表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
淡々三国志  作者: ンバ
呉書第十八、呉範伝
422/603

一・二、会稽の風水師

今回は呉書十八。

方技伝的な扱いで

全編ぱっと見手品大会です。

1.

吳范字文則,會稽上虞人也。以治歷數知風氣聞於郡中。舉有道,詣京都,世亂不行。會孫權起於東南,范委身服事,每有災祥,輒推數言狀。其術多效,遂以顯名。

(訳)

呉範ごはんは字を文則ぶんそく会稽かいけい上虞(じょうぐ)県の人である。


暦数を治め、風気を知っている事から

郡中に聞こえていた。


有道ゆうどうに推挙されて

京都を詣でる事となったが、

世が乱れている事から、履行しなかった。


ちょうど孫権が東南に決起した頃、

呉範は身を委ねて服事し、

災害や瑞祥が起こるたびに

その都度情理を推し量って

状況を陳述したが(絵で表現した?)

そうした術が効果をあらわす事が多く

遂には名が顕らかとなった。


(註釈)

呉範ごはんちゃんが風水師になっちまっただ。


200年前後?くらいに

察挙科目の一つの有道に

推挙されたが、情勢不安から

都へ赴く事はしなかった。


孫権に仕えて、

占いでこれをサポートした。

災害や瑞祥が起こると

原因とかその意味とかを

教えてくれるポジション。


蜀にも呉班ごはんがいるけど、別人です。


2.

初,權在吳,欲討黃祖。范曰:“今茲少利,不如明年。明年戊子,荊州劉表亦身死國亡。”權遂征祖,卒不能克。明年,軍出,行及尋陽,范見風氣,因詣船賀,催兵急行,至即破祖,祖得夜亡。權恐失之,范曰:“未遠,必生禽祖。”至五更中,果得之。劉表竟死,荊州分割。及壬辰歲,范又白言:“歲在甲午,劉備當得益州。”後呂岱從蜀還,遇之白帝,說備部眾離落,死亡且半,事必不克。權以難范,范曰:“臣所言者天道也,而岱所見者人事耳。”備卒得蜀。


(訳)

当初、孫権は呉に在りて

黄祖こうそを討伐しようと考えていた。


呉範は言った。


「今この(状況では)利が少なく、

明年になさるに越した事はございません。


明年は戊子ぼしであり、

荊州の劉表もまた死して

国が亡びます」


孫権は遂に黄祖を征伐したが

結局勝利する事はできなかった。


明年(208)、軍を出して

行軍は尋陽じんように及んだ。


呉範は風気を見、そこで

船を詣でて祝賀し、

兵に急行するよう催促して

到着するや黄祖を破った。

黄祖は夜に逃げ果せた。


孫権はこれを見失う事を恐れたが

呉範は言った。


「遠からずして必ずや黄祖を生捕りにできます」


五更の時刻内に至って、

果たせるかな彼は捕われた。


劉表も竟には死に、

荊州は分割された。


壬辰の歳(212)に及んで

呉範はまたも建白した。


「歳が甲午に至る頃(214)に

劉備が益州を得るでしょう」


その後、呂岱りょたいが蜀より帰還して

白帝でこれ(劉備)と遭遇し、

「劉備の部衆は離散落伍して

使者が半数にのぼろうとしており、

事は間違いなく成就しません」

と説いた。


孫権は呉範を非難したが、呉範は言った。


「臣の申し上げる所は天道であり、

呂岱の見た所は人事にすぎません」


劉備はついに蜀を得た。


(註釈)

おめぇの出番だぞ、呉範ごはん


黄祖と劉表の末路を予言し、

劉備の蜀取りも成功すると断言。


帰りがけに劉備を見かけた呂岱が

「劉備軍ぼろぼろですよ、負けます」

と報告したため、孫権は難癖をつけたが

結局これも当たった。


劉備、らく城で超手間取ってたけど

本当に兵士半分もやられてたの?


劉備の入蜀については

趙雲伝、法正伝に詳しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