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Snowdrop ~雪の華 あなたの死を望みます~  作者: 黒龍
番外編 新年度編
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新年度P11

「悪いな。エルトゥーヤ、ナターシャ。急に呼び出してしまって」

 急にクラシアの官邸に呼び出された、私・エルトゥーヤと、仲間のナターシャ。

 昼過ぎあたりにレベッカから「夕食会をするから出席してほしい」とクラシアの秘書のアリアスから連絡があった。それも、私とナターシャを名指しで。


「どういう風の吹き回しだ?」

「まだ公にはしていないが、防衛省が国防に関するデータを焼失させてしまったみたいでな。その問い詰めを20時から私の執務室で行うつもりなんだが、その立ち合いをしてほしいんだ」

「なるほどな。私とナターシャの迫力で攻撃をされないように。ってことか」

「それもある。しかし、お前も副首長の座についているんだ。話を聞く義務もある」


 なんだか、また面倒ごとに巻き込まれた気がするが、まぁ、仕方ない。それも私の仕事か。それに、私も把握しておかないといけない事柄でもあるか。


「わかった。それじゃあ、ドレスアップさせてもらおうか。このままだとさすがに人の前には出られない」


 クラシアに向かいそう言うと、私も足元から胸元まで見る。

 さすがに、いくら洒落に興味ないとはいえ、人前に出られるような恰好ではないことを自覚している。


「せめて、ここは戦闘服に着替えさせてくれ。それだと迫力があるからいろいろとそっちとしても好都合じゃないか?」

「あぁ、そうだな。頼む」


 クラシアに同意され、私とナターシャは一度私邸に戻り、久しく来ていなかった戦闘服に身を包む。

 ……ただ、あれだな。この格好のまま外に出ると、反乱再発とか言われそうだな。


「イル。すまないが、春物のコートをもらえないか?このままだと、いろいろ言われるだろうから」

「かしこまりました。暗い色のコートのほうがよろしいでしょうか?」


 あぁ。そうだな。明るい色でこの戦闘服が透けていろいろ言われるのは面倒だ。さすがイルだな。細かいことでも気を配ってくれるのだから。


「そうしてくれるとありがたい」


 そういうと、イルはすぐに茶色のコートを2着持ってきて、私とナターシャに手渡してくれた。


「すまないな。ありがとう」


 受け取ったコートを羽織ると、うまく戦闘服が隠れてくれて、そのあたりを歩いている国民と同じように見える。


「うん。これくらいで構わないだろう。ありがとうな、イル。よし、ナターシャ、向かうか」


 そういって私とナターシャは再度クラシアの官邸に向かう。


「アリアス、すまん、戻った」

「おかえりなさい。そのまま執務室へご案内します。それから、あの~、手に持っていらっしゃるのは?」


 アリアスに聞かれ、私は自分の左手を見る。

 私の左手にもナターシャの左手にも模造刀が握られている。


「こうしたほうが圧力をかけられるだろ?クラシアと少し話を詰めるつもりではいるが、話が進まないようなら、少し強引な手を出すつもりだ」

「えっと……。殺したりはしませんよね?」

「しないよ。模造刀だから人を切ることなんてできないし、ちょこ~っとビビらせるだけだよ」

「……あまり、無茶なことしないでくださいね。無茶なことをすると、こちらがかえって不利になってしまいますので」

「わかってる。話に詰まるなら、少し首筋にコレを添わせるだけだ」


 そう言うと、アリアスは深いため息を静かについた。

 まぁ、そうなるか。といっても、私も半年前を思い出して、闘争心に炎を燃やしそうになる。

 ナターシャも同じような気持ちなんだろうか。


「それでは、執務室に到着です。くれぐれも暴動は起こさないでくださいね」


 アリアスが静かにそう言うと、私とナターシャをクラシアの執務室に入れた。


「すまないな。クラシア。遅くなってしまった」

「構わない。それより、暑くないか?そんなコートを羽織って」

「あぁ。コートを羽織らないと間違えられそうだからな」


 そう言ってコートを脱ぐと、クラシアは一瞬だけ驚いた顔を見せ、数歩後ずさりして、護身用の小刀を手にしようとしていた。


どうやら、まだクラシアはスノードロップに対して、苦手意識を持っているようですねw

昨日の敵は今日の味方

これほど強い味方は居ないのではないでしょうか?


さて。これからの展開もお楽しみに

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