9.正直勢いで言いました
「かみやー!今すぐこっちこいボケこらぁ!」
なんて単純な私でしょう。
望月先生に喝を入れられただけでヤンキー化だよ。
それに大人しくついてくるかみや。
健気だよ。仔犬かよ。
そんな感じに私はかみやを廊下に呼び出す。
教室の前だとギャラリーがいそうだから3年生の教室の前で。
「………今度はいきなり何?」
私はまた一呼吸をおき、話す。
「かみや…今まで私を助けてくれてありがとう。救ってくれてありがとう。
もう十分。十分すぎるくらい守ってもらった。」
「十分なわけないだろ!俺が…俺が守らなきゃ殺されちまうんだよ!
今のお前は殺されたことないからそう言えるんだ。
俺はお前が殺されるところを何回も見てんだ!
だから何をしてでも俺がー」
そこで私はかみやに女の子らしからぬ右ストレートを顔面におみまいした。
かみやは廊下に転がった。
「もううるさいから寝て聞いてくれ。」
3年生の教室がざわざわし始める。
あーうるさい。
「今度は私があんたを救ってやる。
気取ってるけど、強がってるけど本当は弱虫ですぐ逃げ出したいって思ってるのに私のせいで辛い思いをしてる。今度は私の番。
だから…今から私が何しても邪魔しないでね。
ほんとにありがとう。」
私はにかっと笑ってのびたかみやを置き去りにした。
授業をしていた先生がなんか言ってるが無視。
勢いで言ったから正直自分でも何を言ったかわからない。
でもかみやを救う方法なら簡単だ。
私が死なないで今日を終えればいいんだ。
あやのはー
これからあやのに話すことを思うと少し緊張する。
あやのはどう思うだろうか。
やっぱり私を殺すのだろうか。
それとも受け入れてくれるだろうか。
どちらでも…どちらでもあやのが決めたことなら私は文句はない。
かみやには悪いけど死を受け入れるよ。
そのときはかみやに見つからないところに埋めてもらおう…。
でも痛いのは嫌だな。
かみやの話だと首切断だもんなー。
そんなこと考えているうちに教室につく。
自習中の教室に入り一直線であやのの前に向かう。
「…もみじちゃん?」
「ちょっと話があるからさ、屋上に一緒に来てくれない?」




