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淡々三国志  作者: ンバ
蜀書第七、龐統伝
547/603

四・註七、流れ矢に斃る/義妹は賢婦

4.

進圍雒縣,統率眾攻城,為流矢所中,卒,時年三十六。先主痛惜,言則流涕。拜統父議郎,遷諫議大夫,諸葛亮親為之拜。追賜統爵關內侯,諡曰靖侯。統子宏,字巨師,剛簡有臧否,輕傲尚書令陳袛,為袛所抑,卒於涪陵太守。統弟林,以荊州治中從事參鎮北將軍黃權征吳,值軍敗,隨權入魏,魏封列侯,至鉅鹿太守。

(訳)

進軍して雒県を囲み、

龐統は部衆を率いて城を攻めたが

流れ矢にあたってしまい、卒した。

時に三十六歳であった。


先主は痛惜し、

(龐統の事を)言えば流涕した。


龐統の父は議郎に拝され

諫議大夫に遷ったが、

諸葛亮が自ら彼のために

任命したものであった。


龐統に関内侯の爵位を追賜し

靖侯と諡した。


龐統の子の龐宏ほうこうは字を巨師きょすい


龐統の弟の龐林ほうりん

荊州治中従事として

鎮北将軍黄権の呉征討に参加したが、

軍の敗北に直面すると

黄権に隨って魏へ入国した。

魏で列侯に封じられ、鉅鹿太守に至った。


註7.

襄陽記曰:林婦,同郡習禎妺。禎事在楊戲輔臣贊。曹公之破荊州,林婦與林分隔,守養弱女十有餘年,後林隨黃權降魏,始復集聚。魏文帝聞而賢之,賜床帳衣服,以顯其義節。

(訳)

襄陽記にいう、

龐林の妻は同郡の習禎しゅうていの妹。

習禎の事績は楊戯ようぎの輔臣賛にある。


曹公が荊州を破ると、龐林の妻は

龐林と離れ離れになってしまい、

弱女(幼い娘)を守り、養育する事

十余年にもおよんだが、

後に龐林が黄権に隨って魏に降った際に

やっと再会することができた。


魏の文帝(曹丕)はこの事を聞くと

彼女を賢明であるとみなし、

床・帳・衣服を賜って

その義節を顕彰した。


(註釈)

先主伝だと、

(212年に入ってから)

進軍圍雒,時璋子循守城,被攻且一年。十九年(214)夏,雒城破…


呉範伝だと、

及壬辰歲(212),範又白言:「歲在甲午,劉備當得益州。」後呂岱從蜀還,遇之白帝,說備部衆離落,死亡且半,事必不克。權以難範,範曰:「臣所言者天道也,而岱所見者人事耳。」備卒得蜀。


……とあり、劉備軍が雒城で

相当手こずっているのがわかる。


先主伝の入蜀パートでは

龐統は最初にちょろっと出てくるのみ。

雒城攻めの際に流れ矢に当たり

戦死してしまったようだ。


龐統の話題が出るたびに

劉備が泣いてるし、

季漢輔臣賛に普通に出てくるし

蜀で諡号まで貰ってるから

孫呉のまわし者説は薄くなった。


演義だと「落鳳坡」っていう

むっちゃ不吉な地名で落命する筋書き。


龐統の弟と、妻子は

蜀側と魏側に分かたれてしまったが、

夷陵の戦いの時に、龐林が

黄権といっしょに魏に降った事で

再会がかなった。本当に良かった。


習禎しゅうていは、季漢輔臣賛に

記述があります↓


文祥名禎,襄陽人也。隨先主入蜀,歷雒、郫令,(南)廣漢太守。失其行事。子忠,官至尚書郎。 〈襄陽記曰:習禎有風流,善談論,名亞龐統,而在馬良之右。子忠,亦有名。忠子隆,為步兵校尉,掌校秘書。〉

(訳)

習文祥は名を禎といい、襄陽の人である。

先主の入蜀に隨い、らくの県令、

(南)広漢こうかん太守を歴任した。

その行跡、事績は欠失している。

子の習忠しゅうちゅうは尚書郎の官まで至った。


襄陽記にいう、

習禎は風流を有し談論が得意であり

名声は龐統にぎ、馬良ばりょうの右にあった。

子の習忠もまた名声を有していた。

習忠の子の習隆しゅうりゅうは歩兵校尉となり、

秘書の校訂を掌った。


習鑿歯しゅうさくしはこの習禎の後裔だそうです。


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