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淡々三国志  作者: ンバ
呉書第四、太史慈伝
395/603

三、孫策VS太史慈

3.

揚州刺史劉繇與慈同郡,慈自遼東還,未與相見,暫渡江到曲阿見繇,未去,會孫策至。或勸繇可以慈為大將軍,繇曰:「我若用子義,許子將不當笑我邪?」但使慈偵視輕重。時獨與一騎卒遇策。策從騎十三,皆韓當、宋謙、黃蓋輩也。慈便前鬥,正與策對。策刺慈馬,而攬得慈項上手戟,慈亦得策兜鍪。會兩家兵騎並各來赴,於是解散。


(訳)

揚州刺史の劉繇りゅうよう

太史慈は同郡の出身であったが、

太史慈は遼東から帰還して以来

いまだ相見えておらず、

暫くして長江を渡り

曲阿は到達して劉繇に見え、

立ち去らぬうちにちょうど孫策が至った。


或る者が劉繇に

太史慈を大将軍とするように

勧めたが、劉繇は、


「我がもし子義(太史慈)を用いたなら

許子将(許劭)が我のことを

笑うのではないか?」


と述べ、

ただ太史慈を軽重の偵察に

遣わすのみであった。


この時、


孫策は韓当・宋謙・黄蓋ら

十三体の騎馬を従えていた。


太史慈はすぐに前進して勝負を挑み

正面から孫策に相対した。


孫策は太史慈の馬を刺撃して

太史慈の項の上から手戟を獲得し、

太史慈もまた孫策の兜鍪かぶとを得た。


ちょうど両家の兵士や騎馬が

揃ってそれぞれ駆け寄せてきたので

こうして解散した。


(註釈)

劉繇りゅうよう東莱とうらい郡の人だから

同郷のよしみを頼って

太史慈は揚州へ向かった。

孔融こうゆうのもとへ行く発想はないらしい……。


劉繇は朝廷の任命した揚州刺史。

(たぶん李傕りかく郭汜かくしから)

難しい江南の接収を任されたけど

南陽から移ってきた袁術の勢力

っていうか孫策に潰された印象。


孫策VS劉繇に関しては

1巻の討逆(孫策)伝、

2巻の周瑜伝で触れましたので

詳しくはそちらをご覧ください。


孫策が江南に進出するの

194年ごろからなので

やっぱ太史慈が孔融助けたのも

このあたりの時期ですな。


しばらく劉繇のもとに

逗留していた(?)太史慈。

出て行こうとしたとき、

おりしも孫策が攻めてきた。


太史慈を

大将軍に任命してはどうかと

劉繇に勧める者がいたが、


許劭きょしょうに笑われやしないか」


として断った。

人物批評の大家、許劭が

この時劉繇の陣営にいたのね。


無名の太史慈を重用したら

何言われるかわからんよ、

という文句であり、

太史慈の真価を見抜けない

劉繇の無能さをあげつらう

エピソードのようだけど、

実際のところは

太史慈は海のものとも

山のものとも判断がつかない。


今のところ、上奏文破棄と

劉備に救援を頼んだ程度しか

やってないから、

武将としての能力なんて

そうそう推し量れるもんじゃないよね。

保留にしとくのが賢明であって

劉繇の判断は極めて妥当に見えます。


演義だと、許劭とか関係なしに

「お前はまだ若いから

大将にはなれないよ。

命令を待ってなさい」

って言われてる。

演義の作者は、太史慈伝の初っ端の

「21歳」のイメージに

引きずられてないか?


かくて太史慈を偵察に行かせたら

まさかの孫策と鉢合わせ。


三国志本文では超貴重な

一騎打ちのシーンです。


お互いに敵の頭部から

ブツを奪い取るという

一見して互角の攻防を

繰り広げていますが、

普通こんなのあり得ない。


孫策と太史慈、

どっちも無鉄砲だった為に

起こり得た珍事です。



孫策「なんじゃオラ文句あんのか」

太史慈「でてこいカス」

策・慈「バトルやるか、こらぁ」


(小籔千豊ふう



宋謙は呉書でたまーに見かけるけど

こんな早くから孫家に

仕えてたのか。

地味に魚豢ぎょかんと同じくらい

謎に包まれた人物です。

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