくの元マスターの」
そうなのだ、俺はかるーあみるくの元マスターのみたんになっていたのだ!
kuva「どうせならショートカットで眼鏡キャラのほうが良かったな・・・」
そう思うkuvaであった。
●「かるーあみるく」とは、「かるーあ国」という国の「みるく」という地域を統治しているオンラインゲーム内のチームである。
かるーあ国にはみるくの他に「モカ」という地域があり、kuvaはモカに属していた。
この国には各々チームのトップであるマスターが存在し、「みたん」はみるくの元マスターである。
ということで、その元マスターみたんになってしまった私は状況を理解すべく町の中を歩き回るのであった。
元々有名な人であったので知名度は抜群で、どこに行っても声を掛けられるのであしらうことで精いっぱいである。
ナナリー「あ、みたんさん聞いてくださいよ!」
誰かがけたたましく話しかけてきた。
ナナリー「一日に必要なカロリーは角砂糖100個くらいらしいんですけど、タピオカミルクティでその四分の一も撮れるってミラクル飲料じゃないですかね?」
女子力が試される質問には全く答えることはできなかった。
そんな中、核心を突く質問が飛び込んできた。
「龍討伐はどうなってるんですか?」
みたん「龍?」
詳しく聞くと龍が他国を襲い人々をさらっていっているという。
かくいうかるーあ国も例外ではなく、家臣やマック姫達も捕まっているという。
なるほど、ファンタジーの世界ではよくある設定だな。
それで私がその姫を助けに行けばいいのか?
やだなー怖いなー。龍だってよ龍。
絶対に死んでるよ、こんなのやめてだらだらしてたい。
そんなことを考えていたら頭の中に直接語り掛ける声が聞こえたのだ。
運命の女神「マックは生きてますよ。助けに行きなさい」
お節介な女神野郎だな、もうちょっと音量を低く設定できないのかね、頭が割れるくらいに痛いいわ。
で、なになに、生きてるから助けに行け、か。
行かないと進まないのか。ホント、気が進まないなぁ。
みたん「その龍ってどんな色してるんだ?」
「黒かったようです」
みたん「肝臓でも悪いのかな?」
「私は黄色って聞きました」
みたん「みかんでも食ったのかな?」
「赤じゃなかったっけ?」
みたん「怒ってたのかな?」
「白っぽいよ」
みたん「お前ら、実物みたんか?モノホンみたんか?」
誰も見た物はおらず黙りこくるばかりであった。
誰が正確な情報を持っているのかわからない、重役なら知っているだろうか。
そもそも重役がどこにいるかも知らないぞ。
とりあえず役所に行けばいいか。
思い立ったがなんとやらで、役所にはこの地域に詳しい宰相のニコがいた。
これは話が早いぞ。
ニコ「これはみたんさん、ようこそ」
みたん「早速だけど、龍について教えてくれ。何か情報をつかんでるんだろ?」
ニコ「ええ、立ち話もなんなんでこちらへ」
ニコ「状況は芳しくありません」
みたん「そうだろうな」
ニコ「騎士団と討伐にでたマック姫も今は行方不明になって現在捜索中です」
みたん「龍の居場所は分かってるのか?」
ニコ「ええ、逃げ帰ってきた騎士団の一人がその姿を目撃しています。彼を呼んできますね」
しばらくすると怪我をしている男が現れた。
サニー「命からがら逃げてきましたが、この有様です」
みたん「龍の特徴とどこで出会ったか教えてくれ」
サニー「えーと、それは山よりも大きい感じで、黄色でした」
みたん「みかんでも食ってたんだな。それで場所は?」
サニー「場所はここから北に30キロくらい行ったあたりの和歌山です」
みたん「みかん食ってたことは確実だな!」
ニコ「かなり近いです。この国にやってくる可能性が高いです。対策を取らなければいけないのですが」
みたん「打って出よう」
ニコ「そんな、なにも対策なしに?」
みたん「いや、まずはモカに要請を送る。これは協力しないと打ち勝つことはできない」
ニコ「そうですね、早速使者を向わせます」
ニコが部下に命令する。
流石はこの国のトップなだけある、迅速な対応だ。
先代の意思を継ぐその生き様はまさに代表者にふさわしい。
サニー「ちょっとすみません、最後に下ネタ言ってもいいですか?」
全てを無駄にするその発言は、全世界を敵に回したかのようだった。
何故お前は生きているのだ、戦場に行って死んで来いと言わんばかりの視線を浴びるサニーは小さな声で「ごめんなさい」と言い残し去っていった。
ニコとの対談の後しばらくして、モカに向った使者が戻ってきた。
