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Collabo 13 いろいろ手に入れた……か。

 街を巡り歩きながら、1時間くらいだろうか。陽も紅くなりかけたころ。ようやくと言っていい感じで私邸に着く。

 もちろん、正面玄関からは入らずに、裏口からそっと入る。

 こんなところで油を売っているわけにはいかないからな。とくにメディアの奴らには。

 メディアにはバレたくないから、裏口から入っているというのもあるが、まぁ、無駄な質問攻めにあいたくない。ただそれだけだ。


「おかえりなさいませ。視察はいかがでしたか?」


 指定に戻ってきたのと同時に、ずっとつけていたスカーフを取り、ダイニングを抜けようとすると、キッチンで食事を作っていたアリンに声を掛けられる。


「あぁ、それなりの効果はあったと思うよ。私の欲しいものも買えたからな。夕食は……例に漏れず牡丹鍋か。仕方ないな」

「えぇ、そうです。あと、本日で牡丹鍋はいったん終了です。レベッカ様にご相談の上、30キロほどの猪肉を孤児院に寄付する手はずとなりました」


 結局そんなに残っていたのか。まぁ、それほどでかい獲物を取ってきたと言うことなんだろうな。とは思うし、ナターシャがしばらく私邸に戻ってきていないというのもあるんだろうな。


「わかった。報告ありがとう。まぁ、元はと言えば、ナターシャが悪いんだから、あいつに全部押し付けてもよかったんだがな」

「私も本音はそうです。ですが、いくらなんでも、おひとりで30キロの猪肉は食べきれないと思い、手配したまでですから」


 まぁ、それもそうだ。私も去年か一昨年のクリスマスにアジトへ戻った時、思った以上に大きいイノシシを狩って、毛皮と肉を世話になった人たちや孤児院に譲った。それも、私たちが素直に食べきれないと直感したからであった。

 ただ、違うところで言えば、狩りをした理由だろうか。

 まぁ、今はそんなことはどうでもいい。(詳しいことを知りたい人は、『元スノードロップのクリスマスp8』と『夕食時の違和感』を見てくれ)とりあえず、夕食を取ったら、自室できょういちにちため込んだ仕事を片すとしよう。

 このあと、私戦地に行ったあと、クラシアがやってくれるとは言え、任せることになるんだから、多少は減らしておくのが義理だと思うし。

 そんなことを思いながら、いつも以上にいい匂いをさせながら、牡丹鍋が運ばれてくる。


「さすがにスープばかりも飽きるかと思いますので、思い切ってステーキにしてみました。ソースをかけたうえでお召し上がりください」


 とはいえ、薄切りにしたばら肉をアレンジする術はアリンにもなかったみたいだな。とは言いつつも、私も、鍋にぶち込むことしかできないんだから、何も言えないよな。なんて思いつつ、熱いうちに食うとするか。冷めたらおいしくなくなるわけだし。


「あー!エルだけ先に食べてる!ずるいよ!呼ばれてない!」


 いい匂いに釣られたのかはわからないが、レベッカが少しふくれっ面でダイニングにやってきた。


「仕方ないだろう。ちょうど帰ってきたら出来上がっていたんだ。そこにレベッカがいなかっただけだよ」

「せっかく、官邸の掃除を手伝ってきたのに。こういう事ならするんじゃなかった」

「掃除してくれていたのか。助かるよ」

「まぁ、しばらくサイさんに任せっきりだったから申し訳なかったって言うのもあるけどさ」


 まぁ、元はと言えば、サイは官邸の掃除が行き届かないがために、もう滅んでしまったミル王国からひとり連れてきた。

 サイ自身には、最初から官邸柄の掃除や雑務をメインにしてお願いしていたものの、ここ最近、官邸で仕事をする頻度が減っていて、レベッカとしても、少し気になったというのが本音だろうか。


「そうだな。しばらく私邸で仕分け作業しかしていなかったもんな。ただ、明日からも少し官邸に行けそうにないんだよな。明日は、少しクラシアのところに行ってくる。そこから、もしかしたらしばらく帰ってこないかもしれん。留守になったときは頼んだぞ」

「また急だね。了解。またあとで部屋に行っていい?ちょっと話したいことがある」


 レベッカはイルやアリンの方を一瞬だけチラッと見ると、なにか言いにくそうに言ってきた。

 レベッカから話したいこと?なんだろうか。まぁいいか。このあとも、どうせ草案の仕分をするくらいだ。話す時間はあるだろう。


「あぁ、わかった。いつでも来い。何でも聞いてやる」

「じゃあ、ご飯を食べたら行くね」


 アリンも焼き上がりのタイミングを図っていたのだろうか。レベッカが席に座ったと同時に椀に入った牡丹鍋を持ってきた。


「アリンさん、ありがとうございます。おふたりもタイミングは気にせずに召し上がって下さいね」

「お気遣いありがとうございます。私どもも、出来上がり次第いただきます」


 本当にアリンは丁寧だよな。それに、イルもよく働いてくれる。

 もしかすると、メイドの数が少ないから、自分がやらないといけない。とか思っていそうだけど。

 まぁ、手持ち無沙汰を演じてサボるメイドなんていらないしな。それに、サイのところでもあった派閥問題でややこしくしたくないし、いじめなんてものはもってのほかだ。とはいえ、暗殺のリスクを減らしたいのも本音だ。

 だから、少数精鋭でレベッカたちにも手伝ってもらってと言う形をとっている。

 正直、これが一番理にかなっている。

 さすがに、メイドがいないのはそれはそれでやりにくいところはあるから、やはり、この数を雇って仕事をしてもらうのが一番だなって思う。


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