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28.収容所 p4

 キッ!カッ!キーン!


 私は、剣と剣が交わる音で目が覚めた。

 えっと、確か……。

 大砲を撃たれたけど、カナのサイコキネシスで~……。そのあとどうなったの?

「ようやく目が覚めたか!遅いぞ!ほら、いつまでも寝ていると、殺されるぞ!」

 淡々と私のもとに来るエル。

 そうか。サイコキネシス守られた後、気絶したのかな……。

「ハハハ!いつまで守りながら攻撃出るんでしょう、ほんま楽しみやわ。砂嵐!」

 なにか、違う技が聞こえたような……。

 えっ、技?……相手も能力者!?

 いろいろと思考回路の線がつながった時、身体は馬鹿正直に起き上がって、弓を構えていた。

「スピードスター!」

 とっさに出るスピード特化の技。けん制するのにはミーティアシャワーより優れている。それに、名前の通り、スピードがより出るから、多少攻撃を防ぐ時間を取れるだろう。

「サンドシールド!」

 起き上がりざまに放った矢はミランダのほうに飛んで行ったが、ミランダは土魔法だろうか、防御魔法で防がれた。

「ほんま、なんか、目障りなお方やなぁ。一緒に消えてもらえたらうちらも助かるんやけど、簡単にはいかへんみたいやね」

 そういって、シールドを崩し、ニヤリと笑うミランダ。とりあえず、いつも通り、遠距離攻撃に徹したほうがよさそうだ。

 どうやら、ミランダもジェシーも近距離から土魔法を使う魔法使いのよう。

 そしてこちらは、さっきの砲弾のせいで、私とエル以外、みんな気を失ったまま。

 分が悪いのは目に見えている。せめて、相性のいいと思うユカリだけでも目を覚ましてくれないものか。

 ただ、そんなことを願っている時間があるわけもなく、エルを狙おうとする2人の剣を必死に矢を撃って邪魔をしている。

 近距離から攻撃技のない私ができる必死の抵抗だ。

「遠くからちょこまかと。目障りやねぇ、リーダーはん」

 舌なめずりするミランダ。彼女も相当な戦闘狂かも。

 あと、私がリーダーだということも知っている。さすが未来の世界。何でも知っているってわけね。

「初めてそんなこと言われたよ。私は私のできることしかしてないのにね!ライズアロー!」

「サンドシールド!ほんま、何が誤算って、あんたらキッシングナイトがおることやで。それがなかったら、今頃、こいつは死んで、平和な世界が来ていたっていうのに」

 こうみると、遠くからちょこまかとしている私はずるいのか?いや。正当な方法だ。そもそも私に近距離技がない。それだけで遠くから攻撃する正当な理由だと思っている。

「チッ、このままだと埒が明かねぇな。アカリ!矢の乱れ打ちって可能か!?」

 暫く交戦していると、エルがとんでもないことを言ってくる。しかも、注文がものすごくアバウト。

「どう乱れ打てばいいの!」

「とにかくいろんな技でけん制してくれたらいい!」

 ルナやユカリより無茶な注文だ。……たぶん、できなくはないけど、注文が注文だ。とりあえず、やってみるか。エルにも何かしら考えがあるんだろう。

「オッケー。コントロール無視で行くよ!それでもいいならやるよ!」

「構わない!頼む!こっちはなんとかする!」

 すごい無茶苦茶だ。でも、なにか策があるならエルに任せるのが一番だろう。

「ライズアロー!ミーティアシャワー!スピードスター!ミーティアシャワー!ライズアロー!スピードスター!ミーティアシャワー!ライズアロー!ミーティアシャワー!」

 エルの注文通り、持っている3つの技をランダムで繰り出し続ける。

 もちろん、コントロール無視で次々に打っているから、何がどこに飛んでいるのか、私にもわからない。私にもわからないとなれば、敵にとっては、突っ込めるわけもなく、その場で私の矢を対処するしかない。

「ジャイアントスイング!」

 後ろから聞こえたエルの声。

 いつの間に後ろに下がっていたんだ?と思いながら、飛ばす弓の手を止める。

「アカリ!ナイスタイミング!おりゃー!」

 天井が低いながらも、ギリギリまで下がった距離とスピードを生かし、エルが弾道の低い大技を決める。

 当然、威力は相当なものだから、ギリギリまで飛んで行った矢を捌くので精いっぱいだった2人はあっけなく衝撃波と風圧で飛ばされた。

 当然、防御魔法がない私は、できる限りの回避行動をとるも、あっけなく吹っ飛ばされ、壁とは違う堅いなにかに身体が叩きつけられ、そこでまた私の意識が遠退いた。

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