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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第十五、司馬朗伝
325/603

二・註二、董卓との対話

2.

是時董卓遷天子都長安,卓因留洛陽。朗父防爲治書御史,當徙西,以四方雲擾,乃遣朗將家屬還本縣。或有告朗欲逃亡者,執以詣卓,卓謂朗曰:「卿與吾亡兒同歲,幾大相負!」朗因曰:「明公以高世之德,遭陽九之會,清除羣穢,廣舉賢士,此誠虚心垂慮,將興至治也。威德以隆,功業以著,而兵難日起,州郡鼎沸,郊境之内,民不安業,捐棄居產,流亡藏竄,雖四關設禁,重加刑戮,猶不絕息,此朗之所以於邑也。願明公監觀往事,少加三思,即榮名並於日月,伊、周不足侔也。」卓曰:「吾亦悟之,卿言有意!」


(訳)

この時、董卓は天子を遷して

長安を都とし、董卓は洛陽に留まっていた。


司馬朗の父、司馬防しばぼう治書御史ちしょぎょしとなり

西へ移ろうとしていたが、

四方が雲の如くに擾乱していたため

そこで司馬朗を遣って

家族を本県に帰還させようとした。


或る者が、

司馬朗が逃亡しようとしている事を告げたため

捕えられて董卓のもとを詣でた(引っ立てられた)。


董卓は司馬朗に対して謂った。


「卿は亡くなった我が子と同年だ、

大任を負わせようと考えておったのだがな」


司馬朗はそこで言った。


「明公は世に高き徳を以て

陽九の厄に遭遇され、

諸々の穢れを清めて除かれ、

広く賢士を推挙なさっておりますが、

これぞ誠に虚心により

ご思慮を垂れておられるゆえで

まさに平治が興らんとしております。


威徳によって隆盛され

功業を顕著になさいましたが。

兵難は日夜巻き起こり

州郡は鼎沸して、辺境の内の民衆は

安心して業務を行う事もできません。


(人々は)

家財を捐棄えんきして流亡し、

蔵へ逃げ隠れており、

四方の関に禁を設けて

重き刑罰や誅戮を加えても

なお終息はいたしませぬ。


これこそ朗のうれえている所です。


願わくば明公には往事を監観られて

少なくとも三思をお加えくださいますよう。


即ち栄誉と名声が日月のように並び立ち

伊尹いいん周公旦しゅうこうたんすら等しきに足りませぬ」


董卓は言った。


「吾もまたそれを悟っておった。

卿の言葉は我が意を得ている」



(註釈)

董卓は熟慮を加えれば

伊尹・周公旦クラスって言ってる。

おべんちゃらなのか、

本気で言っているのか。

どちらかというと趙高や梁冀なのでは。


そういえば、

董卓の子供や孫世代って割と謎ですよね。

孫娘の董白が出てくるくらい?


171年生まれの息子がいたのは初耳でした。

娘婿は牛輔ぎゅうほ。演義だと李儒りじゅも。


董卓が死んだ時、母親が90代とあるので

董卓はたぶん130〜140年代の生まれかな。


しかし、晋王朝の始祖の兄が

董卓に阿ってるかのような

書き方しちゃって大丈夫なのかな。


董卓のセリフ、

「卿與吾亡兒同歲,幾大相負!」


この「負」の解釈はどっちだろう。


①俺の死んだ息子と同い年の小僧に

もう少しでそむかれるところだったぜ


②俺の死んだ息子と同い年だから

お前に重要な任を負わせようと思ってたのにな


②の方が自然じゃないですかね?


註2.

臣松之案:朗此對,但爲稱述卓功德,未相箴誨而已。了不自申釋,而卓便云「吾亦悟之,卿言有意」!客主之辭如爲不相酬塞也。


(訳)

わたくし松之が勘案するに、

司馬朗のこうした応対は

ただ董卓の功徳を称述しているだけで

箴誨しんかい(いましめる)してはいない。


自ら釈言を述べる事もなく

えているが、董卓はすぐに


「吾もまたそれを悟っておった。

卿の言葉は我が意を得ている」


などと言っている。


客分と主分の言辞が互いに酬いず

塞ぎ合っているかのようである。


(註釈)

裴松之先生から見ても

わけわからん会話なのか……。


董卓が責めているんだとしたら

司馬朗は一言も釈明してないの変だし、

割にすぐ言い包められてるし。


やっぱり「負」が

背くの意味じゃないんじゃないの?


董卓は逃げようとした司馬朗に

「お前を息子のように思ってるんだ。

わしのために働いてくれよ」

って言ってるんだと思う。

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