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第15章:天の王

みなさん、こんにちは。お待たせして申し訳ありません。


皆さんが元気に過ごされていることを願っています。第15章をお届けします!

気に入っていただけると嬉しいです!

皆さんの応援は私にとって大きな励みです。

コスタリカから、愛を込めて。


Pura Vida!

ベネシアの東地区はもはや存在せず、今は瓦礫と灰のクレーターと化していた。鎧の漆黒の金属とドラゴンの黄金のオーラが激突し、その衝撃波がわずかな見物人の肺を震わせた。

ローズとセスは、闇を切り裂く稲妻のように動き回っていた。ローズは急所を狙って的確な連打を繰り出したが、セスは若者の骨を痺れさせるような圧倒的な力でそれを弾き返した。


「うっ!」


ローズはセスの脇腹に鋭い一撃を叩き込んだが、セスはまばたき一つしなかった。


「<ドラゴンボール>!」


セスは至近距離から炎のエネルギー弾を放った。ローズは空中で体をひねり、紙一重でかわしたが、その熱で服と肌が焦げた。


(こいつは耐久力の化物だ……)


ローズはそう思いながら、どっしりと着地した。


(ポーンで相手の攻撃を吸収して跳ね返したのに、まだエネルギーが溢れ出ている……)


セスは立ち止まり、肩についた灰を払い落とした。その眼差しはもはや軽蔑ではなく、捕食者のような好奇心に満ちていた。


「ハハ……くそっ……その鎧は何だ?」セスは息を整えながら尋ねた。

「なあ、俺は昔はすごく弱かったんだ。強さへの執着が俺をここまで引きずり込んだ……だが、本物の戦士は一目で見分けがつく。一緒に戦ってみないか?」

「何だって……?」ローズは眉をひそめた。


「考えてみてくれ。俺たちは同じくらい強い。それに、君はここであまり良く扱われていないだろう? 彼らにとって、君はみすぼらしいフローレスに過ぎない。ゴミのように見られているんだ……」


ローズの心の中で、鎧たちの声が疑念を糧に、激しく咆哮し始めた。


『彼女の言う通りだ……』

『我々は無敵になれる……』

『奴らを皆殺しにしよう……』


ローズは歯を食いしばり、胸の中で憎しみが沸き立つのを覚えた。しかしその時、冷たい水のささやきのように、ある優しい声が脳裏をよぎった。


(愛して……)

「チッ……」


ローズは地面に唾を吐いた。


「そう願っても無駄だ……消え失せろ」


セスの笑みは消え、その代わりに絶対的な冷たさが浮かんだ。


「そうだろうと思ったよ。それなら、あの老人が来る前に、真の頂を見せてやろう。この王国で、ごく一部の者しか到達できない境地をな」

「何……?」


ローズは、まるで酸素が見えない虚無に吸い取られるかのように、空気が重く凝り固まっていくのを感じた。


(気圧はどうなってるんだ!?)


遠くで、リリアは恐怖に震えながら前に進もうとした。


「だめ! ローズ、逃げなさい!」

「リリア、行かないで!」アンバーは青ざめた顔で彼女を抱き留めた。

「もう手遅れよ……彼を信じるしかないわ」


ローズは死の息吹を感じた。本能が、最大限に身を守るよう命じた。

「万丈のバンジョウ・ノ・ヨロイ:ルーク・アーマー!」


黒い金属が膨張し、彼の体の周囲に巨大なプレートを作り出した。セスは呪文を唱え始めた。その声は、古代の洞窟の轟きのように歪んでいった。


「『空を支配し、地上の者たちは彼を恐れる。その行く手にあるすべてを容赦なく焼き尽くす。彼は王の中の王……』」


セスの血管が白熱した赤色に輝いた。その肌は深紅の鱗に覆われ、目は純粋な憎悪の裂け目へと変わった。


「ネクロエクスタシス:レッドドラゴン!」


セスの体から炎の柱が噴き出し、雲へと昇り、ベネシアの空を血の色に染めた。炎が消え去った時、セスはもはや人間ではなかった。有機的なドラゴンの鎧に覆われ、膜状の翼と刃のついた尾を持つ人型生物が、ローズを見つめていた。


「さあ……」セスの声は、耳から血が噴き出すような轟音だった。

「お前の塔がどれほど頑強か、見せてみろ」


ネクロエクスタシス状態のセスの炎は、ベネシアの地面を溶岩へと結晶化させるほど強烈だった。ローズはかろうじてそのペースについていくのが精一杯だった。


「<死の息吹>!」セスは咆哮した。


ローズは間一髪で飛びのいた。彼がいた場所の地面は、物理法則を無視するような熱によって溶け、跡形もなく消え去っていた。


「ここだ!」


流星のように降り注ぐセスの影が、ローズを覆い尽くした。


ドカン!!