なにやら神妙な面持ちで息を切らしていた。
いおちゃ「た、大変です!モカが大変なことに!龍が、龍がモカを襲っています!」
一同「な、なんだってー!?」
考えてはいなかった、味方が襲われることなんて。
どうなってしまうのだろうか、いまはみたんであるが、私はモカのkuvaなんだ、古巣が襲われたと聞いて動揺しないはずはない。
かつて一緒に戦った人たちはどうしているだろう、大丈夫なのか、と普段なら思うこともない事が頭の中で駆け巡っていた。
ニコ「落ち着け、それで状況は?」
いおちゃ「はい、負傷者が多数で龍は黄色かったそうです」
みたん「黄色かったんかい」
ニコ「憶測かそれは」
いおちゃ「いえ、向かう途中でモカの使者と会いまして彼から聞いてとんぼ返りしてきました」
ニコ「モカの使者がいるんだな、詳しく説明を聞かせてくれ」
いおちゃの後方にモカの使者であるポンがいた。
ポン「簡潔にお伝えいたします。モカはやばい」
最近の若者は「やばい」という言葉でなんでも済まそうとしているが、時と場合によっては相応しくない。
しかしながらこの「やばい」発言はポンの顔色を見る限り相当な部類に当てはまるだろう。
みたん「どうするニコ?」
問いかけには無言であった。
何か考えている風で頭を掻きむしりながらしかめっ面をしている。
ニコ「急いで向かわなければいけないですが、戦力が足りるかどうか・・・」
みたん「なにをおっしゃるウサギさん、このみたんが居れば百人力なの分かってるでしょ?」
ニコ「しかし・・・」
みたん「事件は現場で起こっているんだぞ!ここは応接室だが!」
ニコ「そうですね、伝説の勇者にお任せします」
みたん「・・・え?勇者?」
みたんは伝説の勇者だった。
過去に何を成し遂げたのかは不明だが、そこかしこからの視線は何かを訴えるような、羨望の眼差しでいっぱいである。
私が勇者?よく考えれば勇者って無職だよね、でも悪い気はしないかな、ファンタジーはこうでなければ面白くない。
皆の期待を背にモカへ向かう準備をした。
みたん「丸太は持ったか!」
サニー「応」
みたん「お前は寝てろよ、怪我してるんだろ?」
サニー「こんな傷、どうってことないです」
捨て駒にはなるか、どうなっても知らないぞと自分に言い聞かせ、ついてくることを許可した。
モカへ向かう道中、目指す先に黒い煙が沢山上がっている。
これが龍の力なのか。
辺りは焦土と化し、無残な姿は目を覆いたくなるほどに。
逸る気持ちを押さえ見回し、無意識に叫んでいた。
みたん「だ、誰か!誰かいないか!」
声はどこまでも遠くまで響いたが、ただそれは虚しくさせるばかりであった。
みたん「そんな・・・酷すぎる・・・」
茫然と立ちすくむ一同の後方から何者かの声が聞こえてきた。
「ふっふっふ、愚か者共め。逆らうからだ」
みたん「誰だ!?お前がやったのか?」
シオン「私の名前はシオン、かるーあモカ四天王の一人。蛇遣い座である」
モカの四天王とは一体・・・。
シオン「そうだ、私がやったのだ。愚かな人間たちを駆逐するためにな」
yasu「シオン、こっちは片付いたぞ。ってまだ残ってたか。こいつらやってもいいのか?」
シオン「問題はない」
次から次へと現れる敵対相手、しかしその姿は見たことある。
みたんことkuvaが所属しているはずのかるーあモカで共に戦ったシオンとyasuなのである。
どうしてこうなったのだろう。
どうして味方なのに攻撃をしてくるのだろうか。
ニコ「二人ともどうしたというのだ!何をやってるか分かってるのか!?」
yasu「分かってるとも、かるーあ国をぶっ壊す」
シオン「みなさんもご一緒に、かるーあ国をぶっ壊す。言うわけないですね」
色々嫌な予感はする。
こいつら洗脳されているな。
いつもならそんな変なことは言わないし、何よりモカに忠誠を誓っている奴らだ。
黒幕というか龍がそうやらせてるに違いない。
洗脳を解く方法はあるのか、それとも彼らとやりあわなければいけないのか。
四天王ということは他に誰がいるんだ?それに他のメンバーの安否が気になる。
龍討伐以前に解決しなければならないことがあるなんて想像してなかった。
yasu「やっちゃっていいんだよなシオン?」
決断は迫っている。
みたんことkuvaは阻止すべく思案している。
洗脳を解くには無傷で済ませられるのだろうか。
yasu「シオン、こいつらどうしようもねぇな。軽くひねってやるよ」
ニコ「きますよ、どうしますかみたんさん!
