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淡々三国志  作者: ンバ
蜀書第七、龐統伝
542/603

註二・註三、駑馬と駑牛/樊子昭

註2.

張勃吳錄曰:或問統曰:「如所目,陸子為勝乎?」統曰:「駑馬雖精,所致一人耳。駑牛一日行三百里,所致豈一人之重哉!」劭就統宿,語,因問:「卿名知人,吾與卿孰愈?」統曰:「陶冶世俗,甄綜人物,吾不及卿;論帝王之秘策,攬倚伏之要最,吾似有一日之長。」劭安其言而親之。

(訳)

張勃ちょうぼつ呉録ごろくにいう、

(陸子は駑馬、顧子は駑牛という

評価に対して)

或る者が龐統に問うて言った。


「目する所の如くであれば、

陸子のほうが勝っているのですか?」


龐統は言った。


「駑馬は精悍であると雖も

一人しか運べない、

駑牛は一日三百里を行き

致す所がどうして

一人の重さだけであろう」


顧劭こしょうは龐統のもとをおとずれて

宿泊し、語らうと

そこでこのように問うた。


「卿は人物を知ることで有名ですが

吾と卿ではいずれが勝ってますか?」


龐統は言った。


「世俗の陶冶とうや、人物の※甄綜けんそうでは

(※総合し鑑定すること)

吾は卿に及ばない。


帝王の秘策を論じて

倚伏(禍福の因果)の要諦の

最たる部分をることでは

吾に一日の長があるようだ」


顧劭はその言葉に納得し

彼と親交した。


註3.

蔣濟萬機論雲許子將褒貶不平,以拔樊子昭而抑許文休。劉曄曰:「子昭拔自賈豎,年至耳順,退能守靜,進能不苟。」濟答曰:「子昭誠自長幼完潔,然觀其臿齒牙,樹頰胲,吐脣吻,自非文休敵也。」胲音改。

(訳)

蒋済しょうせいの万機論にいう、

許子将きょししょう(許劭)の褒貶は公平でなく

はん子昭ししょうを抜き出して

きょ文休ぶんきゅう(許靖)を抑えている」

劉曄りゅうようが、

「子昭は賈豎こじゅ(商人の蔑称)

から抜きん出て、

年が耳順じじゅん(60歳)に至ると

退いては能く静けさを守り

進んでは能く

(物事を)なおざりにしなかった」


と言うと、蒋済は答えて言った。


「子昭は誠に幼い頃から成長するまで

清潔さを全うしているが、

その歯牙をうすづかせて

頰胲(ほほ肉)をたて(??)

脣吻しんぷんを吐いている

のを観ると

自ずから文休の敵ではない」


胲の音は改。


(註釈)

蒋済4回目の登場。

曹操が関羽に攻められてテンパってる時、

司馬懿がクーデター起こした時、

温恢おんかい伝だと丹楊たんよう太守から

中央に呼び戻されてる。


龐統が全琮ぜんそうとの比較で名前を出した

汝南じょなんの樊子昭。

劉曄りゅうようもなかなかの人物だと

述べているが、蒋済はハッキリと

許靖きょせいには及ばない」と断じている。


臿其歯牙は、筑摩訳だと

「歯をカチカチ鳴らして…」


臿の意味がうまくとれない。

脱穀? とか臼とか挿す、

の意味で使われるみたいだが

この場合、臼つくように

歯をカチカチ鳴らすってこと??


頬肉を「樹」?

たてる、とか培養の意味では通らない。

筑摩訳では

「(頬肉を)ぴくつかせ…」

となっています。


脣吻うんぬんは、

口角泡を飛ばす的な表現だと思う。

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