ローズは直撃を受け、吹き飛ばされ、三棟の建物を突き抜けて、地面に埋もれた。クレーターの中で、彼は立ち上がり、ポーン・アーマーを発動させ、槍を作り出し、その運動エネルギーをすべて込めて投げつけた。


「ハハハハ!」


セスはまるで爪養枝でも折るかのように、空中で槍を粉々に砕いた。ローズは罵声を上げた。


(僕の鎧はどれも役に立たない……彼の流れ(フロー)があまりにも濃すぎる!)

「逃げないでくれ、フローレスくん! まだ始まったばかりだぞ!」


セスは叫び、夜空を照らす炎の弾を放った。

その光景を遠くから眺めていたリリアは、指関節が白くなるほど拳を握りしめた。


「ローズ! 助けてあげなきゃ!」

「リリア、落ち着いて……」カオリは震える声で彼女を制止した。

「どうやって落ち着けっての!? 彼を殺されちゃうじゃない!」


リリアは、自分が介入しなければローズが数分以内に死ぬことを悟った。


「リリア、雨を降らせなさい」アンバーが突然命じた。

「え? でも今の私の状態でそんなことしたら……」

「気絶しても構わないわ」カオリが付け加えた。

「彼の炎を弱める唯一の方法よ。やって!」


リリアは目を閉じ、ネクロのフローを一点に集中させた。彼女は苦悶の舞を踊り始め、足元で青い光の円を描き出した。


「<永遠の雨の舞>!」


空が暗くなり、豪雨が降り注ぎ、白い水蒸気の柱が立ち上った。


「何……?」体温が急降下するのを感じ、セスは咆哮した。


「くそっ、リリアめ!」


その一瞬の隙こそが、ローズにとって絶好のチャンスだった。


「かなり気が散ってるみたいだな?」


ローズはセスの真下に現れ、上段からの一撃を叩き込み、彼を空高く吹き飛ばした。


「へへへ、もっと来てみなよ!」セスはバランスを取り戻し、挑んだ。


「――<万丈の鎧:ビショップ・アーマー>――」


ローズは銀色の閃光と共に姿を消した。セスが火の玉を放ったが、ローズはすでにその場にはいなかった。彼はセスの後頭部に現れ、破城槌のような威力で蹴りを叩き込んだ。

戦いは攻撃の渦と化した――<ポーン・アーマー>の金属の触手と、セスの<ドラゴン・ピストル>が激突する。ローズは巨大なハンマーを具現化し、轟音と共に叩きつけたが、セスは素手でそれを受け止めた。激しい攻防の中、ローズは<鋭き手>でセスの鱗を引き裂いたが、直後に尾の一撃で吹き飛ばされた。


「くそっ……!」セスは血を吐いた。「水の中では弱くなる……リリアを殺せば、これで終わりだ――」


ドカン!


凄まじい一撃がセスを石像へと叩きつけた。ローズは純粋な敵意を瞳に宿して立ちはだかった。


「彼女に触れるな」

「殺してやる……」セスは唸り、自爆攻撃を仕掛ける構えを見せた。

「よし、よし! そこまでだ!」


見知らぬ、低く傲慢な声が地区全体に響き渡った。誰かが雲から着地し、地響きのような轟音が大地を揺るがした。ローズとセスは動きを止め、恐ろしい霊的な圧力に押され、膝をつかざるを得なかった。


クレーターの中央で、青白い肌と金色の瞳を持つ男が、退屈そうに彼らを見つめていた。


「ハハ……面白いな。ハイブリッドが我が種族を真似ているとは」

「お前……!」セスは恐怖に震えながら後ずさった。


「お前は本物のドラゴンだ」

「ドラゴン……?」


ローズはその重圧の下で、息をするのもやっとだった。


セスは冷や汗をかいた。(早く逃げなきゃ、相手にならない)。しかし、人型ドラゴンは微笑み、その場の敵意は目に見えない鎖のように、物理的なものへと変わった。


「私はライゼンだ。逃げるなんて考えもしないでくれ……お前たち二人を殺し、ベネシアを地図から消し去ってやる」

「何だって?」ローズは歯を食いしばった。

「チッ……もう後戻りはできないな」


セスは構えを取った。ローズへの恨みはひとまず忘れていた。今、重要なのは生き残ることだけだった。


「おっ、逃げないのか? よし」


ライゼンが動いた。それはスピードではなく、まるで空間が縮んだかのようだった。ローズはかろうじて腕を交差させたが、その直後に頬を殴られ、自由落下のように吹き飛ばされた。


「速すぎる!」


セスは<火の息>を放ったが、ライゼンはただ片手を伸ばし、その炎の奔流を、まるで邪魔なそよ風でも扱うかのようにそらした。


「お前の攻撃など、俺には効かないぞ、二流のトカゲめ」


ライゼンはセスの腹部に一撃を叩き込み、彼を数棟のビルを突き破るように吹き飛ばした。ローズは呆然とした。


(彼に何の影響もなかったのか!?)


