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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第十五、張旣伝
343/603

二・註一、雍州刺史に就任

2.

太祖將征荊州,而騰等分據關中。太祖復遣旣喻騰等,令釋部曲求還。騰已許之而更猶豫,旣恐為變,乃移諸縣促儲偫,二千石郊迎。騰不得已,發東。太祖表騰為衞尉,子超為將軍,統其衆。後超反,旣從太祖破超於華陰,西定關右。以旣為京兆尹,招懷流民,興復縣邑,百姓懷之。魏國旣建,為尚書,出為雍州刺史。太祖謂旣曰:「還君本州,可謂衣繡晝行矣。」從征張魯,別從散關入討叛氐,收其麥以給軍食。魯降,旣說太祖拔漢中民數萬戶以實長安及三輔。其後與曹洪破吳蘭於下辯,又與夏侯淵討宋建,別攻臨洮、狄道,平之。


(訳)

太祖が荊州けいしゅうを征伐しようとすると

馬騰ばとうらは分かれて関中に拠った。


太祖は再び張旣を

馬騰らの説諭に遣わし、

部曲を解体して還るよう要求させた。


馬騰はこれを許諾したが、その後

猶予いざよい(逡巡して)始めた。

張旣は変事が起こる事を恐れ、

そこで諸県に伝えて

物資を備蓄するように促し、

二千石(太守?)が近郊で迎えた。

馬騰はやむを得ず東へ出発した。


太祖は上表して馬騰を衛尉、

子の馬超を※将軍に任命して

その軍勢を統領させた。


(※馬超伝では偏将軍とある)


その後、馬超が反逆すると

張旣は太祖に従いて華陰かいんで馬超を破り

西方の関右かんゆうを平定した。


(これらの功績から)

張旣は京兆尹けいちょういんとなり、

流民を招きよせて懐柔し

県邑を復興したので、百姓は彼に懐いた。


魏が建国されると尚書となり

転出して雍州ようしゅう刺史となった。


太祖は張旣に対して謂った。


「君が本州に帰還する事は

にしきを着て昼に行く』

とでも謂うべきだろうか」


張魯征伐に従った際は

別働隊として従軍し、

散関へ入りて叛逆した氐族を討ち

回収した彼らの麦を

軍糧として供給した。


張魯が降伏すると、張旣は太祖に

漢中の民衆の数万戸を選り抜き

長安及び三輔を充実させるよう説いた。


その後、曹洪そうこうとともに

下弁に於いて呉蘭ごらんを破り、

一方で夏侯淵かこうえんとともに宋建そうけんを討ち、

別に臨洮りんとう狄道てきどうを攻め、これを平定した。


(註釈)

曹操のセリフにデジャヴを覚えた方は鋭い、

項羽の言の引用です。


項羽

「功をあげても故郷に帰れないのは

派手な服を着て夜出歩くようなもんだ」


曹操

「徳容が故郷に帰ることは

派手な服を着て昼出歩くようなものだな」



馬超ばちょうの反乱と潼関どうかんの戦いが211年、

漢中の張魯ちょうろ平定は215年、

曹洪そうこうと組んで呉蘭ごらん倒したのは218年、

夏侯淵かこうえんと組んで宋建そうけん倒したのは214年です。


時系列かなりミックスされてるので注意。


註1.

魏略曰:旣世單家富,為人有容儀。少小工書疏,為郡門下小吏,而家富。自惟門寒,念無以自達,乃常畜好刀筆及版奏,伺諸大吏有乏者輒給與,以是見識焉。


(訳)

魏略ぎりゃくにいう、

張旣は世世、家の富が少なかったが

(代々家が貧乏だった)

人となりとして容儀が有った。


わかくして書疏(書状)にたくみで

郡の門下にて小吏となり、

家は富裕になった。


自ら寒門の出である事を推し量って

栄達する事は無いとおもっており、

そこで、常に良好な

刀筆とうひつ・版奏を蓄えておき、

諸々の大吏を伺って

それらを欠乏させた者がいたら

その都度給与していた。


これを以て、識られるようになっていった。


(註釈)

少くしてホニャララは

歴史家の語彙力選手権みたいなもん。


列伝されてたり、

名前が出てくる時点で

善悪のベクトルの違いはあっても

すごい人なのです。

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