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淡々三国志  作者: ンバ
呉書第四、劉繇伝
407/603

五・註三、孫氏からの寵遇

劉繇の子、劉基りゅうき伝。


袁術の子らと同様に

孫策・孫権に礼遇されたようです。

5.

繇長子基,字敬輿。年十四,居繇喪盡禮,故吏饋餉,皆無所受。姿容美好,孫權愛敬之。權為驃騎將軍,辟東曹掾,拜輔義校尉、建忠中郎將。權為吳王,遷基大農。權嘗宴飲,騎都尉虞翻醉酒犯忤,權欲殺之,威怒甚盛,由基諫爭,翻以得免。權大暑時,嘗於船中宴飲,於船樓上值雷雨,權以蓋自覆,又命覆基,餘人不得也。其見待如此。徙郎中令。權稱尊號,改為光祿勳,分平尚書事。年四十九卒。後權為子霸納基女,賜第一區。四時寵賜,與全、張比。基二弟,鑠、尚,皆騎都尉。


(訳)

劉繇の長子の劉基りゅうきは字を敬輿けいよという。


年は十四で、劉繇の喪に服して礼を尽くし、

故吏からの饋餉きしょう

全て受け取らなかった。


容姿が美しく、孫権は彼を愛敬していた。


孫権が驃騎ひょうき将軍となると

東曹掾とうそうえんとして召辟され

輔義ほぎ校尉こうい建忠けんちゅう中郎将ちゅうろうしょうに拝された。


孫権が呉王となると、

劉基は大農(大司農?)に遷った。


孫権が嘗て酒宴を催した際、

騎都尉きとい虞翻ぐはん

酒にって犯忤はんごした。


孫権は彼を殺そうとし、

震怒する事は甚だ盛んであったが、

劉基がそこで諫争したために

虞翻は免れる事ができた。


孫権が、大暑の時節に

嘗て船中で酒宴を開いた事があったが、

船の樓上が雷雨に直面してしまい、

孫権はかさを以て自らを覆う一方で

劉基にも覆うように命じたが、

余人は(カサを)得る事ができなかった。


彼が厚遇される事はかくの如くであった。


郎中令に遷った。


孫権が尊号を称すると(皇帝に即位)、

改めて光禄勲こうろくくんとなり

平尚書事に分かれた。


四十九歳で卒した。


その後、孫権が子の孫覇そんはの為に

劉基の娘を結納させ、やしき一區を賜った。


四時の寵賜は全氏・張氏にならんだ。


劉基の二人の弟、劉鑠りゅうしゃく劉尚りゅうしょう

いずれも騎都尉であった。



註3.

吴书曰:基遭多难,婴丁困苦,潜处味道,不以为戚。与群弟居,常夜卧早起,妻妾希见其面。诸弟敬惮,事之犹父。不妄交游,门无杂宾。


(訳)

呉書にいう、

劉基は多難に遭遇し、 

困苦に直面したが、

密かに処世して道を味わい

その為にうれえる事はなかった。


弟らとともに居して

常に夜遅くに臥せり

朝早くに起き、妻妾も

彼の面を見ることは稀であった。


諸弟は敬い憚って

父のように彼に事えた。


妄りに交遊せず、

乱雑な客が家門を訪れる事はなかった。



(註釈)

孫権には、部下が酔い潰れるまで

酒を勧める悪癖がある。


虞翻ぐはんは、孫権が酒を注いで

各人の席を回っていた時に

酔ったフリをしてやり過ごしたため

孫権をかんかんに怒らせてしまう。


みんなが諌める中、孫権は


「曹操だって孔融を殺したんだから

俺が虞翻を殺しても問題あるまい」


と、とんでもないことを言ってのける。


結局、虞翻は僻地に左遷され

孫権は「酒が入った時の命令は無視して」

とのお達しを出すのであった。


劉繇が死んだ時(197)に

数え14歳とすると、

劉基は184年生まれかな。


49歳没だから、232年?



「四時寵賜,與全、張比」


の「全」と「張」は

全琮ぜんそう張昭ちょうしょうっていうのが一般的だけど

ワシは違うと思う。


劉基の娘が孫覇の嫁になって

その話題になってるんだから

彼女と比較された「全」と「張」は

女性を指してるんじゃないだろうか。


そもそも張昭は

二宮の変の頃には死んでるわけだし

孫権は晩年の彼に

閑職をあてがったんだから

破格の待遇の例として挙げるには

不自然な気がする。


孫亮の()夫人と、孫和の()夫人が、

孫覇の劉夫人と同じ待遇で、つまり

孫覇が皇太子じゃないのに

皇太子レベルの扱いをされてた事実の

裏付けになる描写だとおもう。


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