連絡
真夏の昼間に花山道場の電話が鳴った。正一が電話を取った。正森ネットワークの白木陽一からで、緊急の用件だった。
依頼の内容は、ある人物の保護だった。車での移動中に襲われたので、道場に避難させてほしい。できれば腕の立つものをボディーガードにつけてくれという。
「その人物はどのような方ですか?」と正一。
「竹田美津子という女性だ。電話では話せない込み入った事情があるのだが、格式の高い家柄の方なので、正装をして出迎えてもらえないか」と白木。
「わかりました」と正一。
「そちらにはご当主様はおられるのですか?」と白木。
「弘樹はいませんが、蓮と蘭がいます」と正一。
「それは都合がよい。竹田様は若い女性なので、警護は女性の方が都合がいいのです」と白木。
「それでいつごろ到着するのでしょうか?」と正一。
「実は通信を妨害されていて、うまく連絡がつかないのです。そちらの場所はかろうじて伝わったようなので、間もなくつくはずです」と白木。
「妨害された通信とは、電話ですか?」と正一。
「電話と無線すべてです。警察の無線も含めて」と白木。
「わかりました。すぐ準備をします」と正一。「敵は銃を使うのですか?」
「それもわからないのです」と白木。「とにかく私もすぐそちらに向かいますから、保護をお願いします。」
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