みたん「考えてる途中だ。そうだな、仕方ない、覚ます為には痛みも必要だろう。一思いにやっちゃいなさい」
ニコ「うおぉぉぉぉ!!」
キンキンキンキンキンキンキンキン。
ニコは華麗に攻撃を受け流す。
キンキンキンキンキンキンキンキン。
ニコ「どうだこの剣捌き!まだまだ終わらんよ!」
キンキンキンキンキンキンキンキン。
ニコ「どうということは無いな」
みたん「・・・楽勝のようだな・・・」
語彙力が枯渇したわけではない、ただどうしてもやりたかった戦闘シーンなのだ。
シオン「なかなかしぶといな、一気に決めてしまおうか」
そう言うとシオンはなにやら呪文を唱えだした。
手元が光り、その光がみたんに向かって襲い掛かってきた。
サニー「危ない!」
その光はみたんを庇ったサニーを包み込んでしまった。
サニー「へへっ・・・みたんさん大丈夫ですか・・・?」
みたん「サニー!」
サニー「みたんさんが大丈夫なら私はどうなっても・・・大丈夫ですよ・・・」
みたん「無茶しやがって」
サニー「みたんさん、電気消さないでくださいよ・・・何も見えないじゃないですか・・・」
みたん「サ、サニー!?」
サニーの目は最早何も見えなくなっていた。
みたん「サニー、お前の仇は私が討つ!」
サニーを安全な場所に横たわらせたみたんはyasuとシオンの前に立ちはだかった。
みたんの鬼の様な形相にひるんだシオンとyasu、今はみたんであるkuvaの想いは複雑であった。
どうして傷つけあうのだろう、戦わなければやられることは分かっている。
しかし味方を傷つけることになるのだ、仇討ちをすると言った手前任務は遂行しなければいけないのだが、どうしたらいい。
「お前らそこまでにしろ!」
張り詰めた空気の中に響き渡る声、みたんことkuvaが振り返ると二人の姿があった。
かるーあモカ四天王の残り二人であるティアとディアの双子である。
増援が来たのか、このままだと全滅してしまう、目の前の相手をやるなら今しかない!
ティア「だからやめろって言ってるだろ!」
ディア「話が通じる方はどっちだ!?」
通じる通じないの判断は分からないが、みたんの目を見て判断したようで二人は何かを悟った。
ティア「仕方ねーな、あれをやるしかねーな。おいディア」
ディア「分かったよ姉さん」
ティア&ディア「秘儀!悩殺アタック!」
昨今のヒーローは必殺技の名前を口にだす傾向がある。
喋ってる前に攻撃しろよ、相手に分かってしまうだろ?
ボクシングの試合でいちいち「右フック、左ジャブ」とか言わないだろ?
