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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第十一、国淵伝
501/603

一・註一・註二、屯田を取り仕切る

1.

國淵字子尼,樂安蓋人也。師事鄭玄。後與邴原、管寧等避亂遼東。旣還舊土,太祖辟為司空掾屬,每於公朝論議,常直言正色,退無私焉。太祖欲廣置屯田,使淵典其事。淵屢陳損益,相土處民,計民置吏,明功課之法,五年中倉廩豐實,百姓競勸樂業。太祖征關中,以淵為居府長史,統留事。田銀、蘇伯反河閒,銀等旣破,後有餘黨,皆應伏法。淵以為非首惡,請不行刑。太祖從之,賴淵得生者千餘人。破賊文書,舊以一為十,及淵上首級,如其實數。太祖問其故,淵曰:「夫征討外寇,多其斬獲之數者,欲以大武功,且示民聽也。河閒在封域之內,銀等叛逆,雖克捷有功,淵竊恥之。」太祖大恱,遷魏郡太守。

(訳)

国淵こくえんは字を子尼しじ、楽安の蓋の人である。

鄭玄ていげんに師事し、その後は

邴原へいげん管寧かんねいらとともに

遼東へ動乱を避けた。


旧地を帰還したのち

太祖は召辟して司空の掾属とし、

公朝にて議論が行われるたび

常に顔色を正して直言し、

退出しても私情をあらわさなかった。


太祖は広きに屯田を置きたいと考えて

国淵にその事業を取り仕切らせた。


国淵は屢々(しばしば)損益を陳べ、

土をみて民を処し、

民を計って役人を置き、

功課(業務評価)の規則を明確なものとした。

五年の間に倉廩は充実し、

百姓は競って勤め

生業に前向きに取り組むようになった。


太祖が征伐している間は

国淵を居府長史として

留守中の事を統括させた。


田銀でんぎん蘇伯そはくが河間にてそむいた際、

田銀らを破った後も残党がおり、

皆が(首魁の罪に)応じて

法に処される事になっていたが、

国淵は、首謀者でない事から

刑罰を執行せぬよう要請した。


太祖はこれに従い、

国淵を頼りに生存がかなった者は

千余人にのぼった。


賊を撃破したさいの文書は、

旧制では一を以て十と為していたが、

国淵は首級を奏上するに及んで

その実数の通りとした。


太祖がそのわけを問うと、

国淵は言った。


「そもそも外部の賊を征討するさいに

その斬獲の数を増やしますのは、

そうする事で武功を誇大化し、さらに

民の耳に誇示せんがためです。


河間が封域の内にあり、

田銀らが叛逆しましたからには

勝利して功績をあげたと雖も

わたしは密かにこれを恥じているのです」


太祖は大いに悦んで

魏郡太守に遷した。



註1.

玄別傳曰:淵始未知名,玄稱之曰:「國子尼,美才也,吾觀其人,必為國器。」

(訳)

鄭玄別伝にいう、

国淵ははじめ名を知られていなかったが、

鄭玄は彼をたたえて言っていた。


「国子尼は俊才である。

吾がかの人を観るに、

間違いなく国器となるであろう」


註2.

王沈魏書曰:淵篤學好古,在遼東,常講學於山巖,士人多推慕之,由此知名。

(訳)

王沈の魏書にいう、

国淵は篤学で古典を好み、

遼東に在ったさいに

常に山の巌にて講学して

士人の多くが彼を推重、仰慕しており

この事に由って名を知られた。



(註釈)

国淵は青州楽安のひと。


ゲームだと

政治のパラメータが90近くて

かなり重宝したのを覚えてます。

夏侯惇かこうとん伝に出てきた韓浩かんこう

85以上あるので、屯田絡むと強い。


鄭玄門下で評判が高く、

中原が荒れると遼東へ避難。

やがて曹操に帰順して

屯田の事業を取り仕切った。


蘇伯と田銀の反乱は

曹仁伝などにも記述あり。


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