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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第十一、田疇伝
508/603

註三・註四、裴松之が斬る!!

註3.

臣松之以為田疇不應袁紹父子之命,以其非正也。故盡規魏祖,建盧龍之策。致使袁尚奔迸,授首遼東,皆疇之由也。旣已明其為賊,胡為復弔祭其首乎?若以甞被辟命,義在其中,則不應為人設謀,使其至此也。疇此舉止,良為進退無當,與王脩哭袁譚,貌同而心異也。

(訳)

わたくし松之としては

田疇が袁紹父子の命に応じなかったのは

それが正しくないと判断したものと考える。


故に、魏祖(曹操)のためにはかりごとを尽くして

盧龍の策を建てたのである。


袁尚を奔騰させ、

遼東に首を授けさせる

事態に至ったことは

すべて田疇のお陰であった。


すでに彼を明確に

賊と見なしておきながら

どうしてまたその首に

弔問や祭祀をおこなったのか?


もし以前に辟命を被り

義理がその中にあったのならば、

則ち、人の為に謀を設けて

ここまでの事態に至らせる

べきではなかろう。


田疇のこうした挙止ふるまい

進退を為すにまったく

妥当なものではない。


王脩が袁譚のために哭した事と

貌(表面)は同様だが、

心は異なっている。


註4.

先賢行狀載太祖令曰:「蓨令田疇,志節高尚,遭值州里戎夏交亂,引身深山,研精味道,百姓從之,以成都邑。袁賊之盛,命召不屈。慷慨守志,以徼真主。及孤奉詔征定河北,遂服幽都,將定胡寇,特加禮命。疇即受署,陳建攻胡蹊路所由,率齊山民,一時向化,開塞導道,供承使役,路近而便,令虜不意。斬蹋頓於白狼,遂長驅於柳城,疇有力焉。及軍入塞,將圖其功,表封亭侯,食邑五百,而疇懇惻,前後辭賞。出入三載,歷年未賜,此為成一人之高,甚違王典,失之多矣。宜從表封,無久留吾過。」

(訳)

先賢行状は太祖の命令を掲載している。

いわく、


「蓨の令である田疇は

志節が高尚であり、

州里に戎狄(異民族)、華夏(漢民族)が

交錯する混乱に遭遇して

深山へと身を立ち退かせ

研鑽して道義を味わい

百姓は彼に従って都邑を成した。


袁賊が強盛であった頃、

召命に屈従せず、

慷慨として志を守り、

真なる主君をもとめた。


わたしが詔を奉じて

河北を征伐、平定すると

遂に幽州の都は服属した。


えびすの寇掠を平定せんとして

特別に礼を込めた命を加えると、

田疇は即座に署置を受け、

胡を攻めるための経路を建言し、

山民を統率して一時に教化へ向かわせ、

塞がった場所を開通させ

道を案内し、労役を引き受けてくれたが、

路は近くて便利なもので、

虜(敵)に予想すらさせなかった。


白狼に於いて蹋頓とうとんを斬り、

遂には柳城へと長躯できたのは

田疇の尽力が有ったためである。


軍が塞(国境)へ入るに及んで

その功績を図り、亭侯に封じて

食邑五百を与えるとの

上表をおこなおうとしたが、

田疇は懇惻(大変な誠実さ)で、

前後にわたって賞与を辞退した。


出入りすること三年、

年を経ても下賜を受け付けていない。

これは一人の高尚さを

成就させるものではあるが

甚だ王の典範を違えており

損失するところが多い。


上表に従って封じるべきであって、

久しく吾が過ちを留めて

おかないでほしい」


(註釈)

袁尚を逆賊と見なして

追い詰める策を立てておきながら

袁尚の祭祀を行うのは

道理に外れているというのが

裴松之の意見。


田疇はあくまで烏丸を

やっつけるための策を立てた

という事で、袁尚を殺す気は

なかったという事にしといてくれ。


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