ちなみにこの必殺技のやり始めはウルトラマンだと聞いたことある。
ウルトラマン以前のヒーローものは攻撃の際何も言わないという。
でも単に殴る蹴るのヒーローは見たくはないものだな。
実際必殺技の名前を付けたのはウルトラ警備隊なのでウルトラマンが必殺技を言った訳ではないのだが。
見ている人には分かりやすいので必殺技名を言ってもらえると「今何をやっているのか」が分かるので有難い。
知らない間に腕がなくなったり、首が飛んだり、最後には爆発してポーズとる戦隊物に娯楽要素はないのだ。
ティアディアの必殺技はシオンとyasuを目掛けて放たれた。
説明しよう、悩殺アタックとはその名の通りである。以上。
ティアはシオンの顔をオパーイに挟み込み、ディアはyasuの顔をオケーツに挟み込んだ。
これが噂の洗脳解除技、私もこの世界から元の世界に戻れるのなら挟み込まれたいものだと思ってしまった。
しばらくその光景を見守るみたん達一同であった。
ティア「もういいんじゃないかな?」
ディア「そうだね姉さん」
そういうと二人は二人を開放する、シオンとyasuはその場に倒れこんだ。
畜生、なんて羨ましい奴らなんだ。
いやいや、そうじゃない、こっちはサニーが犠牲になったんだ。
ティア「これで安心だな。と、あなたはみたんさんですね」
みたん「ええ、そうですよ。この状況どうなってるんですか?」
ティア「私たちも情報が掴めていないのですが、私たちが治める地で反乱が起こったということでここに来たわけです」
ディア「四天王と言われてるこのシオンとyasuが洗脳されたって見た時分かったからな。ちょっと止めたんだよ」
みたん「なるほど、私の洗脳も解いて欲しいなぁ」
ティア「何か言いました?」
みたん「いや、何も・・・」
しばらくするとシオンとyasuは目を覚まし辺りを見回した。
何が起こったか分からない様子である。
ティア「しっかりしてくれよお前たち」
yasu「ここは?俺は一体・・・」
洗脳は解けたようだ。
詳しい話は二人に聞かなければならない。
みたんことkuva「これ何本に見える?」
シオン「・・・一本でもニンジン・・・」
yasu「中指立てないで・・・怖い・・・」
大丈夫だ、洗脳は解けている。
もうちょっと確認しよう。
何事も確認は必要だ。見過ごしてしまってからでは遅い。
慎重になるのは自分の為でもあるが、それ以上に人の為になるからである。
ニコはこの国を統治する宰相であるのでそういうことは人一倍敏感なのだ。
ニコ「かるーあ国を?」
シオン「?なんです?」
yasu「・・・」
シオンとyasuは首を傾げていた。
それを見ていた四天王のティアとディアも顔を見合わせ、大丈夫だろうと頷いた。
サニー「ぶっ壊す」
みたん「サ、サニー!生きてたのか!」
ニコ「まだ息がありますね、トドメをさしましょう」
ニコが握りこぶしでコメカミを“グリグリごっちん”やろうとしたが急いでみたんは止めた。
こんな奴でも仲間だ、けど、ぶっ壊すって言ったよな?
というかなんで生きてるんだ?死んだはずでは?
サニー「サニーは所謂無敵の人らしいので、怪我はするけど死なないみたいです。目も見えてきました」
原理はよくわからないが、先の騎士団とマック姫との龍討伐で死ななかったのは特殊能力のせいなのか、まさに盾になるべくして生まれた存在。
なんでも一人で解決できそうな能力だ、みたんには備わっていない。
しかしながら攻撃力は低いようなのでおだてて先頭に立たせてみようじゃないか。
みたん「サニーが生きていて安心した、助けてくれてありがとう」
サニー「へへっ、どうってことないですよ」
ティア「こいつは洗脳されてないんですか?」
みたん「たぶん大丈夫だ。何かあったら私が対処する」
ディア「さすみたん」
と、歓談はこれくらいに、yasuとシオンの今に至る経緯を聞かなければならない。
誰が洗脳をかけたのか手掛かりが欲しい。
~~~~~~~四天王yasuの回想~~~~~~~~~
あ、いっけなーい、遅刻遅刻ぅ~
私の名前はyasu、花の女子高生よ。
いつも寝坊ばかりで遅刻常習犯。
こっそり教室に入っても先生にすぐばれてしまうのだった。
友人のシオンとは同じ部活に入っているの、その名も「着ぐるみ部」。
数年前から話題のゆるキャラの中に入って色々宣伝する為に駆り出されてる。
今は夏なので水分補給しないと死ぬかもしれないからミ〇キーの着ぐるみはお預け状態。
着ぐるみ部に夏は大敵なのである。
冬なら温かいので誰彼なしにパンチ喰らわせることができるのになぁ。
夏でも着られる新しい着ぐるみ作らなくっちゃね。
ピンポーン
おっと、誰かが来たようだ、宅配便かな?