突然、耳のすぐ後ろで、氷のように冷たい囁きを感じた。


「そこに立ち尽くすな……戦え!」


ライゼンが放ったバックハンドの一撃で、ローズは地面へと叩きつけられた。


「うっ!『万丈の鎧:ルーク・アーマー』!」


ローズは落下を食い止めたが、鎧にはすでに深い亀裂が入っていた。セスとローズは瓦礫の中で顔を見合わせた。狩人と獲物は今や、はるかに古く、飢えた何者かの餌食となっていた。


*


ローズは壁にもたれかかり、右腕の感覚がなくなっていた。彼は視線を上げ、雨の中央で恐ろしいほどの優雅さをもって浮遊するライゼンを見つめた。


「この男、一体何者だ? なぜ街を破壊しようとするんだ?」

「それが彼の望みだからだ」重傷を負いながらも、セスがローズの横に現れて答えた。


「何だって?」

「ドラゴンとは、意識を持った自然災害だ。だからこそ、世界は彼らを恐れるのだ」


ローズは歯を食いしばって立ち上がり、鎧のエネルギーを再び活性化させた。


「チッ……万丈の鎧:ポーン・アーマー!」

「ネクロエクスタシス:レッドドラゴン!」


セスは咆哮し、その炎のオーラはリリアの雨と戦いながらさらに強まった。

空中のライゼンは、拍手を打ち始めた。


「おおっ……協力するのか? 灰にする前に、俺を楽しませてくれ!」

「行くぞ!」セスが叫んだ。


「ああ!」ローズが応じた。


二人は完璧な挟み撃ちを仕掛けた。セスは猛烈に攻撃し、ローズは彼の死角をカバーした。ライゼンは最小限の動きでそれをかわしていたが、やがて手を動かした。純粋な圧力の波が空気を切り裂いた。


「ハハ!」セスはライゼンの顎に火の拳を叩き込んだ。

「うっ……うざいな」ドラゴンは唸り声を上げ、セスを地面に叩きつけた。

「うっ!」骨が軋むのを感じ、ハイブリッドは叫んだ。

「<巨塔の巨槌>!」


ローズは馬車ほどの大きさの黒い金属のメイスがライゼンに降り注ぐように放った。ライゼンは優雅にそれをかわした。


「鍛造金属か? 興味深いな……」

「黙れ! ポーンの爪!」


ローズは斬撃の連打を放ったが、ライゼンはその間を軽やかに舞うようにすり抜けた。


「ハハハハハ、一発も当たらないじゃないか!」


ライゼンは嘲笑し、完璧な空中舞踏で攻撃をかわした。


「なぜだろうな?」


セスの声がすぐ後ろから響き、熊のような力強い腕でライゼンを捕らえた。



「気を散らすな、トカゲめ!」

「え……?」


今がチャンスだ。ローズは首飾りのエネルギーをすべて腕に集中させた。金属は長く、鋭く光る針へと変わった。


「アアアッ!! 死ね!!」


ローズはライゼンの胸を横一文字に貫いた。

ライゼンは本気の驚きを露わに、黄金色の血を吐き出した。セスは彼を舗道に叩きつけた。二人の戦士は、息を切らしながら後退した。


「……やったのか?」ローズが囁いた。


突然、ライゼンの体からエネルギーの爆発が放たれた。半径20メートルの地面が吹き飛んだ。


「まさか……」セスは顔色を失った。


「本来の姿を現そうとしている」

「ガアアアアッ!! 忌々しい人間どもめ!!」


ライゼンの四肢が伸び、その翼が空を覆い尽くした。今や彼は、黒曜石の鱗を持つ巨大なドラゴンとなっていた。口を開くと、耐え難いほどの白い光が喉元に集まり始め、雨は地面に届く前に蒸発してしまった。


「あの姿だ……」セスは震えながら呟いた。


「覚悟しろ、フローレス」

「分かってる。動け!」


ローズは<ビショップ・アーマー>を発動し、速度が限界まで高まるのを感じた。考える暇なんてない。


それは「天の王」の「最後の息吹ラスト・ブレス」だった。






ここを訪れてくださった皆さん、読んでくださって本当にありがとうございます!

実は、ここ最近『BLACK BOARD』の原稿執筆に専念していたため、更新が滞ってしまっていました。

でも、ようやく戻ってきました!楽しんでいただけたなら幸いです。次回もお楽しみに!


Pura Vida!

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