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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第十一、管寧伝
531/603

八・註十、曾子・王駿を嘉す

8.

於是特具安車蒲輪,束帛加璧聘焉。會寧卒,時年八十四。拜子邈郎中,後為博士。初,寧妻先卒,知故勸更娶,寧曰:「每省曾子、王駿之言,意常嘉之,豈自遭之而違本心哉?」

(訳)

ここにおいて

特別に安車蒲輪あんしゃほりんそなえられ

帛を束ね、璧を加えて招聘された。


折しも管寧は卒してしまった。

時に、八十四歳だった。


子の管邈かんばくを拝して郎中とし、

その後、博士とした。


当初、管寧は妻に先立たれており

旧知の者があらためて

(後妻を)娶る事を勧めると、

管寧はこう言った。


曾子そうし王駿おうしゅんの言を省みる毎に

内心では常に彼らを嘉しておりました、

どうして自らがこれに遭遇したとて

本心を違えましょうか」


註10.

傅子曰:寧以衰亂之時,世多妄變氏族者,違聖人之制,非禮命姓之意,故著氏姓論以原本世系,文多不載。每所居姻親、知舊、鄰里有困窮者,家儲雖不盈擔石,必分以贍救之。與人子言,教以孝;與人弟言,訓以悌;言及人臣,誨以忠。貌甚恭,言甚順,觀其行,邈然若不可及,即之熈熈然,甚柔而溫,因其事而導之於善,是以漸之者無不化焉。寧之亡,天下知與不知,聞之無不嗟歎。醇德之所感若此,不亦至乎!

(訳)

傅子にいう、

管寧は衰退、混乱の時代に

氏族を妄りにえる者が多く

聖人の制度を違え、命姓の礼の意図に

ないものと考えたために

「氏姓論」により原本の世系を著したが、

文章量が多いため、掲載はしない。


居する所の姻親、旧知、隣の里に

困窮した者が有る毎、

家の儲蓄が※擔石にちなくとも

(※擔は2石、わずかな量)

必ず分けてこれを贍救せんきゅうした。


人の子と話をする際には孝を教え、

人の弟と話をする際には悌をおしえ、

人臣に言及すると、忠をおしえた。


かおつきは甚だ恭敬、言葉は甚だ順直で、

その行いを観るに、邈然としていて

及ぶ事ができないかのようだった。


彼に即くと熈熈きらきらとしていて

甚だ温柔であり、

その事える所に因り

これを善へと導いた。

こうして、彼がすすめた者が

感化されぬ事はなかった。


管寧が亡くなると、天下は

(管寧を)知っていても知らなくても

これを聞いて嗟歎せぬ者はなかった。


あつき徳の感化する所が

かくの如くであるのは、

また至高の事ではないだろうか。


(註釈)

「安車蒲輪」は魯粛伝で履修済み。


「曾子」は孔子の弟子の曾参のこと。

仲尼弟子列伝だと

「曾參,南武城人,字子輿。少孔子四十六歳。

孔子以爲能通孝道,故授之業。作孝經。死於魯」

としか書かれてないけど、

妻に先立たれた際に

二人の子(華と元)のことを思って

再婚しなかったという。


また、呉起列伝にも登場し、

母の喪に駆け付けなかった

呉起を破門していた。


宣為少府月餘,遂超御史大夫,至丞相。駿乃代宣為御史大夫,並居位。六歲病卒,翟方進代駿為大夫。數月,薛宣免,遂代為丞相。眾人為駿恨不得封侯。駿為少府時,妻死,因不復娶,或問之,駿曰:「德非曾參,子非華、元,亦何敢娶?」


↑前漢の御史大夫、王駿も同様のケースで

理由を問われたとき


「徳は曾子に及ばないし

子も華と元程ではない、

またどうして娶ろうか」

と答えた。

(漢書72巻による)



管寧評価。


・戦闘 ★★★★★ 5

戦闘描写皆無ですが

身長が八尺もあるので

原点から下げないでおきます。


・戦略 ★★★★★★ 6


遼東を離れるタイミングが

絶妙だったと言わざるを得ない。

管寧的な暮らしやすさは

公孫度、公孫康>曹魏>公孫恭、公孫淵

だったんだろうなっていう。


・内政 ★★★★ 4

実績を重視してるから

隠者カテゴリーの人はどうしても

ここは低く評価せざるを得ない。


・人格 ★★★★★★★★ 8


色んな人からベタ褒めされており

周囲の人間を染化した。


巴で20年くらい暴走してたのが甘寧。

燕に37年隠遁してたのが管寧。


37年ぶりに暮らす故郷って

どーゆー気持ちになるんだろうねぇ。

ああ、あのラーメン屋まだあんのかぁ

みたいになるんかな。


これで11巻は終わり……かと思いきや

王烈のように突如挿話される列伝が。


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