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8gの花火

「動くな!」

 拳銃を構え、威嚇のつもりで地面を撃った。

 犯人は立ち止まり、手を挙げこちらを向いた。

 距離は十五、四。犯人が少しずつ近づいてきているが、まだこちらの間合いだ。

「止まれ。膝をついて両手は頭の後ろに」

 犯人の目は小さく揺れながら、俺をしっかり捉えている。その眼差しに映るのは恐怖や諦めではなく、隙を窺う獰猛な獣のそれであった。拳銃を握る両手に力がこもる。犯人は指示に従った。

 視線が、一瞬、俺の背後にずれたのを見逃さない。

「今だ!」

 犯人が叫ぶのと同時に、俺は後ろを振り返ったが、そこには誰もいない。

「くそっ」

 振り向くと、犯人はすでに走り出していた。

 ナイフでも持って襲ってくるかとも思ったが、背を向け全力疾走である。

 いっそ清々しい。

 狙いを定め、引き金に置いた人差し指が動く。

 その背に、八グラムの花火が咲いた。

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