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淡々三国志  作者: ンバ
魏書第十、荀攸伝
308/603

三、公達の話を聞け!!

3.

太祖迎天子都許,遺攸書曰:「方今天下大亂,智士勞心之時也,而顧觀變蜀漢,不已久乎!」於是徴攸爲汝南太守,入爲尚書。太祖素聞攸名,與語大恱,謂荀彧,鍾繇曰:「公達,非常人也,吾得與之計事,天下當何憂哉!」以爲軍師。建安三年,從征張繡。攸言於太祖曰:「繡與劉表相恃爲彊,然繡以遊軍仰食於表,表不能供也,勢必離。不如緩軍以待之,可誘而致也;若急之,其勢必相救。」太祖不從,遂進軍之穰,與戰。繡急,表果救之。軍不利。太祖謂攸曰:「不用君言至是。」乃設奇兵復戰,大破之。


(訳)

太祖は天子を迎え、許を都とすると

荀攸に書状を送って述べた。


「まさに今、天下は大いに乱れ

智謀の士が心を働かせる時である。


それなのに、蜀漢で

(事態の)変化を観望して

久しくめぬではないか!」


ここにおいて荀攸を徴して汝南じょなん太守とし、

(許へ)入らせて尚書しょうしょとした。


太祖はもとより荀攸の名声を聞いており、

ともに語らうと大喜びして

荀彧と鍾繇しょうように言った。


公達こうたつは常人ではない。

吾が彼とともに事を計れたならば

天下に何を憂える事があろうか?」


(こうして)荀攸は軍師となった。


建安三年(198)、

張繍ちょうしゅうの征伐に従軍した。


荀攸は太祖に述べた。


「張繍と劉表りゅうひょうは互いを恃みに

強きを為しております。

(協力関係にあるから強いのです)


しかし、張繍は遊軍を以って

劉表に食料を仰いでおりますから、

劉表が供給できなくなれば

その軍勢は必ずや離散しましょう。


軍(攻撃の手)を緩めてこの機を待ち、

誘致するに越した事はありません。


もし急激に攻め立てれば、

彼らの軍勢は間違いなく

互いを救援しようとするでしょう」


太祖は従わず、かくて

じょうまで進軍し、交戦した。


張繍が危急となると、

劉表は果たしてこれを救援し、

軍は勝利する事が出来なかった。


太祖は荀攸に言った。


「君の言葉を用いなかったために

このような事態に至ってしまったわい」


そこで、奇兵(奇襲の兵)を設けて

再び戦い、張繍を大破した。



(註釈)


荀攸が曹操の傘下に加わったのは

196年以降になります。


徐栄戦、青州黄巾戦、袁術戦、

陶謙戦、兗州での呂布戦の時には

まだいませんでした。


荊州に駐留して

蜀へ行くチャンスを窺っていた荀攸に

曹操は

「才能を腐らせてんじゃねぇよ、

中原に戻ってこい!!」

という旨のラブコールを送り、

荀攸は以降曹操に軍師として仕えます。


荀彧は留守番担当ですが、

荀攸は曹操に付き従って

前線で知恵を絞る役ですね。

タイプが違います。


荊州にしばらく逗留していたため

荊州牧の劉表の性格や状況も

把握していたのか、

張繍との戦においては、

バックにいる劉表の存在込みで

計策を立てております。


張繍には当代最高の頭脳、

賈詡かくが付いていますが、

荀攸も全く引けを取りません。

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