あだ名は本人確認必須だと思うんだ
「おーっす、おはようみんな!」
「熱井ちゃんじゃないの!おはよー」
「放送委員の先生だからな!初回はくるさ。それで、どんな内容にするんだ?」
「俺たち2年生が1年生の紹介をすることになりました」
やっかいな先生がきてしまった……。
「じゃあ、一回通しでリハやるか!通せるくらいの時間はあるな!はい。はじめ!!」
なんとか初回の委員会活動が終わった。なんとかだ。
なぜなら、熱井が放送に乱入するわ、俺がケラランなんて絶対認めないようなあだ名で放送されるわ最悪だ。
百瀬は百瀬で先輩たちに可愛い可愛い言われて天狗になるし、あいつはクラスカーストだけじゃなく校内カーストも絶対上位になってるわ。そんなやつがずっと男のあだ名を連呼するんだぞ!
やっぱり地獄はここにあったんだ。
今日のことも家で聞かれるのかと思うと憂鬱だ……。
まだ放課後もあるのに耐えられる気がしない。早退しちゃダメかなぁ、ダメだよなぁ。
ゆっくり、だけどホームルームに間に合うように歩いていたはずなのに、もう教室前に着いてしまった。
百瀬にはトイレ寄るって言って先に戻ってもらったけど、一人でも入りにくいな。
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
なってしまった。さすがにみんな席に着いてるだろうし、騒がれないよな。
深呼吸してからあけよう。よし。
「ケラランじゃないか!今日は委員会だったから多めにみてやるが、チャイムまでには教室な!
それじゃぁ、一緒に教室入ろうな」
はい……。って、待て。一緒に入るって言ったかこの教師!距離のつめ方ぱないが悪くない。
ってそうじゃなくて、肩掴むな重いからっ!力強いな動かねぇじゃん!!
「ははは、暴れるな暴れるな」
ガラガラガラ
「さぁ、ホームルームをはじめるぞ。ケラランは席つけな」
「は、はい」
「おはよー家来!」「俺もケラランって呼んでいいか?」「よっ、有名人!」「応援するぞー」
うるせー!
どうせすぐにネタにしたりおもちゃにして散々いじった後、モブだからっていいようにして忘れていくんだろ。
「別に好きにしていいよ」
「やったぜー!」「あだ名で呼び合うと仲良くなった感じしていいよな!」
「俺らのことも好きに呼べよなー!」「うちのクラス既にいい感じじゃね」
パンパン
「はいはい。静かに。ホームルーム中だからな。それじゃぁ連絡事項から……」
はぁ。知らない知人が勝手に増えるって感覚はこんな感じなんだろうなー。
今日からこんな風に声かけられる運命なのか?
兄貴だったら「ケッ、どうでもいいわ」とかサラっと言えるんだろうけど、俺には無理だし。
いっそのこと友だち百人できるかなチャレンジでもする……ダメだ考えただけで鳥肌たった。
誰か俺をモブに戻してくれぇーー!