「こんにちは、消防署の方から来ました」
yasu「何しに来たんだろう校舎から離れているこの部室棟に」
ガチャリ
yasuがドアを開けたところ見慣れぬ少女が立っていた。
yasu「あれ?どうしました?」
問いかける間もなくyasuの顔の前に手を広げる少女、何事かと手を掴み下ろそうとした。
しかし、その行動は出来ず気を失ってしまった。
~~~~~~~四天王シオンの回想~~~~~~~~~
シオンは私立アヒー女学苑の優等生であった。
そこで出会ったyasuとは同じクラスになり帰り路が一緒で共通の話題もあり、すぐに仲良くなった。
yasuに誘われた訳の分からない部活に所属し、yasuが頑張ってるのを尻目に音楽を聴いている毎日を送っていた。
ちなみに、シオンは絶対音感の持ち主だった。
それがシオンを苛立たせる要因になってしまったのは、何を隠そう音楽教師なのだ。
合唱コンクールで歌う曲をみんなで決めている中で、あれがいいこれがいいとワイワイやっていたところである。
担当の音楽教師が「贈る言葉」にしようと言い出したのだ。
贈る言葉か、大好きな曲だし、みんな知ってる。
そうだ、そうだよね、いいね!と満場一致でこの曲に決まったのだ。
しばらくして、その音楽教師が楽譜を皆に配り、それじゃみんなで聞いてみようかと視聴する。
テンポや音階、スピード、何から何まで誰もが思い浮かべる贈る言葉とは違うのだ。
シオンは寒気がし愕然とし、憤りを感じた。
音楽教師「これを歌うよ、みんな覚えてね」
どよめく周囲、思ってたのと違うとヒソヒソ声。
愛する音楽を汚された気分だった。
別に誰が何をしようが勝手だ、しかしそれを強要するにはそれ相応の理由が必要なのである。
シオン「・・・くっ・・・」
頭を掻きむしり、音楽教師の顔を見る。
すると音楽教師の顔はゆがみだし、溶けるように消えていった。
え?どうしたんだ?と思っていたら、消えた所から少女が急に現れたのだ。
少女「分かる、分かるよ。どこかのイキった音楽教師が編曲した「贈る言葉」を歌わされる気持ち、私には分かります」
シオン「え?どうなってんの?」
少女「安心して、ほら、これを聞いて・・・」
甲高い音を聞いたシオンはその音で気を失ってしまった。
~~~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~
yasu&シオン「というような夢をみました」
一同「夢かよ!」
話の内容はともかく、共通するのは少女が現れたということである。
実在するのだろうか。
みたん「んで、結局何なの?」
至極当然の問いかけに二人は答える。
yasu「少女が現れて、何か催眠術的なものをかけられたような気がします」
シオン「私もです」
ニコ「謎の少女ですか・・・誰か聞いたことありますか?」
ティアとディアは顔を見合わせ、「もしかしたら」と似顔絵を描き始めた。
ティア「こんな顔じゃなかった?」
ティアの胸元を覗き込むyasu。
yasu「もうちょっと貧乳でした。ぐえぇぇえぇえ」
絞められているyasuに代わりシオンが答える。
シオン「あ、こんな顔してましたね。うん、こいつだよ間違いない」
みたんとニコもその似顔絵を覗き込む。
「あ!」と声が出てしまった。その顔に見覚えがあった。
この少女を知っている。
みたん「マキナだ・・・」




