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淡々三国志  作者: ンバ
蜀書第十三、黄権伝
339/603

註二・註三、劉徹と劉備の得失

註2.

臣松之以為漢武用虛罔之言,滅李陵之家,劉主拒憲司所執,宥黃權之室,二主得失縣邈遠矣。詩云「樂只君子,保艾爾後」,其劉主之謂也。


(訳)

わたくし松之の意見、


前漢の武帝(劉徹)は

虚罔の言を用いて

李陵りりょうの家族を滅ぼした。


劉主(劉備)は憲司の執る所を拒んで

黄権の質(妻)をゆるした。


二人の君主が得たものと失ったものは

はるか遠くに懸絶している。


詩経はいっている。


「楽しきかな君子、

爾の後裔を保ちやしなわん」

(君主がいい人ならきみの将来安泰だ)


これは、劉主の事を謂っているかのようだ。


(註釈)

前漢の武帝の時代に、

李陵りりょうは匈奴の討伐に当たった。

寡兵で力戦したが、力尽きて降伏。


武帝が国内に残された

李陵の家族を殺そうとすると、

司馬遷しばせんが李陵を弁護した。


怒った武帝は

司馬遷のチ○コを切ってしまい、

結局李陵の家族はころされた。


それに比べて、

黄権の家族を許した劉備の

なんと度量の広いことよ。


黄権のむすこの黄崇こうすう

蜀滅亡時に果敢に戦い抜くのが

またなんともエモいのです。


劉備はこの時以外にも、

麋芳びほうが呉に寝返った時も

糜竺びじくのこと怒る様子ゼロでした。

自分が何回も勢力鞍替えしてきてるから

人が同じことやっても寛大なのかも。


なんだかんだ言って

劉備は最高にイカした男さ。


註3.

漢魏春秋曰:文帝詔令發喪,權答曰:「臣與劉、葛推誠相信,明臣本志。疑惑未實,請須後問。」


(訳)

漢魏かんぎ春秋しゅんじゅうにいう、

文帝(曹丕)は詔を下して

喪を発するよう命じると

黄権は答えて言った。


「臣は劉・葛(劉備、諸葛亮)と

誠心を推して互いに信じ合いまして、

臣の本意は明らかです。


疑惑はまだ事実となっておりませぬ、

どうか後のたよりたせてください」


(註釈)

黄権と諸葛亮って仲良いんすね。


後年、諸葛亮との手紙のやり取りで

「黄公衡は快男児、

いつも諸葛亮さんをほめてるよ」

と、司馬懿が述べています。

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