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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第十一、張範伝
499/603

二・註一、賊徒と遊ぶな子供たち

2.

太祖平冀州,遣使迎範。範以疾留彭城,遣承詣太祖,太祖表以為諫議大夫。範子陵及承子戩為山東賊所得,範直詣賊請二子,賊以陵還範。範謝曰:「諸君相還兒厚矣。夫人情雖愛其子,然吾憐戩之小,請以陵易之。」賊義其言,悉以還範。太祖自荊州還,範得見於陳,以為議郎,參丞相軍事,甚見敬重。太祖征伐,常令範及邴原留,與世子居守。太祖謂文帝:「舉動必諮此二人。」世子執子孫禮。救恤窮乏,家無所餘,中外孤寡皆歸焉。贈遺無所逆,亦終不用,及去,皆以還之。建安十七年卒。魏國初建,承以丞相參軍祭酒領趙郡太守,政化大行。太祖將西征,徵承參軍事,至長安,病卒。

(訳)

太祖は冀州を平定すると

使者を遣わして張範を迎えた。


張範は病気により彭城に留まっており

張承を遣わして太祖のもとを詣でさせたので、

太祖は上表して諫議大夫かんぎたいふとした。


張範の子の張陵ちょうりょう及び

張承の子の張戩が

山東の賊の為にとらわれると、

張範は直ぐに賊のもとへ

二子の(返還の)要請に向かい、

賊は張陵を張範に返還した。


張範は感謝して述べた。


「諸君が子どもを返してくれた事には

感謝している。


そもそも人情からいって

その子(張陵)を愛していると雖も

吾は戩の幼さを憐れんでしまう、

どうか陵と彼とを取り替えてほしい」


賊はその言葉に道義を感じて

悉く(二人とも)張範に返してやった。


太祖が荊州から帰還すると

張範は陳(陣?)に於いて見え得て

議郎・参丞相軍事となり、

甚だ敬重された。


太祖は征伐のさい、

常に張範及び邴原へいげんに留まるよう命じて

世子(曹丕)とともに留守をまかせた。


太祖は文帝(曹丕)に、

「行動を起こす際には必ずこの二人に諮れ」

と謂っていた。


世子は(張範に対して)

子や孫としての礼を執った。


窮乏した者を救恤して

家には余財がなく、

内外の※孤寡こかは皆、彼に帰順した。

(※みなしごとやもめ)


贈呈されたものを突き返す事はなかったが

一方で終ぞ使用することもなく、

去るに及んですべて返還した。


建安十七年(212)に卒した。


魏が建国された当初

(弟の)張承は丞相参軍祭酒、

領趙郡太守となっており、

善政、教化が大いに行き渡った。


太祖は西征しようとした際に

張承を参軍事に徵したが、

長安へと至った際に病没した。



註1.

王沈魏書曰:文帝即位,以範子參為郎中。承孫邵,晉中護軍,與舅楊駿俱被誅。事見晉書。


(訳)

王沈の魏書にいう、

文帝が即位すると、

張範の子の張参を郎中とした。


張承の孫の張邵は晋の中護軍であったが、

舅の楊駿ようしゅんとともに誅殺された。


この事は晋書に見える。



(註釈)

曹操が冀州平定してから傘下に入る。


邴原とともに曹丕のアドバイザーに据えて

留守番を任せた。

赤壁、合肥、潼関と

曹操も外征に忙しいからね。


212、荀彧と同じ年に亡くなる。


張承は西征の際に亡くなったとあるので

没年は215年前後だろう。


註釈の魏書では、

「この事は晋書に見える」ってあるけど

どの晋書を指してるかは定かではない。


淡々晋書で読んでる「晋書」は

唐の時代に編纂されたものなので

ここでいう「晋書」とは100%別物の筈です。


時期的に、王隠の親父さんが書いてたやつかな?



・張範評価

戦闘 ★★★★ 4

戦略 ★★★★★★ 6

内政 ★★★★★ 5

人格 ★★★★★★★ 7


・張承評価

戦闘 ★★★★★ 5

戦略 ★★★★★ 5

内政 ★★★★★★ 6

人格 ★★★★★ 5


仕官が遅かったので

活躍時期が意外と短かかった。


次は涼茂伝。


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