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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第二十一、王粲伝
376/603

五、微物すら思い通りにならぬのに

続いて陳琳ちんりん


袁紹えんしょうに檄文書かされた人。

5.

琳前爲何進主簿。進欲誅諸宦官,太后不聽,進乃召四方猛將,並使引兵向京城,欲以劫恐太后。琳諫進曰:「易稱『即鹿無虞』。諺有『掩目捕雀』。夫微物尚不可欺以得志,況國之大事,其可以詐立乎?今將軍總皇威,握兵要,龍驤虎步,高下在心;以此行事,無異於鼓洪爐以燎毛髮。但當速發雷霆,行權立斷,違經合道,天人順之;而反釋其利器,更徵於他。大兵合聚,彊者爲雄,所謂倒持干戈,授人以柄;必不成功,祇爲亂階。」進不納其言,竟以取禍。琳避難兾州,袁紹使典文章。袁氏敗,琳歸太祖。太祖謂曰:「卿昔爲本初移書,但可罪狀孤而已,惡惡止其身,何乃上及父祖邪?」琳謝罪,太祖愛其才而不咎。


(訳)

陳琳ちんりんはまず何進の主簿となった。

何進は諸宦官を誅滅しようとしていたが

太后が聴き入れず、

何進はそこで四方から

猛将を召喚するとともに

兵を引き連れさせて京城へと向かわせ、

そうする事で太后を脅そうとした。


陳琳は進み出て諫言した。


「易では『鹿に即くもととなえ、

諺に『目を掩いて雀を捕える』と有ります。


そもそも微物(鹿や雀)すら

なお欺いては志を得られず、

況してや国家の大事です、

それが詐りによって

立てることができましょうか?


今、将軍は皇族の威を総括し

兵力の枢要を掌握されて

龍が天へ昇り、虎の歩むかのごとくに

高低は御心のままです。


これを以て事を行わば

洪爐を叩いて毛髪を焼く事と

変わりはございませぬ(超楽勝です)。


ただ、迅速に雷霆を発されて

権威を行使され、決断されるべきです。


みちを違えども道に合えば

天も人もこれに順います。


(将軍は)

反対にその利器を解かれて

新たに他者を徴発なさる。


大軍が集合すれば、強者が雄となり、

所謂、干戈を逆さまに持って

人に柄の方を授けるというものです。


絶対に功を成す事はできませぬ、

ただ、擾乱のきざはしとなるだけです」


何進はその献言を納れず、

ついには禍を被る事になった。


陳琳が冀州へ避難すると

袁紹は文章を司らせた。


袁氏が敗れると、陳琳は太祖に帰順した。


太祖が彼に対して述べるには、


「卿はかつて

本初ほんしょ(袁紹の字)の為に檄文を作したが

ただ、孤の事のみを断罪し、

悪をにくむはその身に止めて

おけばよかっただろう。

どうして父や祖父にまで及んだのだ?」


陳琳が謝罪すると、

太祖は彼の才能を愛し、咎めはしなかった。


(註釈)

ちょっと言い回しが変わってるけど

演義2話のラストに出てきた文句です。


陳琳唐突に出てきたなー、って

印象の方が強いシーンです。


陳琳の檄文は

めっちゃ文章力の高い

罵詈雑言という感じです。

袁紹伝の註に載ってた気がする。

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