註十三、曹丕子桓と七人の文化人
註13.
典論曰:今之文人,魯國孔融、廣陵陳琳、山陽王粲、北海徐幹、陳留阮瑀、汝南應瑒、東平劉楨,斯七子者,於學無所遺,於辭無所假,咸自以騁騏驥於千里,仰齊足而並馳。粲長於辭賦。幹時有逸氣,然非粲匹也。如粲之初征、登樓、槐賦、征思,幹之玄猨、漏巵、圓扇、橘賦,雖張、蔡不過也,然於他文未能稱是。琳、瑀之章表書記,今之儁也。應瑒和而不壯;劉楨壯而不密。孔融體氣高妙,有過人者,然不能持論,理不勝辭,至于雜以嘲戲;及其所善,揚、班之儔也。
(訳)
典論にいう、
現代の文人は、魯国の孔融、
広陵の陳琳、山陽の王粲、
北海の徐幹、陳留の阮瑀、
汝南の応瑒、東平の劉楨。
この七人は学問に於いて遺失する所が無く、
言辞に於いて借りる所が無く、
咸、騏驥を以て千里を馳せ
足を揃えて並んで駆けている。
王粲は辞・賦に長じており、
徐幹は放逸した気質を有しているが
王粲に匹敵する程ではない。
王粲の初征・登樓・槐賦・征思、
徐幹の玄猨・漏巵・圓扇・橘賦の如きは
張衡や蔡邕と雖も
超えられるものではない。
しかし、他の文辞については
これらの作品ほど
称える事はできない。
陳琳や阮瑀の章・表・書・記は
現代の傑作である。
應瑒は和穆ながら壮健でない。
劉楨は壮健ながら緻密でない。
孔融は文体や気品に於いて巧妙で
人に過ぎたるものがあるが、
論を用いる事はできない。
その理は辞に勝らず、
嘲りや戯れが混じるに至っている。
その善い点においては
楊雄や班固の輩まで及んでいる」
(註釈)
典論は、曹丕さまの自著です。
中途半端に現存しています。
楊雄や班固が100点とすると
王粲たちも80点はいく。
得意分野なら班固たちと同レベル。
と、欠点も交えつつめっちゃ褒めてる。




