立ち上がれ!新田剣丞!!
語り手視点
四聖獣に拐われた久遠を救うために四聖獣の本拠地である四重の塔に乗り込んだ新田剣丞
そして剣丞は苦戦の末に四聖獣の玄武、白虎を倒したのだった。
剣丞「これで残るは二人、待ってろよ久遠! 」
スッ…
すぐに上の階に進もうとする剣丞であったが
剣丞「げほぉっ!? 」
ばたっ!!
剣丞はその場で倒れてしまった。
無理もない
強敵との連戦は剣丞にかなりのダメージを与えたのだから
剣丞「こ…こんなとこで休んでられるか…
俺は久遠を助けるんだ… 」
体が傷つきながらも進もうとする剣丞であったが
残念ながら体の方は言うことを聞いてくれなかった。
一方その頃
朱雀「さすがの新田剣丞も体力の限界のようだな 」
四重の塔の最上階にて、朱雀が剣丞の様子を見ていた。
青龍「あの体からして回復には長期療養が必要。
これで邪魔なく信長殿との祝言を挙げられますな 」
剣丞が動けないことを喜ぶ青龍であったが
朱雀「何を言うのだ青龍! 」
青龍「はっ!? 」
朱雀はそんな青龍を叱り飛ばした。
朱雀「お前がどう勘違いしてるかは知らぬが、我は新田剣丞を実力で倒さねばならぬ!
連戦で傷ついた新田剣丞なぞ、殺す価値すらないからな 」
この朱雀
今まで剣丞が戦ってきた相手とは何か違うのかもしれない
これを書いている西森ですらそう感じていた。
青龍「さすがは朱雀様でございます 」
朱雀「わかったところで青龍よ、お前が新田剣丞を部屋に案内してやれ 」
青龍「ハッ!かしこまりました 」
朱雀「それにそろそろ来賓客が来ることだろうしな 」
一方その頃
ひよ子「お頭は大丈夫でしょうか!? 」
皆が四聖門の前で待っていた。
一葉「主様なら心配あるまい、必ず久遠と共に戻るであろう 」
美空「そうでないと困るしね 」
光璃「でないと剣丞と祝言を挙げられない 」
それぞれの思いを込め、皆が待つなか
転子「んっ?何かがこちらの方に向かってきてますよ 」
一葉「なんだと 」
何かの気配を感じ取り、遠くの方を見てみると
妖怪A「ここで朱雀様の祝言が行われるらしいな! 」
妖怪B「真っ先に来場して、お褒めの言葉をもらうのは俺だ! 」
朱雀が来賓客として呼んだ大勢の妖怪達が向かっていた。
ひよ子「ば…化け物があんなに!? 」
皆が驚くなか
一葉「奴らを通してしまえば 」
美空「剣丞の邪魔になるのは違いないわね 」
光璃「なら、光璃達のすることは一つ! 」
チャッ!
武闘派組は得物を手に取ると
一葉「余らが奴らを食い止めるまでよ! 」
美空「暴れたくてうずうずしてたしね 」
光璃「奴らを剣丞の元へは行かせない 」
妖怪達を食い止めるべく、戦うことを決意するのだった。
一方その頃
剣丞「くそっ!!体よ、動いてくれ!! 」
いまだに剣丞の体は動かなかった。
剣丞「このまま久遠が朱雀の嫁になるのを待つしかないのか!? 」
剣丞が無力を悔やんでいたその時
ビュゴォーーッ!!
剣丞「えっ? 」
三階へ向かう道から風が吹き
剣丞「おわぁっ!? 」
ビュゴォーーッ!!
そのまま剣丞を乗せて三階へ向かっていった。
剣丞「な…何が何だか知らねえが、これは便利だぜ 」
そして剣丞は風に乗りながら三階へ向かうのだった。




