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Collabo 19 ララ、帰還

 しばらくララはじっとして息を殺し、得体のしれない獣から姿を隠し、訓練が終わったのか、獣が建物の中に入ったと同時に、ララは静かに木から飛び立ち、垂直に飛び上がった。

 どういった心理が働いたかわからないけど、ララにとってはいい選択だったと思う。

 あとで米粒を要しいてやらんとな。命がけで偵察に行ってくれたんだから。いつもより多く用意していいだろうな。

 ……ここまでもどってくるのに、どれくらいの時間がかかるんだろうか。

 まぁ、いいか。とりあえず、ナターシャに報告して、情報庁と連携を取ってもらうか。

 それだけ思うと、『リンク』を使い、ナターシャと連絡を取ろうとする。


『もしー?どないした?』

「ナターシャ、すまない。お前の知識を狩りたいのと、それが難しそうなら、情報庁と連携を取ってほしい」

『おー……らい。どんな内容?』

「前々から話題になってるドルペントが野生の獣を使役して軍事利用しようとしている件、ララが敵国の軍事施設の侵入に成功し、少しだけ映像撮ってもらった。それは後でどうにかして送るが、視覚共有も一緒にして、私も見たんだ。その獣を」

『どんな感じやったん?』

「一言で言うと、気持ち悪い。それだけ。様態は、顔はオオカミ、胴体はは馬、その両サイドには、荷物を掛けられていた。それが直接こっちに来るのかはわからない。馬のように田塚をつながれるかもわからない。たあだ、そんな獣を軍事施設で見たというだけだ」

『またえらいもん見つけてもうたな。でも、うちもそんなんは聞いたことないな。とりあえず、情報庁もここによぶわ。さすがに情報が少ないのもあるけど、聞いたことない動物で、何じゃそれ!ってなってるくらいやから。いったん情報庁に振ってみて、なにかわかったらまた連絡するわ』

「あぁ、すまんがそうしてくれ。私もデータが手に入ればすぐに送る」


 通信の向こうからは、少し忙しいのか『はいはーい』と声が聞こえた後、ぶつっと切れた。

 まぁ、向こうから切られた以上、私が同行する問題じゃなくなってきているのも事実。こうなれば、もう、ララが戻ってくるのを待つしかない。


 それからどれくらいの時間が経ったのだろうか。

 陽も真上から少し傾いて、朝見ていた影とは反対の方に少しだけ伸びていた。

 そんな中で鳥のさえずりがだんだんと近づいてきているような気もする。……違う、ララだ。ちゅんちゅん言いながら機嫌よく帰ってきている。

 ……おやつが待ち遠しいのか。多分、そんなところだろう。まぁ、それくらいなら許してやるか。


「ララ、お帰り。偵察、ありがとうな。助かったよ。先にカメラだけ取らせてくれ。そのあとにおやつやるから」


 それだけ言って、ララの足に巻き付けた超小型カメラを取り外し、タブレットに読み込ませる。

 私がそれを見ている間、ララにはおやつをやって静かにしてもらおう。

 そんなことを思いながら、ララの目の前にいつもより多めに米粒を床に置き、ララがついばんでいるタイミングで、ララが撮ってきた動画を確認する。

 一番はさっきの狼みたいな魔獣のシーンだけど、それ以外にもたぶん、いろいろ撮れているはず。

 いかんせん、一晩中飛び回ってくれていたんだから、槽じゃなかったらあまり意味がないと思ってしまう。

 とはいっても、私が一晩中、魔力を与え続けて飛ばしたものの、朝イチから軍事施設を見たかったというのはある。だけど、まぁ、映像は暗いまま続くな。赤外線モードを使っていたとしても、何もないからほとんど映らないし。


 動きがあったのは、朝方、これは……ドルペントとの国境あたりか?


 ということは、国境香奈かなり近いところに軍事施設を置いているんじゃないのか?まぁ、それはいい。あまり気にしていない。

 とはいえ、やはり軍事施設ということもあり、こちらでは絶滅した航空機もあれば、戦車や砲弾など相当中アズが揃っている。

 これ、逆に機械兵でよかったかもしれないな。

 機械兵の弱点は電気で、首を刎ねたら爆発するという性質があるから、もし、獣が首筋に髪切ったとしても、爆発させて獣やそこに乗ってるやつもろとも吹き飛ばせると思う。

 それ以外に戦車で首を踏み潰した瞬間も、爆発を起こす。

 その威力がどれくらいのものが読めないが、かなりの効力は期待していいと思っている。

 とはいえ、戦力差が見えない分、どうするのが一番なのか。と思ってしまうところもある。


「ララ、うまく撮ってくれたな。作戦を立てるのに有効な映像だよ」


 それだけ言って、人差し指と親指でつまめる分のコメをララの前に置く。

 それを見たララは「ちゅん?」と不思議そうに鳴いてから、意味を理解したのか、「ちゅん!」と胸を張るかのように鳴いた。

 とりあえず、もう少し見てからだな。ナターシャに映像を送るのは。

 ……あった。今度は、これも軍事施設か。窓辺にとどまって欲張れなかったな、ララ。まぁ、音声も入っているが、下っ端が喋っているだけか。ここはパスでいいか?

 ちらっとララの方を見ると、ララも自分が録ってきた映像を食い入るように見ている。自分の小さい頭の中にある記憶と照らし合わせているのだろうか。

 さすがにそこまではわからないけど、じっと見入るように見ているということは、何かを見せたいということか?


「ララ、何か気になることがあったのか?」

「ちゅん……」


 少し考えこむように鳴いたララは、数秒だけ私の顔を見つめると、自分の目の前にあるコメそっちのけで私の前に来て映像を見始める。

 時々、首を振るところを見ると、「ここは何もない」と言いたいことはわかった気がする。

 そして、ある程度、映像を進めると、ララが「ちゅんちゅん」とうるさくして私の方を向いてくる。

 これだけうるさくしてくるということは、なにかあるのか?そんなことを思いながら、ララの反応と映像を同時に見る。


「ちゅちゅん!」


 まるで、ここだよ!と言わんばかりになくララ。映像をよく見ると、ロケットランチャーが数十発も用意されている。

 これだけ数が多いと厄介だな。とはいえ、どうする。

 誘導弾の鄭杯をしても間に合うかどうか。いや、しないよりはマシだろう。


「ララ、まだあるか?」

「ちゅーん……。ちゅん!ちゅん!」

「まだあるんだな?」

「ちゅん!」


 まだ何かあるのか。こればかりは仕方ない。もう少し映像を進めるか。

 それだけ思い、ララと一緒に映像を進める。


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